5月も半ば、朝昼の寒暖差も緩くなり気候も安定してきた、

先週、雨上がりの庭で珍しいカエルを見つけた。

濡れた地面に貼りついていたので、最初はゴムかプラスチックの作り物かと思った。
そのうちピクリと動いた。
緑色でところどころの黒い斑点。体長はは6センチほど。
最初巨大化したアマガエルかと思ったけれど、どうも違う。

いろいろ調べたら、なんと準絶滅危惧種のモリアオガエルだった。
モリアオガエルは自然豊かな森の中にいるものだと思っていた。
大変珍しいので、あらためてじっくり観察。
するとじっと動かなかったのが、突然素早く跳び跳ねて近くの溝に隠れた。

空を見るといつの間にかカラスが来て上空を旋回している。
定演も終わり、ちょっぴりシベリウスとストラヴィンスキーロス。
ストラヴィンスキーとの交流が深かったモントゥーの「火の鳥」を聴いてみた。
手持ちはいろいろ。
バレエ「火の鳥」の音楽には四管編成の全曲のほか、3つの管弦楽組曲が存在する
・1910年版全曲(全22曲) 四管編成
・1911年版組曲(全8曲) 四管編成 バンダなし 子守唄、終曲なし
・1919年版組曲(全7曲) 二管編成
・1945年版組曲(全12曲) 二管編成
モントゥーはストラヴィンスキーの「春の祭典」と「ペトルーシュカ」は初演を指揮しているが、初期の作品「火の鳥」の初演では第1ヴァイオリン奏者として参加している。(初演の指揮は作曲家でもあったガブリエル・ピエルネ)
モントゥーの「火の鳥」の正規録音は1種のみ。

・1956年 パリ音楽院管弦楽団 スタジオ録音
この録音は1919年版とされているが、実際には1911年版組曲から「 火の鳥の嘆願」「 金のリンゴと戯れる王女たち」を除き、1919年版組曲の「子守歌」と「終曲」を加えた版。
すなわち初演時の四管編成を1919年版に似せて編んだ独自の版。
「魔王カスチェイの凶悪な踊り」の1919年版での特徴的なトロンボーンのグリッサンドは入らない。
1956年録音ながらステレオなのがありがたい。
オケの明るくカラフルな音色なのは魅力的であるものの、アンサンブルはかなりラフ。
絶妙なバランスでの高音部のぶつかりが緊張感を呼ぶ「カッチェイの踊り」などはストラヴィンスキー独特のオーケストレーションが十分に音になっていなかったりする。
他のモントゥーの「火の鳥」も聴いてみた。

・1953年4月11日 ボストン交響楽団 ライヴ
West Hill Radio Archives WHRA 6012から出ていたライヴ録音。
この演奏のベースは明らかに1911年版。
「 火の鳥の嘆願」「 金のリンゴと戯れる王女たち」が入っている上に、最後に1919年版組曲にある「子守歌」と「終曲」を加えて演奏している。
さらに20年ほど前、米国のDisco Archivaから多量にモントゥーのライヴが発売され、その時買い集めた手持ちの中にも、ボストン響との「火の鳥」ライヴが2種ある。
CD-Rの表に、サインペンで管理番号が書いてあるという代物で、届いた時は仰天したが、面白いものも沢山あった。
・1945年1月13日 ボストン交響楽団 ライヴ
・1960年 ボストン交響楽団 ライヴ
エアチェックのようで、曲の初めと終わりにアナウンスが入る。
1960年録音はタングルウッドでの演奏のようだ。
最後に1919年バージョンとアナウンスされているが、カッチェイのトロンボーンのグリッサンドがないことの他、ホルンや打楽器パートに1919年版と異なる部分が散見される。「 火の鳥の嘆願」「 金のリンゴと戯れる王女たち」も入り、明らかに1911年版+「子守歌」「終曲」版
録音は、モノラルとはいえエアチェックとは信じ難い生々しい音で、West Hill Radio Archives から出ているWHRA 6012よりもかなり鮮明。
パリ音楽院管とのステレオ録音よりも細部ははっきり聞えるほど。
「カッチェイの踊り」の凄絶さとフィナーレの感動的な盛り上がりなど、演奏も West Hill Radio Archives盤を凌ぐ。
1945年録音はアセテート盤への録音のようで針音が入る。
この時期の録音としてはかなり鮮明。使用している版は、こちらも1911年+「子守歌」「終曲」だが、パリ音楽院管の録音と同じく、「 火の鳥の嘆願」「 金のリンゴと戯れる王女たち」は省かれていて、見かけ上では1919年版と変わらない。
他にいろいろな指揮者の「火の鳥」を聴いていると、モントウー盤と全く同じ1911年+「 火の鳥の嘆願」「 金のリンゴと戯れる王女たち」を省き、1919年版組曲の「子守歌」と「終曲」を加えた版。「子守歌」「終曲」版の演奏があった。

ラインスドルフ指揮ボストン響のRCA盤。
録音は1964年4月で、この年の7月にモントゥーは亡くなっている。
モントゥーの使用していた楽譜を使用したのかもしれない。
ボストン響も手慣れた演奏だった。
Youtubeはユーリ・シモノフ指揮の火の鳥
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