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2006年1月に作成された記事

2006年1月31日 (火)

朝比奈隆のマドンナの宝石

P1300004日曜日に近所のリサイクルショップにぶらりと寄ってみた。このお店は時々LPの入荷があり面白いLPが出ていることがある。
今回見つけたのは東芝EMIが70年代に発売した「ホームコンサートベスト30」という2枚組LP。この類のアルバムはクラシック音楽入門用のごく平凡な名曲を網羅したものが多いが、演奏家を見ると意外な人たちが起用されていたりする。

このアルバムもそのひとつで、大部分が73年録音の朝比奈隆指揮大阪フィルによる演奏。このオリジナルは当時東芝からホームコンサート大全集といった5枚組のLPで出ていたもの。長い間廃盤となっていて多くの朝比奈隆マニアが探していたものだが、朝比奈隆の死後に東芝EMIから朝比奈隆の録音のみ追悼CDとして発売され、稀少価値はなくなった。

私が注目したのは朝比奈隆以外の演奏で、長い間東京交響楽団の指揮者をつとめた上田仁の貴重な録音が含まれている上に、シュトラウス一家の末裔エドゥアルド・シュトウスが1956年に来日した際に東京交響楽団を振った録音まで含まれている。さらに秋山和慶指揮の桐朋音楽大学オケによるチャイコフスキーの弦楽セレナードもある。これで300円は安い買い物だ。

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2006年1月30日 (月)

グラーフのベルリオーズ

P1300006本日の夜PTAの役員会に出席、ママさん方のなんとも結論の出ぬ堂々巡りの議論(おしゃべり?)にぐったりして帰宅。

気持ちがスカッとする爽快な音楽でも聴こうかといった気分だが、なぜか手が伸びたのは「ベルリオーズの葬送と凱旋の交響曲」。ベルリオーズが吹奏楽のために書いた交響曲で、ゴセックやメユールといった合唱付きのフランス古典交響曲の流れを汲む傑作。

聴いた演奏はエルンスト・グラーフ指揮のウィーン国立歌劇場管とウィーン室内合唱団による演奏で、米ウラニアによる50年代のモノラル。
この曲の録音には、コリン・デーヴィスやエッシェンバッハ、デユトアなど少なからぬ数の録音があるが、私はドンディーヌ指揮パリ警視庁音楽隊による新旧2種の録音が気に入っている。

このグラーフという指揮者は知らぬ人だが、第一楽章の葬送の部分が他のどの演奏よりも速いのには驚いた。しかし硬質な響きの中に隙のないアンサンブルで非常に高水準の演奏である。第2楽章の長大なトロンボーンソロも実にうまい。ギレスベルガー率いる合唱団も秀逸。
このLPは録音が実に生々しく、葬送行進曲冒頭の小太鼓などまさに実在の響き、モノラルとはいえ深い奥行きの感じさせる優秀録音。

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2006年1月29日 (日)

グルックのトリオソナタ

P1290003今日は静かなヴァイオリンの音楽が聴きたくなった。
目に止まったのが、10年ほど前に駅売りワゴンの中で数百円で見つけたPOINT CLASSICSのグルックの2つのヴァイオリンとバッソ・コンティヌオのためのトリオソナタ集。1番から8番までが入っている。
いずれも2~3分程度の3つの楽章からなる小さな作品ばかりだが、これが古典的な格調の高さの中に純度の高い愉悦感が漂う佳品ばかりで実に良い。
第3番のアンダンテなどは、あのバッハのヴァイオリンソナタの世界を彷彿させる深い音楽も聴かせる。

演奏はヴァイオリンのViktor SimciskoとAlzbeta Plaskurovaという二人、それにチェロのJuraj AlexanderにMaria Dobiasovaのチェンバロが加わる。
いずれも知らぬ演奏家ばかりだが、美しい音色と緻密なアンサンブルで、これらの名品の美しさを充分に楽しませてくれる。録音も良い。

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2006年1月28日 (土)

スヴェトラーノフの「春の祭典」とボールトのヘンデル

P1280006体調もようやく元に戻った。天気も良い。午後のひとときしばらく遠ざかっていたメインのオーディオに火を入れる。ウエスタン300Bの真空管の仄かな灯りにほっとする。
沼響のHPに書いていた「聴き比べ」がだいぶ日が開いてしまったので、「新世界より」を聴く。

演奏はスヴェトラーノフのライヴで「春の祭典」とモソロフの「鉄工所」という奇妙なカップリング。(「新世界より」の感想はここで書いてしまうとネタ切れになるので、詳細はコラムに書きます。)
フィリップスのCDプレーヤーも今日は機嫌が良い。この66年録音のスヴェトラーノフの「春の祭典」はメロディアのLPでも持っている。しかしScribendumのCDの音はLPで聴いた印象とだいぶ異なり余計なものをそぎ落としたような極めてシャープな音、内声部の弦楽器の、もぞっとする動きも手に取るように聴こえる。ドスの効いた低音も健在。第二部「祖先の儀式と踊り」のホルンの絶叫も凄まじい。スヴェトラーノフの指揮も余計なことをしてないのが良い。オケの性能も極上、重量級正統派の名演である。

モソロフは有名な曲だが3分程度の小曲。ハルサイの強烈な印象に隠れて影が薄い。
まるでメスの巨大な体に豆粒のように寄生する哀れなオスのチョウチンアンコウのようだ。

P1280007パワー・ビッグスのオルガン、ボールト&ロンドンフィルによるヘンデルのオルガン協奏曲集から第13番から16番までの米コロンビア2枚組LP。ボールトのヘンデルに惹かれて購入したもの。もともと全曲録音があるようだが、CD化もされておらず入手は難しいかもしれない。

ビッグスのオルガンはとりわけ特徴もなく、ヘンデルも弾いたという1749年製のオルガンもさほど魅力的な音色ではない。これはやはりボールトの格調高い伴奏ぶりを味わう一枚で、第13番のロンドンフィルの木管のアンサンブルと穏やかなホルンの響きが実に心地良い。
華麗さとは無縁の渋く落ち着いた演奏。

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2006年1月26日 (木)

大野和士のチャイコフスキー

P1260004インフルエンザも峠を越え、熱も下がってきた。仕事は今日も休んでしまったが、音楽を聴く気分にはなってきた。メインのオーディオルームはCDプレーヤーが固まってしまうほどの寒さなので、枕元のCDプレーヤーからヘッドフォンで聴く。CDプレーヤーはマランツのCD72、ヘッドフォンはゼンハイザーのHD414。これが黄色いパッドのおもちゃのような外観ながら、素晴らしい装着感と音質で気に入っている。

CDを取りに行くのも億劫なので、そばにあった娘が聴いていたCDを聴く。チャイコフスキーのおなじみの名曲集で、「白鳥の湖」「くるみ割り人形」の二つの組曲とイタリア奇想曲のカップリング。大野和士指揮のブラチスラバ放送響というもの。オーストリアのT-raxというレーベルのCDで1998年頃の録音らしい。

いささか小さくまとまりすぎの感もあるが、各楽器のバランスが良く、すっきりとした爽やかな曲運びが病中の今の自分には心地よい。ただし大きな編成部分で急にリズムが重くなるのはオケの性能の限界か、響きの良いホールに救われている部分もあるとはいえ、アンサンブルの危うさも散見される。特にイタリア奇想曲のタランテラ。

このCDはかなり低予算で制作されたCDのようで、「くるみ割り人形」ではなんとチェレスタの代わりにピアノが使われていた。これには聴いていて指揮者が気の毒になってきた。
さらにCDのパッケージを見て思わず目を剥いてしまった。
そこにはA.Scholz Musikforderungの文字。このショルツという人は、安い音源を買い取って自分の名や架空の指揮者の名を付けたCDを売りさばいていた人だ。

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2006年1月24日 (火)

インフルエンザ猛威をふるう

娘のインフルエンザが峠を越えたと思いきや、自分が罹ってしまった。

昨日の夕方からどうも関節が痛い、体温も37.5度。
今朝、8時からやっているかかりつけの内科医に直行。
「家で他に熱のある人はいませんか」、「娘がインフルエンザです。」、「検査しましょう」
長い綿棒を鼻につっこまれそのまま20秒間待つ、すぐ目の前にお医者さんの顔。
しばらくして診療室に呼ばれた。
「A型インフルエンザです。今週はだめですね。」、
ガーン・・・まずいことになった。今週は急ぎの仕事の積み残しが満載。

しかし無理して出勤し職場にインフルエンザを蔓延させるわけにもいかない。
直ちに職場に電話をし、部下に仕事を指示する。
先週末に机の上の書類を整理しておいたのがよかった。
急ぎの書類はすぐに見つかったようだ。

昨日まで娘に飲ませていたタミフルも飲んだ。
まだ休んでいる娘がマンガを読みながら「お父さんだいじょうぶ?私がついているからね。」
立場が逆転してしまった。

頭が痛い、もう寝ます。

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2006年1月23日 (月)

尾高忠明の第九

P1250002馴染みの書店の店主さんからCDをいただいた。

尾高忠明&芸大オケ、合唱は沼響もお世話になっている伊豆新世紀創造祭合唱団。
2004年12月19日三島市民文化会館大ホールでのライヴ。
合唱団が制作したプライヴェートCD。

この演奏会は会場で聴いた。
ピシッと引き締まったオケとやる気充分の合唱で、非常に気持ちの良い演奏会だったと記憶している。
はたしてCDでは演奏会の記念品以上の存在価値が感じ取れるかどうか興味のあるところ。

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2006年1月22日 (日)

アーヴィングのロッシーニとマスネ

本日聴いたLP。
P1280010RCAの廉価盤、ブルーバードシリーズのLP。
・「風変わりな店」(ロッシーニ、レスピーギ編曲)、
R.アーヴィング&フィルハーモニア管
・無言歌から2曲ほか(メンデルスゾーン、オケ編曲者の記載なし)
N.マルコ&フィルハーモニア管
昨年11月30日渋谷レコファンで購入、600円。

P1280009ル・シッド(マスネ)
スケートをする人々(マイアベーヤ、ランバート編曲)
アーヴィング&ロンドン響
デッカの廉価盤エース・オブ・クラヴの1枚。
昨年1月24日御茶ノ水ディスクユニオンで購入、こちらも600円。

バレー音楽のスペシャリストとして名高いローバート・アーヴィング。
キレの良いリズムと躍動感で、買ってハズレがない指揮者。この人のLPやCDを見つけると必ず購入している。この2枚も期待を裏切らぬもの。
録音の状態も含めるとデッカ盤に比べるとRCA盤はやや精彩を欠くが、聴いていて愉快な気分にさせるアーヴィングの得がたいキャラクターは健在。

マルコの無言歌オケ編は、当時のフィルハーモニア管の一大デモンストレーション。

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2006年1月21日 (土)

インフルエンザにかかった

小学生の娘がインフルエンザに罹ってしまった。昨日の朝から39度の高熱、もしやと思いつつ掛かりつけの小児科に予約を入れる。朝の7時半だというのに、最短で11時40分だと言う。

11時ちょい過ぎに職場を抜け出して小児科へ娘を連れて行った。
駐車場が満車状態で、なるほど大繁盛のようす。5人ほどの看護婦さんが院内を歩き回っている。予約をしておいたため15分ほどで、診察室へ。

この小児科医は幼馴染だったりするので、いろいろと気軽に話せて良い。「こりゃインフルエンザだな、検査するね。」気楽な会話を続ける。「A型インフルエンザでした。タミフル出しとくね。これ飲んだら一人にさせないで」どうやらタミフルを飲むと精神状態が不安定になる場合があるらしい。結局娘のそばを離れるわけにもいかず、そのまま仕事を休んでしまった。

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2006年1月20日 (金)

寒さで固まる

ここのところの寒さでCDプレーヤーの調子が悪い。CDを入れても固まってしまい再生しないのだ。ホッカイロを天板に乗せて暖めないと動き出さない始末。
機種はフィリップスのLHH700。
フィリップスの創業100周年モデルとかで1991年発売、定価33万円。
とはいえ、私は近くのハードオフで8万円で買った。
クラシックと相性が良く、長く聴いても聴き疲れのしない優れものだったがいよいよ寿命かな。

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2006年1月16日 (月)

ラフマニノフの2番

と言えば、ピアノ協奏曲が定番だが、最近はそうでもないらしい。
交響曲第2番だそうである。
今度うちのアマオケの定演で取り上げることになり、困ってしまった。

というのは、オケのHPで私は、数年前から定演で取り上げる曲の聴き比べコラムを連載しているのだが、今までの曲は全て中坊のころから馴染んだ曲ばかり、書くのには何の苦も感じることはなかった。
が、ラフマニノフの2番(もちろん交響曲ね)は、あまり馴染みがなく手持ちの音盤一ケタ状態。そもそも自分がクラシックを聴き始めた70年代初頭は、この曲の録音はあまりなかったし、その頃購入の主力だった千円ちょっとの廉価盤は皆無だったので、そもそも聴くわけがない曲だったのである。
かつてトレンディドラマで紹介され、巷で大人気になった時もバカにして聴く気にならなかった。定演のメイン曲に団員投票で決まってしまった時、いっそのこと今回は休載しようかと真剣に考えてしまったほどである。

しかし今までの連載が好評だったようで、団内外の人達から、「次はラフマニノフね」,「楽しみにしてます」などとメールを頂いたりしてしまっている手前書かざるをえなくなってしまった。
とりあえずあわててアマゾンからドーヴァーのスコアを購入し(ブージーは高いもんね)

音盤もできるだけ掻き集めた。(それでもやっと40種類くらい、たぶん出回っているのは100種類くらいあると思う。)
年も変わったことだし、そろそろ書き始めようと思う。(変換したら「書き恥じ」と出た)
今、ラフマニノフの伝記を3冊ほど取り寄せて読んでいる。正直苦痛です。

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プロローグ

ブログを始めてみた。ネットは、パソコン通信時代からお馴染みだったけれど、あちらこちらの掲示板に書き込むだけで自分でHPを立ち上げる気にはならなかった。

今までコツコツ集めたLP,CD約2万枚。
日々の音盤購入記録と視聴感想集。 そしてその他音楽以外で感じたことなど。軽い備忘録のつもりで書き綴っていこうと思う。

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