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2006年1月28日 (土)

スヴェトラーノフの「春の祭典」とボールトのヘンデル

P1280006体調もようやく元に戻った。天気も良い。午後のひとときしばらく遠ざかっていたメインのオーディオに火を入れる。ウエスタン300Bの真空管の仄かな灯りにほっとする。
沼響のHPに書いていた「聴き比べ」がだいぶ日が開いてしまったので、「新世界より」を聴く。

演奏はスヴェトラーノフのライヴで「春の祭典」とモソロフの「鉄工所」という奇妙なカップリング。(「新世界より」の感想はここで書いてしまうとネタ切れになるので、詳細はコラムに書きます。)
フィリップスのCDプレーヤーも今日は機嫌が良い。この66年録音のスヴェトラーノフの「春の祭典」はメロディアのLPでも持っている。しかしScribendumのCDの音はLPで聴いた印象とだいぶ異なり余計なものをそぎ落としたような極めてシャープな音、内声部の弦楽器の、もぞっとする動きも手に取るように聴こえる。ドスの効いた低音も健在。第二部「祖先の儀式と踊り」のホルンの絶叫も凄まじい。スヴェトラーノフの指揮も余計なことをしてないのが良い。オケの性能も極上、重量級正統派の名演である。

モソロフは有名な曲だが3分程度の小曲。ハルサイの強烈な印象に隠れて影が薄い。
まるでメスの巨大な体に豆粒のように寄生する哀れなオスのチョウチンアンコウのようだ。

P1280007パワー・ビッグスのオルガン、ボールト&ロンドンフィルによるヘンデルのオルガン協奏曲集から第13番から16番までの米コロンビア2枚組LP。ボールトのヘンデルに惹かれて購入したもの。もともと全曲録音があるようだが、CD化もされておらず入手は難しいかもしれない。

ビッグスのオルガンはとりわけ特徴もなく、ヘンデルも弾いたという1749年製のオルガンもさほど魅力的な音色ではない。これはやはりボールトの格調高い伴奏ぶりを味わう一枚で、第13番のロンドンフィルの木管のアンサンブルと穏やかなホルンの響きが実に心地良い。
華麗さとは無縁の渋く落ち着いた演奏。

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コメント

http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1846171

ワタシの持っているCDはこちらでして、山本さんのと同じ音源なんでしょうか。なかなか脂っこくて楽しめる、わかりやすい演奏でした。肉体系かな?知的方面ではないが。音質なかなかでした。

投稿: 林 侘助。 | 2006年1月28日 (土) 22時22分

同じ音源ですね、たぶん。LPの時はボテッとした田舎風の春の祭典だったイメージが強かったのですが、CDは全体に響きに輝きが出ていて、ずいぶんと印象が変わりました。

投稿: 山本晴望 | 2006年1月28日 (土) 23時03分

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