グラーフのベルリオーズ
本日の夜PTAの役員会に出席、ママさん方のなんとも結論の出ぬ堂々巡りの議論(おしゃべり?)にぐったりして帰宅。
気持ちがスカッとする爽快な音楽でも聴こうかといった気分だが、なぜか手が伸びたのは「ベルリオーズの葬送と凱旋の交響曲」。ベルリオーズが吹奏楽のために書いた交響曲で、ゴセックやメユールといった合唱付きのフランス古典交響曲の流れを汲む傑作。
聴いた演奏はエルンスト・グラーフ指揮のウィーン国立歌劇場管とウィーン室内合唱団による演奏で、米ウラニアによる50年代のモノラル。
この曲の録音には、コリン・デーヴィスやエッシェンバッハ、デユトアなど少なからぬ数の録音があるが、私はドンディーヌ指揮パリ警視庁音楽隊による新旧2種の録音が気に入っている。
このグラーフという指揮者は知らぬ人だが、第一楽章の葬送の部分が他のどの演奏よりも速いのには驚いた。しかし硬質な響きの中に隙のないアンサンブルで非常に高水準の演奏である。第2楽章の長大なトロンボーンソロも実にうまい。ギレスベルガー率いる合唱団も秀逸。
このLPは録音が実に生々しく、葬送行進曲冒頭の小太鼓などまさに実在の響き、モノラルとはいえ深い奥行きの感じさせる優秀録音。
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