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2006年2月 6日 (月)

クラフトのバッハとイモージェンのホルスト

ずいぶん冷えると思ったら外は雪だ。今日もクラフトのバッハを聴く。
今回は先日のワーナーの国内盤全集ではなく、同一演奏なP2060030 がら米VOXから出ていたモノラル仕様のLP(PL11.440)で、Ebersmunsterにある名匠ジルバーマンが1732年に製作した名オルガンの演奏を集めた1枚。

モノラルながらオリジナルに近いためにワーナーのLPよりも音像が明快、ジルバーマンオルガンの素晴らしい響きが長い残響を残しながら教会の空間に減衰していくのが良くわかる。
曲は、有名なトッカータとフーガニ短調を筆頭にパストラーレや幻想曲BWV.572などの比較的有名曲が並んだアルバム。
クラフトの演奏は、有名なトッカータとフーガですら名器の明るめの音色をあえて抑えながら渋く演奏していく。パストラーレでは一転して明るく開放的な音色で聴かせ、まさに澄み切った青空の田園風景が目に浮かぶ。

P2060032 もう一枚はホルストの愛娘イモージェン・ホルストが父の作品を演奏したもの。英LyritaのLPでオケはイギリス室内管。
曲目は、ホルストの晩年の作品から「二つのヴァイオリンのための協奏曲」、「カプリチオ」、バレー音楽「金の鵞鳥」、そして初期の作品から「二つの無言歌」。ソリストはE.HurwitzとK.Sillitoというもの。

東洋的な趣の漂う内省的なコンチェルトは、第2楽章はほとんど二本のヴァイオリンの対話で進行する。「天王星」のエコーがかすかに聞こえるのが面白い。
続く「カプリチオ」はホルストが晩年アメリカのコンサートバンドのために書いた曲をイモージェンが室内オケに編曲した珍しい作品。ホルストが教鞭を取っていたセントポール女学院のために書かれた「金の鵞鳥」や「無言歌」とともに民謡風の親しみやすい素材を巧みなオーケストレーションで聴かせる佳曲だった。
イモージェンの演奏は、丁寧な歌い口に父への深い敬愛が漂う。

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コメント

祝・全快。

ワタシ、LP時代ワルター・クラフトの全集を所有しておりました。MurryHillとかいうレーベル名で安っぽい緑色の紙の箱に、なんの印刷もない紙質の悪い白い袋に収納されたもの~中古壱万円でした。素朴で草の香りがするようなエエ演奏だったなぁ。(録音がイマイチだったのか、それとも盤質が劣悪だったのか)

だから座右に「全集がある」とのは当たり前のことでして、CD時代になったらヴォルグガング・シュトゥックマイヤーの全集が5990円で出たときに購入したものです。(昨年くらいにさらにその半額くらいで再発された)

BACHの音楽、とくにオルガン作品は、ときどき思い出したように摘み聴きしても必ず感動しますよね。ヴャルヒャのモノ全集が格安で出ているが、少々悩みます。

投稿: 林 侘助。 | 2006年2月 7日 (火) 20時32分

>素朴で草の香りがするようなエエ演奏。
まさに言い得て妙です。
BACHの音楽はいつ聴いても心が落ち着きますね。
クラフトの録音は、VOXのモノLPを聴くかぎりでは良い音で入っていました。ワーナーのLPはちょっと鮮度が落ちます。

MurryHillのLPですか、私はサヴァリッシュ&ウィーン響のブラームス交響曲全集を持っています。ジャケットからして怪しげな盤です。

投稿: 山本晴望 | 2006年2月 7日 (火) 23時53分

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