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2006年4月 8日 (土)

クラシカル・バーブラ

雷を伴った猛烈な雨が止んだ後明るい青空が覗く。時が経つにつれて次第に黄砂で遠くの山々が霞んで来た。目まぐるしく天候が変化した一日。

P4080237土曜の静かな晩、今日は女声ボーカルが聴きたくなった。レコード棚から取り出したのは私のお気に入りの一枚で、バーブラ・ストライザンドが歌うドビュッシーやフォーレ、カントルーヴ、シューマン、ヘンデル、ヴォルフなどの歌曲を取り上げた「クラシカル・バーブラ」というアルバム。

第一曲のドビュッシーの「美しい夕暮れ」からオーケストラの幻想的な響きに乗って耳元でそっと囁くような甘いバーブラの歌声が部屋に漂う。

全てスローバラードの遅いテンポの曲ばかりだが、曲の絶妙な配列と作曲者の個性を見事に捉えているバーブラの確かな歌唱力のおかげで、あっという間に最後まで聞きとおしてしまう。
幻想的なドビュッシーと、ちょっぴり艶のあるヴォルフの「語らぬ愛」が特に印象に残る。
ヘンデルの歌劇「リナルド」や「感謝の歌」も格調の高い感動的な歌唱だ。全て原語で歌っているのも素晴らしい。

このアルバムのプロデユーサーは、坂本龍一が尊敬しているというクラウス・オーガーマンという人で、編曲と指揮、ピアノ伴奏までおこなっている。オケはコロンビア響。
このオケアレンジが実に良く、ドビュッシーの伴奏などドビュッシー自らの編曲と錯覚してしまうほどだ。もともとオケ版のあるフォーレの「パヴァーヌ」や「カルミナ・ブラーナ」はほぼそのまま、そしてヴォルフ、シューマンのようにピアノ伴奏が大きく物を言う曲はアレンジせずに自らがピアノを弾いている。このアルバムの最後を飾るの「I love you」はオーガーマンの曲だが他の作品との違和感は全く感じられない。

このアルバムを聴いたバーンスタインは「彼女は私達に尋常ならざる音楽体験をさせる」という言葉を残している。

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