ロジンスキーのR.シュトラウス
昨晩までストーヴを点けていたのに今日は爽やかな天気となった。静岡市は夏日だったという。腰の痛みはなんとか引いてきた。
今日は、EMI・IMGから出ているCD2枚組シリーズ「20世紀の偉大な指揮者 ロジンスキー編」を聴く。
既に紹介したラフマニノフの交響曲第2番の他に、R.コルサコフやムソルグスキーのロシア物、「ウイリアム・テル」序曲、ワーグナーの管弦楽曲集、R。シュトラウスの「7つのヴェールの踊り」と「死と変容」が収録されている。それにしてもずいぶんと巨大な指揮棒だ。
一般的には、「ウイリアム・テル」序曲に聴かれる男性的で一直線に突っ走った単純な演奏がロジンスキーの演奏スタイルというイメージが強い。確かにそのような一面はあるが、ワーグナーの「ジークフリートの葬送行進曲」のびっしり中身の詰まった濃い響きを聴くと、それほど単純ではないと思う。
中でもR.シュトラウスの「死と変容」に大きな感銘を受けた。これは1957,58年のロジンスキー最晩年の記録で、オケはフィルハーモニア管。
このロジンスキー最後の録音セッションはステレオで収録され、他にロイヤルフィルとのファリアとロシア物が録音されている。
こちらは同じジャケット写真を使用したファリアとチャイコフスキーの米セラフィム盤。
最後の録音でも、このようないわゆる通俗名曲しか振らせてもらえなかったのは悲しいが、この2枚に入ってないロジンスキーの死後発売されたという「死と変容」は非常な名演だと思う。
なによりもオケの昇華された純な響きが実に美しい。ティンパニの強打で音楽が急展開する部分の鮮やかさ、フォルティシモも密度の濃い響きから最後の神秘的な終結部まで、どの部分を聴いても超一流の音楽が鳴っている。20数分間があっという間に過ぎ去ってしまう。
生涯円熟とは縁がなかったなどと言われるロジンスキーだが、この演奏を聴くと、最晩年に大きな花が咲きかかっていたのではないかと思えてくる。
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