パリ・ギャルドのバッハとシュミット
昨日は職場の歓迎会だったため音楽は聴いていない。
今日は、ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団の演奏を聴いた。
「トッカータとフーガ」や「ハンガリー狂詩曲第2番」、スッペの「詩人と農夫」序曲などが入ったおそらくこの楽団の録音としては最も有名なアルバム。
1961年の来日時に録音された「牧神の午後への前奏曲」とフローラン・シュミットの「デユオニソスの祭」、「軍艦行進曲」などの日本の行進曲集と組み合わせた2枚組LPだ。
いずれも60年代のジュリアン・ブラン楽長時代の録音で、行進曲集はレイモン・リシャール副楽長が振っている。10数年前に静岡市の中古レコード店で購入したもの。2枚組500円で投売りしていて、このお店はまもなく店じまいしてしまった。
フランスの管楽器独特の華やかな中にもしっとりとした気品の漂う音色に酔う一枚。
メンバー全員がパリ音楽院の卒業者で、この録音当時はパリ音楽院管と掛け持ちの団員もいたという。統一された奏法、緻密なアンサンブルと同一の音色感で全ての楽器が見事に溶け合っている。現在もメンバーの多くがパリの私設オケや音楽大学の教授を兼務している。ウィーンフィルの吹奏楽版のようなものだ。
ストコフスキーのゴージャスなバッハとは対照的な室内楽風のバッハだった。「牧神の午後への前奏曲」もとても吹奏楽とは思えない柔軟な動きを聴かせてくれる。ソロも極上。
ギャルドのために書かれた「デユオニソスの祭り」では、ダイナミックな躍動感と原色の絵の具をキャンバスにぶちまけたような音の洪水に圧倒される。
ロジェ・ブトウリー楽長の時代になってからは楽器の編成も変わってしまい。この独特な響きを聴くことができなくなってしまった。
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