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2006年4月 3日 (月)

スゼー、コルトーの詩人の恋

気温も上がり爽やかな素晴らしい天気となった。昨日の風雨に耐えた満開の桜が眩しく目に映る。

P4030233今日聴いたのは、若き日のスゼーの歌うシューマン「詩人の恋」全曲。1956年のパリでのライヴで伴奏はコルトー。
チェトラから出ていた国内盤LPで、A面はフラグスタートが歌うR.シュトラウスの「4つの最後の歌」、伴奏はフルトヴェングラー指揮のロンドンフィルでこちらは1950年録音。

スゼーの声は同じフランスの名歌手モラーヌの気品豊かな歌唱には及ばぬものの、のびやかで息の長い歌を聴かせてくれる。後のステレオ期の声よりも太い声の力強いシューマンだ。第7曲で選択譜の低い方の音符を歌っているのは、コルトーの指示だろうか。

コルトーの「詩人の恋」はパンゼラとの有名な録音もあるが、ここでも詩情豊かな見事な伴奏を聴かせてくれる。往年の艶が失せ音が濁る部分もあるが、技巧の衰えはさほど気にならない。シューマンを得意としたコルトーの貴重な歌曲伴奏の遺産だ。

P4020231あとひとつ、平凡社のファブリ名曲集モーツァルト編から「アヴェヴェルムコルプス」とクラリネット協奏曲の入った一枚を聴く。演奏はB.コルラディーニ神父の指揮するチェラーノ聖歌隊、カンテルリ四重奏団の伴奏。クラリネット協奏曲はヨースト・ミヒャエリスのクラリネット、ライヒェルト指揮のウエストファーレン管、ブックオフのジャンクコーナーで見つけたレコード。

ファブリのVOX原盤録音では、カサドの弾くドヴォルザークのチェロ協奏曲が生々しい再生音だったので期待したのだが、こちらは霞がかかったような腰が抜けた音でがっかり。演奏も冴えない。特に「アヴェヴェルムコルプス」は少年合唱の純な声は良いが、このような隙間風の吹くような稚拙なアンサンブルでは曲の良さが伝わってこない。
名指揮者カンテルリの名を冠した四重奏団もルーティーンな伴奏に終始。

「アヴェヴェルムコルプス」は、未だに決定的な名演というものに出会ったことがない。演奏が難しいのだろうか。

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コメント

コルトーは戦前SPでパンゼラと同じ曲を録音していますね。滑らかなタッチでロマンティックな演奏です。当時はヒュッシュの録音とともに両巨頭といわれていましたが、どちらも甲乙つけがたいものです。しかし終曲のエンディングの部分をコルトーで聞いていると、ピアノの音楽に占める割合がとても高いことに気づかされます。

スゼーのドイツ語に関して批判の対象になることがありますが、発音だけそれらしくて言葉を理解しないで歌っている現代の一部の歌手よりも誠実な印象を受けます。彼の「水車屋」など、最近はよく聞きます。

投稿: ぶりちょふ | 2006年4月 8日 (土) 08時35分

パンゼラの「詩人の恋」は残念ながらまだ聴いたことはありませんが、このスゼー盤に聴かれるトロリとしたロマンティックなシューマンは独特な魅力があります。
スゼーの素直なシューベルトも好きな演奏です。

ちなみに「詩人の恋」の私の刷り込みは、ヴィンダーリヒがギーゼンのピアノで入れたグラモフォン盤です。

投稿: 山本晴望 | 2006年4月 9日 (日) 19時42分

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