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2006年4月10日 (月)

ホースレイとモラルトのモーツァルト

今日はヤフオクで購入した二つのモーツァルト演奏を聴く。

P32502011枚は、天才ホルニスト、デニス・ブレインとの共演で知られるコリン・ホースレイのモーツァルト。
今日聴いたLPはモーツァルトのピアノ協奏曲第14番K449とピアノと木管楽器のための五重奏曲K452とのカップリング、コンチェルトはバージル・キャメロン指揮のフィルハーモニア管、クインテットはブレイン管楽合奏団が共演している。EMI原盤の東芝から出ていた国内赤盤LPで、ヤフオクでは他に競合する人もなく500円。

この2曲はほぼ同時期に作曲された曲で、おそらくこのカップリングがオリジナルだと思う。ブレインと共演したクインテットは何度も再発されCDでも現役だが、ホースレイの弾くピアノコンチェルトは、一度出ただけで忘れ去られているのではないか。

演奏は2曲とも素晴らしい。粒立ちのはっきりとした音と確かなテクニックの持ち主のホースレイだが、コンチェルトの第2楽章では純な叙情がごく自然に流れていて実に素晴らしい。
この誠実すぎて幾分控えめな音楽造りが、ホースレイの名が広く知られることなく忘れ去られた原因かもしれないが、モーツァルト中期のピアノコンチェルトはこのような演奏が特に好ましいよう思う。
それにしてもこの14番の第2楽章の美しさはなんとも形容し難い。モーツァルトのピアノコンチェルトの中でも特に際立った名作だと思う。

クインテットでのブレインのホルンは相変わらずの天才肌のお仕事で全く文句のつけようもないが、コンチェルトでのキャメロン指揮の素直な伴奏にも不満はない。

P3250215もう一枚はR.シュトラウスの甥のドイツの指揮者ルドルフ・モラルト指揮するウィーン響によるモーツァルト歌劇序曲集。
「フィガロの結婚」や「魔笛」などのおなじみの曲に加えて「イドメネオ」「皇帝ティトウスの慈悲」などの7曲の入ったフィリップスのお買い得10吋モノラル盤。ヤフオフで200円。

こちらはいささか詰めが甘いノンキなモーツァルト。「魔笛」など管楽器の入りが微妙にずれていたりする。「フィガロの結婚」や「後宮からの誘拐」などは劇場的な気分が横溢していて楽しめたが、「ドンジョバンニ」はモーツァルトに不可欠な生き生きとした躍動感が不足し鈍重な印象だ。

当初詰め込み過ぎで音が丸く聞こえたが、カートリッジをデンオンのモノラル専用カートリッジに変えたら引き締まって良い音になった。

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