ユッシ・ヤラスのシベリウスとシベリウス自作自演
今日は、フィンランドの指揮者ユッシ・ヤラスのシベリウス。ヤラスはシベリウスの娘婿でシベリウスの作品を数多く録音している。


特にDECCAに残した「四つの伝説」全曲を含むハンガリー国立響との一連の管弦楽曲集は貴重な遺産だ。
今回聴いたのはAce of Diamondsシリーズの3枚のLPから、「クリスチアン2世」と「アンダンテ・フェスティーボ」。
交響曲第5番第2楽章と同じ旋律が聞こえる初期の作品「クリスチアン2世」、そしてシベリウス創作活動のほぼ最後の作品となった「アンダンテ・フェスティーボ」、いずれもヤラスは外面的な効果とは無縁のしみじみとした演奏で聴かせる。
この「「アンダンテ・フェスティーボ」には、シベリウス自身がフィンランド放送管を指揮した録音がある。現在オーストリアのONDINEレーベルから出ているCDで、第二次世界大戦の迫る1939年の元日に放送されたもの。
ゆっくりとしたテンポの中、飾り気のない素朴な、聴き手に切々と訴えてくる素晴らしい演奏だ。
実はこの曲のシベリウスの自演とされる録音はもうひとつあって、かつてFINLANDIAレーベルから出ていた。
ところが、長い間シベリウスの演奏とされていたこの録音は、別の指揮者の演奏であることが最近になって判った。
どうやらフィンランド放送局が取り違いをしていたらしい。
だが、このFINLANDIAレーベルから出ている録音も、深い祈りの心に満ちた感動的な演奏なのだ。この演奏の指揮者は未だ不明とされている。
もうひとつこの曲の原曲となった「村の教会で」をEere Heinonenのピアノで聴く。
全集録音からのハイライト盤で、他にピアノソナタや「フィンランディア」のピアノ版も入っている。清らかなせせらぎの水に手を浸すような爽やかさの感じられるピアノが実に心地よい。
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