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2006年5月15日 (月)

アルゲリッチのシューマン

久しぶりに天気の良い爽やかな一日となった。

P5150331今日はアルゲリッチの弾くシューマンを聴く。聴いた(視た)のは、ここのところマイブームとなっているシューマンのピアノ協奏曲。カナタ放送局のアルヒーヴからVAIが製品化したビデオで、伴奏はパウル=デッカー指揮のCBC交響楽団。他にリストの「詩的で宗教的な調べから葬送曲」とラヴェルの「水の戯れ」を弾いている。1977年7月31日の収録。

34才のアルゲリッチの弾くシューマン。芯のある力強い打鍵だが意外と大人しい。テンポの変化もあまりなく、奔放な情熱の迸りは感じられない。これはデッカーの凡庸な指揮に大きな原因があるのかもしれない。
スタジオ収録でオケはピアノの後方の横一列に並んでいる。30名ほどの人数だが、アルゲリッチの存在感の前に指揮のデッカーも含めて全く影が薄い。

それにしても太い腕だ、一緒に視ていた家内が「この腕でマッサージをしてもらったら気持ちよさそうね。」などと言う。なるほど。

シューマンは期待外れだったが、リストとラヴェルは凄い。リストでは、冒頭のずしりとした深い低音の響きが聴き手の心をむんずと掴んでしまう。そしてラヴェルの眩いばかりのテクニック。時折ふっと力を抜き優しげな表情を見せるのもにくい。

シューマンではアルゲリッチの妖艶な表情のアップが多かったのが、リストとラヴェルではほとんど指先のクローズアップ。それにしても良く回る指だ。

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