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2006年5月14日 (日)

コンチェルト、ソリスト合わせ

昨晩からの雨が降り止まぬ朝。今日はコンチェルトのソリスト合わせのため朝から文化センター大ホールへ。開館時間の9時ちょっと前に着くと、ホール入り口に見慣れた団員達の顔に混じりお年寄りが多数。どうやら小ホールで市民マジックショーがあるらしい。

ホールの駐車場入り口で、横島先生に続いてソリストの海瀬さんを出迎える。ちょっと眠そうな表情だ。9時半から練習は開始、オケだけの軽い練習の後、いよいよソリストの海瀬京子さんの登場。好奇心に満ちたオケの面々の表情が面白い。

コンチェルトの冒頭、ピアノの力強い和音で会場がピリッと引き締まる。粒立ちのはっきりした輝かしい音が気持ちよくホールの中を流れていく。この第1楽章は、音コン受賞者コンサートで弾いているだけあって余裕の弾きぶりだ、オケの連中も嬉々として弾いている。

音コン受賞以後、数多くの本番をこなし、一流の音楽家達との共演が大きな刺激となり、ここ数ヶ月のうちに彼女の実力が確実にスケールアップしているのが嬉しい。
ホールの響きとオケの音量を聴き比べながら、ピアノの音量をコントロールしつつ曲を進めていく手際も音コン本選時から格段に成長している。
練習後、彼女はホールのデッドな響きを気にしていたが、ピアノの位置の工夫が必要かもしれない。

P5110318今日はイギリスの名コントラルト、キャサリン・フェリアーの歌う、バッハ・ヘンデルアリア集を聴く。41歳の短い生涯だったフェリアーが世を去る一年前のDECCAへの録音で、バッハの「マタイ受難曲」「ヨハネ受難曲」「ロ短調ミサ」やヘンデルの「メサイア」「サムソン」といったオラトリオの名曲を集めたアルバム。
サー・エードリアン・ボールト指揮するロンドンフィルの伴奏。

フェリアーの声量のある太く深い響きが圧倒的な存在感で迫って来る名唱。死を目前にしながらも毅然としたスタイルの中に深い情愛が感じられ感動的だ。
「サムソン」からのアリア「万軍の主よ帰りたまえ」のあまりにも崇高な歌唱には聴いていて涙が出そうになった。ボールトの指揮も素晴らしい。

オリジナルはモノラルでジャケット表示も擬似ステレオとあるが、実はフェリアーの死後に共演したメンバーが再び集まり、伴奏部分のみステレオ録音を行ったというアルバムだ。聴いていて違和感は全く感じられない自然なステレオ録音。

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