バイエルンのワルター
再び気温が下がって来た、小雨のぱらつく一日。GWとはいえ今日は出勤。
帰宅後に聴いたのはワルターのライヴ。Orfeoから発売されている1950年10月2日のミュンヘンでの演奏会録音で、バイエルン国立歌劇場管を振った「未完成」と「巨人」。
2曲ともワルターには既に複数の録音があるが、いずれも堂々とした風格の中にロマンティックな暖かさの感じられる名演だった。
このミュンヘンのライヴは音楽の振幅の大きさと激しさで、ワルターの演奏の中では極めて異質の演奏だった。
「未完成」第一楽章のトロンボーンの強奏部分の強弱の大きな落差などワルターの他の録音では聴けぬ解釈だ。
一方の第2楽章では、激した感情が次第に落ち着きを取り戻し、展開部でヴァイオリンの旋律に導かれて安息の解決を迎える部分などは、ウィーンフィルとの録音でも聴かれたワルターならでは芸格の大きさを感じさせる表現。
ドラマティックな盛り上がりを見せる「巨人」もワルターとしては珍しい。バイエルンのオケは決して良く鳴るオケではないが、かつて音楽監督であったワルターの棒に懸命に食い下がっている。
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