ブールのラヴェル
今日は母の誕生日なので仕事も早く切り上げ、早めに帰宅。オケの練習も休ませてもらい。家でささやかなお祝いをおこなった。
今日はフランスの指揮者、エルネスト・ブールのラヴェルを聴く。
聴いたのはドイツのhansslerから出ているCDで、ブールの手兵バーデン・バーデンの放送オケを振った一枚。「クープランの墓」、「古風なメヌエット」歌曲集「シェラザーデ」「ツィガーヌ」そして「ダフニスとクロエ」の二つの組曲が入っている。
ブールのラヴェルではフランスAstreから出ているCDがあり、こちらは「スペイン狂詩曲」「マ・メール・ロア」「優雅で感傷的なワルツ」「クープランの墓」が入っている。クープランの墓はhansslerと同じ音源だが、聴き比べるとhanssler盤の方が僅かに録音レベルが高いようだ。
「ボレロ」と「ラ・ヴアルス」もドイツIntercordのCDから出ていて、こちらは「展覧会の絵」も収録されている。
以上の3枚で、ブールの演奏でほぼラヴェルの主要な管弦楽作品が揃うことになる。録音は1967年から1977年。
これらの3枚からいくつかの曲を聴いてみたが、いずれもラヴェルの精緻を極めたオーケストレーションを驚くべき精密さで再現した素晴らしい名演だった。
これほど冷静で明晰なラヴェルは他に類を見ない。その硬質な音楽造りが時として冷たさを感じさせることもあるが、「マ・メールロア」終曲冒頭の神秘的な中に暖かさを秘めた開始など、実に感動的な響きを聴かせている。
「ツィガーヌ」のヴァイオリンは、80年代にイ・ムジチのコンマスだったピーナ・カミレッリが弾いている。これも、また渾身の情熱を秘めたとてつもない名演だった。
この演奏を聴いているうちに、来日公演で聴いたカミレッリ&イ・ムジチの「四季」の演奏を思い出した。
あの時の「冬」の第2楽章、カミレッリが聴かせたヒューマンな祈りに満ちたソロに会場全体が大きな感動に包まれていた。あれは本当に素晴らしいヴァイオリンだった。
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