スイトナーのモーツァルトとハイドン
東海地方も梅雨入りとなった。しとしとと雨の降り続く一日。
昨日久しぶりに「魔笛」序曲を吹き、良い演奏が聴きたくなった。
いろいろ迷った末に取り出したのはスイトナーがシュターツカペレ・ベルリンを振った演奏で、徳間音工から出ていた序曲集。ドイツ・シャルプラッテン音源の有名な録音だ。
羽毛のような繊細なオケの響きに乗って、モーツァルトの爽やかな音楽が自然に呼吸している名演。
続いて同じくスイトナーのモーツァルトで、交響曲第39番。こちらはシュターツカペレ・ドレスデン。
ベルリンのオケに比べ、奥行きとふくらみで僅かながらこちらが勝るが、両者ともスイトナー固有の音で鳴っているのが凄いと思う。
このLPは70年代に出た国内盤LPでジャケットもかなり痛んでしまったが、このシリーズは後に出たCDに比べると音が格段に良い。
スイトナーが振ったもう一つの旧東ドイツの名門オケの録音で、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管を振ったモーツァルトの交響曲第25番とハイドンの「軍隊」を聴く。
これはスイトナーがかなり若い頃の録音で、ジャケット写真も若々しい。
独エテルナのオリジナル・ステレオLP。国内盤ではハイドンは出たがモーツァルトは出なかったように思う。
モーツァルトの交響曲第25番は一度演奏したことがあるが、ホルン4本編成で弦楽器とのバランスの取り方が難しかったように記憶している。
颯爽としたスイトナーの演奏は、疾風のように駆け抜ける小ト短調のこの曲にふさわしい。
このモーツァルト以上に素晴らしかったのは「軍隊」の演奏。ドレスデン、ベルリンのオケとも違うタイプのずしりとした重量感のある充実したオケの響き。この中でいつもながらの自然にトウトウと流れるスイトナーの音楽。中でもフルート奏者の抜群のうまさが印象に残る。
畏友山本昌邦がジュビロ磐田の監督の座を退いた。3年の任期をあと一年残していたのだが彼らしい潔さだ。彼はまもなくワールドカップの解説者としてドイツへ飛ぶ。帰国後ゆっくり話す機会もあるだろう。
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