ロペス=コボスのファリア
八ヶ岳ではもうススキが出ていたが、ここ沼津でも秋の気配が着実に訪れている。明け方などだいぶ過ごしやすくなった。本日も仕事を休み明日から始まる新学期に向けて子供達の夏休みの宿題をチェックしたりして一日を平和に過ごす。
涼しくなったため、オケ物も聴く気になってきた。今日聴いたのは、スペインの指揮者、ヘスス・ロペス=コボスの指揮するスペイン物。
ファリアの「三角帽子」全曲、賛歌、「はかなき人生」より間奏曲の入ったテラークのCDで、オケは1986年から芸術監督だったシンシナティ響。
ロペス=コボスは地味な存在ながら、いつも自然な音楽の流れの中に説得力の強い演奏を聴かせてくれる。聴いていてハズレの演奏に当たったことがない。特に初稿を用いたブルックナーの「ロマンティック」やハイドンの交響曲の名演が印象に残っている。
このファリアでもお国ものという以上に、生命力に溢れた躍動感のある演奏を聴かせてくれる。自然で無理のない旋律の歌わせ方に爽やかさが感じられる優れた演奏だと思う。
続いてクラリネット奏者、ディーター・クレッカーが組織したコンソルティウム・クラシクムの演奏で、モーツァルトの「ケーゲルシュタット三重奏曲」、「ホルン五重奏曲」。
ドイツのda camera原盤でトリオから出ていたLPでホルンはコンヴィチュニー時代のライプツィヒ・ゲヴァントハウス管の首席だったエーリッヒ・ペンツェルが吹いている。
こちらは明るさと生真面目さがうまく共存したドイツ正統派のモーツァルト。個々の奏者が非常にうまい。これは楽しめる演奏だ。
もうひとつ久しぶりにブルックナー。フィリップスへのハイティンクの第一回全集録音から「ロマンティック」を聴く。
1965年の録音で、この時ハイティンクはまだ30代半ばだった。
コンセルトヘボウのオケの魅力的な音色は健在だが、暗い夜道を手探りで進むような安全運転に終始した演奏。
この時期のハイティンクには、まだブルックナーは役不足だったようだ。第2楽章の淡々とした雰囲気はオケの優秀さでなかなか聴かせる。
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