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2006年8月19日 (土)

マリナーの四季

猛暑続く。本日、家内と下の娘は東京ディズニーランドへ行っている。私と中3の娘は家で留守番。近所の喫茶店に行きランチを取る。

P8190521こう暑いと重い曲は聴く気にならない。今日聴いたのははマリナーの「四季」。70年代初頭に発売され、当時としては大胆な装飾音符と通奏低音にオルガンを加えた斬新さで一躍ネヴィル・マリナーの名が注目されることになった記念碑的録音。
当時高校生だった私は、FMで放送されたマリナー&東京フィルとのライヴ録音で初めてマリナーの「四季」に接し、大変新鮮な感動を覚えた。確か「惑星」も放送されたと思う。

今聴いてみるとモダン楽器使用のためだろうか、過度に装飾されたヴァイオリンソロと通奏低音が、かえってロマンティックさを増幅させているような印象だ。アラン・ラブディのヴァイオリンとサイモン・プレストンのオルガンは非常にうまい。

今手元にあるのはSLA(A)1020という番号の国内初出LP。当時の私には、レギュラー価格盤はとても手の出る代物ではなかったが、CD全盛の今では中古音盤屋やリサイクルショップで簡単に数百円で手に入る。

このLPの魅力は、解説者として、吉田秀和、村田武雄、海老沢敏といった大御所たちが筆を取り、演奏者の立場からはヴィオラ奏者の浅妻文樹氏が豊富な譜例とともにマリナーの演奏譜と原譜を比較して、バロック時代の装飾音について詳しく書いていることだ。
しかも「四季」全曲のスコアとソネット全対訳付きという豪華さ。

当時「四季」のベストセラーだったフィリップスのドル箱、イ・ムジチの牙城をなんとか切り崩そうとするキングレコードの心意気が直に伝わってくるアルバムだ。

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コメント

内緒の話?ですが、私もこの録音が大好きです。少なくともオノフリ/ジャルディーノの実演に接するまでは、ピリオド楽器が嫌いなこともあって「四季」といえばマリナー。確か、通奏低音はトレヴァー・ピノックが弾いていたのではなかったでしたっけ?

東フィルのライヴが放送されたことを知らなかったのですが、私はその演奏を生で聴いています。

投稿: ぶりちょふ | 2006年8月20日 (日) 20時17分

ぶりちょふさん、コメントありがとうございます。実は私もピリオド楽器が苦手でして、あまり熱心な聴き手ではありません。

マリナーは10年近く前に実演を聴いてから、が好きになりました。
この「四季」は今聴いても面白いですね。
通奏低音はオルガンと同じサイモン・プレストンということになっています。チェンバロとオルガンが同時に出てくる楽章もあるので、多重録音なのでしょうか。

東フィルの実演では、チェンバロとオルガンは別の奏者が弾いていましたか?

投稿: 山本晴望 | 2006年8月21日 (月) 19時27分

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