ミケランジェリ、シュトウツのモーツァルト
今日は、午前中休みを取り、中三の娘の高校一日体験入学に付き合う。
行ったのは県内で数少ない音楽科のある公立高校、普通科と合同説明会のため、学校に付くと千人近い中学生がゾロゾロ群がっている。元は歴史のある女子高だったが数年前に男女共学になったばかりの学校。男子トイレが少なく、探すのに苦労する。
はじめに体育館で概要説明、ところが定刻を10分過ぎてもなかなか始まらない。どうやらプレゼン用のパソコンの画面がうまくプロジェクターに写らないらしい。遠目に見てもパソコンの画面設定だけの問題のようなのに数人の先生がパソコンの周りに群がり、別のパソコンに取り替えたりしている。
ところがパソコンを変えても写る気配がなく、やむなく画面なしで説明が始まる。要領を得ない退屈な説明でしだいに眠くなってきた。終わり頃に在校生らしき男子生徒が出てきてちょいといじったら簡単に画面が出た。しかし時既に遅く説明は終わり、結局見れたのはエンディングテーマのみ。
次に選考別に教室に別れ詳しい説明を聴く。説明している教師が偶然にも高校の同級生で一瞬目が合った。相手も気が付いたが場所が場所だけにお互いに気づかぬ振りをする。内容は「聴音」の模擬事業や卒業生の模範演奏などもあり、変化に富んでいてなかなか楽しめた。演奏の内容についてはここで言及することは止めておこう。
最近車中で聴いているのは独Documentsレーベルから出ているミケランジェリの10CDBOX。
さまざまな録音の寄せ集めで、古いものやら比較的新しいものまでの玉石混交10枚組だが、10CDセットで1,500円前後というバカ安さが受けて、HMVだけで3千セット以上売れたらしい。
今日聴いたのは1枚目のモーツァルトのピアノ協奏曲第15番。エドモンド・シュトウツ指揮のチューリヒ室内管によるライヴ録音。
この第15番のコンチェルトはミケランジェリのお気に入りの曲だったらしく、何種類かの録音があるが、この演奏もクリスタルガラスのような純度の高いミケランジェリの美音が充分に楽しめる名演。カーステレオで聴いたのであまり当てにはならぬが、素直な響きのステレオで音も良い。音楽の流れに素直に乗ったシュトウツ指揮するチューリッヒのオケが実にうまい。
帰宅後同じメンバーのハイドンの二つのピアノ協奏曲も聴く。EM録音の国内LP盤。こちらはスタジオ録音だが音がかなり硬い。オケの緻密なアンサンブルは良いが音楽を引き締め過ぎて愉悦感に欠け楽しめない。
エドモンド・シュトウツはスイスの名指揮者だが、ネットで調べても引っかかるのは伴奏録音ばかり、手持ちでもペルゴレージの協奏曲やフランチェスカッティとのモーツァルトなどで同じようなものだ。まだあったはずと思い、棚をいろいろ掻き回しているうちにシェーンベルクの「浄夜」、ウェーベルンの「5つの小品」、ベルクの「叙情組曲から」のカップリングのヴァンガード盤が出てきた。
この中のベルクを聴いてみるが、あまりにもストイックな演奏で、疲労気味の頭には聴き通すのが辛い。もう少し官能的な部分があっても良いと思う。
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