フェルナン・デユフレーヌの至芸
今日は休みの予定が、先日の雷による被害の復旧の立会いのため出勤。東京でもクレーンが送電線を引っ掛け、大きな停電騒ぎがあった。信号が消えた道路の大渋滞の様子がテレビに出ていた。日常の平穏がかくも些細なことで崩れてしまう。脆いものだ。
昨日聴いたクリュイタンスの「ダフニスとクロエ」のデユフレーヌの美しいフルートが未だに耳の中に残っている。
今日は、山野楽器がEMI音源からデユフレーヌの演奏をまとめた「フェルナン・デユフレーヌの至芸」というCD2枚組から何曲かを聴いた。
ランパルやグラーフ、ベネットたち一流のフルーティストたちが一目置いていたデユフレーヌは、ソリストとして活躍することなくオーケストラの一員としての音楽人生を貫いた演奏家。ホルンのデニス・ブレインにも比肩される巨匠だった。
アンゲルブレシュトの指揮する「牧神の午後への前奏曲」冒頭ソロの気品、マルケヴィッチ編曲のバッハ「音楽の捧げ物」では弦楽器に見事に溶け込み、前面押し出ることなく常にオケ全体の引き立て役に徹している。
ミヨーの「ルネ王の暖炉」、イベールの「3つの小品」、プーランク、フランセらの木管五重奏曲の数々では、難曲であるほど自然に楽々と吹いたというデユフレーヌの面目躍如たる名演揃いだ。
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