バルワーザーの牧神の午後
昨日に引き続きバルワーザーのフルートが聴きたくなり、フルネがコンセルトヘボウ管を振った「牧神の午後への前奏曲」を聴いてみる。70年代初頭に出た日本フォノグラムのグロリアシリーズの廉価盤で、中古屋でよく見かける盤だ。
冒頭フルートの幾分質朴でふわりとした柔らかな音色は、デユフレーヌのカチリとした石英のような硬質な響きとは異なるが、どちらもコンセルトヘボウ管とフランス国立放送管という異なったオーケストラの個性に見事に同化していると思う。
ただしこのLPはカッティングレベルが低く、細部も不明瞭。もう少し良い音で聴きたい。
コンセルトヘボウ管でもうひとつ、ヴァン・ベイヌム時代のブリテンの歌劇「ピーターグライムズ」から「4つの海の間奏曲とパッサカリア」を聴く。デッカ、エクリプスのLP。
冒頭「夜明け」のどんより曇った北海の上に吹きすさぶ寒風を見事に音化したフルートの音がここでも秀逸。ベイヌムの厳しく引き締まった指揮も見事なものだ。
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