シェリングのバッハ
このところの高温多湿の気候のためだろうか、近所のコンビニの駐車場横に自生しているサトイモが異様に成長、原産種のタロイモのように葉が巨大化し、青々としているのに仰天してしまった。
日本近海での台風の突然の発生、海水温上昇によるイワシの不漁など、ここ数年で日本は亜熱帯域となってしまったようだ。
今日はシェリングのバッハを聴いた。バッハが書いた3つのヴァイオリン協奏曲が収録されたもので、マリナー&アカデミー室内管の伴奏による1976年録音のフィリップスのLP。最後にシェリングのヴァイオリンに独奏による「G線上のアリア」も入っている。
端正で直裁なバッハ、太く暖かい音色の中に厳しさと精神的な暖かさの感じられる名盤。マリナーの格調高いバックも見事なもの。
ただし「2つのヴァイオリンのための協奏曲」で第2ヴァイオリンを弾いているシェリングの弟子だというモーリス・アッソンという人の第2ヴァイオリンは線が細く、著しく聴き劣りがする。
1965年の旧録音も聴いてみた。こちらもフィリップスのLPで、シェリングがウィンタートゥール音楽院のオケを弾き振りをしている。第2ヴァイオリンはペーター・リバール。
70年代末期に日本フォノグラムから出た1,500円の、アーティストギャラリーシリーズの番外編として再発されたLPで、これだけ1,000円だった。学生時代に購入して何度も繰り返し聴いた懐かしい演奏だ。
多少の個人的なノスタルジアはあるが、「2つのヴァイオリンのための協奏曲」は圧倒的にこちらが良い。シェリングにぴったりとつける名手リバールの第2ヴァイオリンが実に素晴らしく、スコア片手に聴かなければどちらがシェリングが区別がつかないほどだ。
オケの心のこもったひたむきな伴奏も感動的。編成はこちらの方が若干大きいようだ。
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