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2006年9月12日 (火)

レッパードのハイドン

日一日と涼しくなってくる。山で鳴くツクツクボウシの声も次第に寂しくなってきた。夕方から雨、どうやら今週は雨模様の一週間となりそうだ。

P9120562今日もレッパードを聴いてみる。聴いたのはハイドンの交響曲第48番「マリア・テレジア」。フィリップスから出ていたLPで1970年録音、カップリングは交響曲第70番。オケはグリーグと同じイギリス室内管だ。レッパードはこの時期にハイドンの中期の交響曲を集中的に録音していたらしい。

トランペットが活躍する華やかな交響曲で、ハイドン中期の交響曲群の中の傑作。祝祭的な気分溢れる躍動感に満ちた演奏だ。余計なことをせずひたすらまっすぐな演奏なのが心地良い。

レッパードはデジタル時代になってからもハイドンを録音している。
P9120563こちらはエラート録音で2枚組CDのBONSAIシリーズ。オケはスコットランド室内管で、「時計」「驚愕」「ロンドン」、そして98番の交響曲。1982、83年の録音。

48番から10年以上経ったレッパードのハイドン。音楽の自然な流れの中に濃い陰影も感じられる見事な演奏。特に「時計」が良い。スコットランド室内管の秋色の渋さを漂わせた音色が、熟成された独特の味わいを出している。

だが、いくぶん旋律をレガート気味に滑らせた「ロンドン」など、古楽器の演奏を聴き慣れた耳には古風に聞こえる。巨匠タイプの古いハイドンで、レッパードは年を経るにつれ、時代に逆行するロマンティックな方向に傾いていったようだ。

P9090561沼響HPの聴き比べコラム「ラフマニノフの2番を聴く」をアップしました。
今回はハンガリーのフィッシャー兄弟の弟イヴァンによるブタペスト祝祭管の対向配置による演奏。連載34回目。

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