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2006年9月 1日 (金)

ペトロフのシューベルト

朝から雨、9月に入り急に涼しくなった。急激な気温の変化に職場では風邪気味のもの若干2名、部屋の冷房を今日は控えめにする。
開始早々自分の不覚から思わぬ事件が発生、午前中はほとんどその対応に追われる。あまりにも初歩的なミスに少々落ち込み気味となってしまった。

P9010542今日は、ロシアの技巧派ピアニスト、ニコライ・ペトロフの来日時のLPを聴く。1972年の来日時にビクターが録音したもので、シューベルトの「さすらい人幻想曲」、とラヴェルの「ソナチネ」「優雅にして感傷的なワルツ」が入っている。

並外れた技巧と音楽性の持ち主のニコライ・ペトロフ。この演奏の前後に、メロディアに録音したプロコフィエフのピアノソナタ全集が有名だが、人間離れした超絶技巧を必要とするリストの「パガニーニ練習曲」の初版やロシアの現代作曲家カプースチンのピアノソナタの初録音でも知られる孤高のピアニスト。

一種独特の狂気と詩情の漂う不思議な演奏だった。指揮者のチェリビダッケの芸術にも共通するような世俗を超越した孤高の世界。
特にシューベルトは、リヒテルやポリーニらの世評の高い名演を上回る精密な音響が鳴り響く稀有の名演。聴いているうちにどうも通常の版とは違う楽譜を使用しているような気がしてきた。

麻薬のような妖しい魅力の感じられるピアニストだ。しばらく集中してペトロフの演奏を追いかけてみようと思う。

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