ベルゲルのドビュッシー
ヤフオクで落とした音盤が届いていた。
一枚はキングから出ていた45回転のドーナツ盤で、デンマークの二人の指揮者トウクセンとイェンセンが「フィンランディア」と「トゥオネラの白鳥」を振っているもの。オケはデンマーク放送響。さっそく「トゥオネラの白鳥」を聴いてみた。
穴の大きなドーナツ盤を聴くのは久しぶりで、アダプターを探すのに一苦労。モノラルながらデッカの録音、しかも45回転ということもあり音には不満はない。ニールセンの弟子、トーマス・イエンセンの指揮する淡々とした語り口の渋いシベリウス。
もう一枚は、ルーマニアの指揮者、エーリヒ・ベルゲルが1976年の来日時に読売日響を振ったもの。東芝のプロユースシリーズの一枚で、「牧神の午後への前奏曲」「禿山の一夜」。これは、もっぱらオーディオ的な視野で制作されたLPらしい。和田則彦氏の解説には、「ルーマニアの謎の名指揮者ベルゲル氏のご協力で製作する事ができた。」という記載がある。
ベルゲルといえば晩年(1998年没)N響にも来演しているが、テレビで見たモーツァルトのデモーニッシュな尋常ならざる指揮ぶりが今でも忘れられない。
1991年にブタペストフィルと入れた「エロイカ」と、ベルゲルの故郷トランシルバニアフィルを振ったブラームスの交響曲全集から、第4番の第2楽章を聴いてみた。
いずれも、澄み切った静けさの中に青白き炎が揺らめく不思議な演奏だ。
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