N.ブーランジェのモンテヴェルディ
今日はN.ブーランジェのモンテヴェルディを聴く。
米DECCAから出ていた古いLPで、モンテヴェルディのマドリガル集を集めたもの。おそらく50年代の録音。同時期にフランス・ルネッサンスの合唱曲集も同じメンバーで録音している。
10名程度の独唱者たちとパリの奏者を集めた器楽アンサンブルによる演奏。
器楽奏者達は、パリ管のコンマスだったヨルダノフやパスキエ兄弟、チェロのジャンドロンといったフランスの著名な奏者がずらりと並ぶ。ただし独唱者は名簿を見ても知らない人たちばかりだ。かろうじて知っていた名はテノールのキュエノーくらいか。ブーランジェはチェンバロも弾いている。
ブーランジェは1937年に同じような録音をEMIに残している。
おそらく学究的な確かな考証を経た上で演奏しているはずだが、20世紀の演奏スタイルによるロマンティックで甘いモンテヴェルディに聴こえる。まるでフランスの上質なシャンソンを聴いているような趣だ。
現代の古楽演奏とは大きな隔たりを感じるが、これは当時の限界なのだろう。個々の奏者はさすがにうまい。
もうひとつチェリビダッケの指揮するメンデルスゾーンを聴く。
EISENから出ている4枚組CDで、ショスタコーヴィッチ、プロコフィエフの交響曲第5番、シューマンの2番、メンデルスゾーンの4番、ベートーヴェンの9番にメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲が収録されている。様々なオケ、録音時期も50年代から90年までで、録音状態も大きなバラつきがある。
この中からメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を聴いた。1993年録音のこの中では一番新しい録音。ヴァイオリンはS.Krsticという人でミュンヘンフィルのコンマスらしい。
遅いテンポの極めてロマンティックないつものチェリ節。艶やかな音色で纏綿と歌うヴァイオリンが実に素晴らしい。これは相当な名手だ。
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