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2006年10月に作成された記事

2006年10月31日 (火)

N.ブーランジェのモンテヴェルディ

今日はN.ブーランジェのモンテヴェルディを聴く。
米DECCAから出ていた古いLPで、モンテヴェルディのマドリガル集を集めたもの。おそらく50年代の録音。同時期にフランス・ルネッサンスの合唱曲集も同じメンバーで録音している。

Pa310625 10名程度の独唱者たちとパリの奏者を集めた器楽アンサンブルによる演奏。
器楽奏者達は、パリ管のコンマスだったヨルダノフやパスキエ兄弟、チェロのジャンドロンといったフランスの著名な奏者がずらりと並ぶ。ただし独唱者は名簿を見ても知らない人たちばかりだ。かろうじて知っていた名はテノールのキュエノーくらいか。ブーランジェはチェンバロも弾いている。
ブーランジェは1937年に同じような録音をEMIに残している。

おそらく学究的な確かな考証を経た上で演奏しているはずだが、20世紀の演奏スタイルによるロマンティックで甘いモンテヴェルディに聴こえる。まるでフランスの上質なシャンソンを聴いているような趣だ。
現代の古楽演奏とは大きな隔たりを感じるが、これは当時の限界なのだろう。個々の奏者はさすがにうまい。

Pa310624 もうひとつチェリビダッケの指揮するメンデルスゾーンを聴く。
EISENから出ている4枚組CDで、ショスタコーヴィッチ、プロコフィエフの交響曲第5番、シューマンの2番、メンデルスゾーンの4番、ベートーヴェンの9番にメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲が収録されている。様々なオケ、録音時期も50年代から90年までで、録音状態も大きなバラつきがある。

この中からメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を聴いた。1993年録音のこの中では一番新しい録音。ヴァイオリンはS.Krsticという人でミュンヘンフィルのコンマスらしい。

遅いテンポの極めてロマンティックないつものチェリ節。艶やかな音色で纏綿と歌うヴァイオリンが実に素晴らしい。これは相当な名手だ。

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2006年10月30日 (月)

ノヴァエスとアウアーのショパン

ここ数日爽やかな良い天気が続く。本日仕事は休み。朝一番に予約していた高校時代の同級生がやっている歯医者に行く。

最新の治療機器を眺めながら口をあんぐり開け「昔の人々は、虫歯になった時さぞ大変だったろうな」、「近代以前は、歯が寿命の信号だった」といったのは司馬遼太郎さんだったかしらん。そういえば年齢の”齢”の字には歯という文字が・・・・・などととりとめのないことを連想しながら治療を受ける。
彼は現在地元の県立高校のPTA会長、治療後しばしのPTA談義に花が咲く。

Pa300620 今日はブラジルの女流ピアニスト、ギオマール・ノヴァエスのショパンを聴く。米VOXのLPで「24の前奏曲」「ピアノソナタ第2番」のカップリング。
もともとモノラル録音だがこれは擬似ステレオ。

硬くて重いカキモチのような音と独特の間の取り方が個性的。
当初感じた聴き手を寄せ付けない無愛想さは、聴き進むうちに深い味わいと感じられるようになってきた。ノヴァエスの語法に次第に自分の耳が慣れてきたようだ。

Pa300621 もうひとつショパンの「24の前奏曲」。アメリカのピアニスト、エドワード・アウアーの若い時期の録音で、70年代に出た国内廉価盤セラフィムのシリーズからのLP。

ショパンコンクールとチャイコフスキーコンクール入賞、ロン・ティボーと、エリザベート国際ピアノコンクール優勝といった輝かしい経歴の持ち主のアウアーだが、今は華やかな表舞台からは姿を消し、堅実な活動を続けているようだ。

すっきりとして健康的な叙情に満ちているショパン。アウアーの確かな才能を感じさせる見事な演奏だ。熟成の進んだノヴァエスの演奏とは対照的、端正な名演奏。

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2006年10月29日 (日)

ウィーン ベラムジカのハイドン

昨晩からの雨もあがり日中は良い天気となった。気温も上昇、近くの国道414号は伊豆からの行楽帰りの関東ナンバーの車で渋滞している。

Pa290615 CD通販ショップのアリアCDから今月のカタログが届いた。この分厚いカタログは、群小マイナーレーベルの新譜も丹念に拾っているので情報源として重宝している。

国内盤のクラシック新譜はここ数年先細りでSONYクラシカルなど消滅寸前だが、このカタログに載っている群小マイナーレーベルから出ている新譜の量は実に膨大だ。
よくもこれだけのCDが新たに出てくるものだ。未知の曲や未知の音楽家たちの名前を見ているうちに、聴きたい欲求がふつふつと沸き上がってしまう。
しかし、ここのところ未聴音盤が溜まっていてCD購入はできるだけ控えている。見て楽しむだけにしよう。

Pa290616 このカタログ中のハルモニアムンディ・フランスの"Musique d'abord"シリーズに、M.ディトリッヒ率いるウィーン・ベラ・ムジカによるハイドン舞曲集が復活しているのを見つけた。1980年録音。

この録音は家にあったことを思い出し、カタログを眺めながら手持ちのフランス盤LPを聴いてみる。
そもそもこの中に入っている、「2本のフルートとホルンのためのノットゥルノ集」が聴きたくて10年以上前に購入したものだ。
他にもハンガリーの民族楽器ツィンバロンが入ったジプシー舞曲など、収録されているのは珍しい編成の曲ばかり。これが指揮者のディトリッヒのアレンジであることと、この盤が長岡鉄男さんが絶賛していた優秀録音だということをこのカタログで初めて知ることができた。
確かに生々しい再生音、演奏も愉悦感に溢れた実に楽しい1枚だ。

Pa290614 沼響のHPに聴き比べコラム「ラフマニノフの2番を聴く」をアップしました。今回はサイモン・ラトルの演奏。連載38回目。


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2006年10月28日 (土)

スイトナーのモーツァルト、29番

体調は万全とはいえぬが仕事は山を越えたようだ。来月から11月、今年も残り少なくなってきた。
12月の第九公演プログラムの曲目解説も書かなければならない。前回と前々回のプログラムを取り出して眺めてみると、文脈の流れも不自然、誤りも多く今さらながら恥ずかしくなってしまった。

Pa280613今日はスイトナーのモーツァルトを聴く。交響曲第29番、「アイネクライネ」「セレナータ・ノットルノの入っフォンタナ盤。これはかつてクリーム色ジャケットのフォンタナの国内廉価盤でお馴染みの演奏だが、今日聴いたのはオランダ盤プレスLP。

遅めのテンポでオケの自発性に任せた自然体の演奏。
残響が多い録音で、国内盤では細部の明瞭度に欠ける印象が強かったが、外盤ではさほど気にならない。ドレスデンのオケの柔らかで品格のある音が充分に楽しめる演奏だ。

Pa280612このLPには元気な頃のスイトナーの指揮姿の写真が載っている。
N響に毎年のように来演していたスイトナーも今ではすっかり過去の人になってしまった。
いつでも聴けると思っているうちに引退してしまった。結局一度も実演に接することができなかった名指揮者。

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2006年10月27日 (金)

オイストラフのクロイツェル

次第に涼しくなって来た。今日は下の娘が修学旅行で早朝駅まで車で送る。入れ替わりで母が四国旅行から帰ってきた。道後温泉やら金毘羅さんなどいろいろと回ってきたらしい。偶然妻の両親も別ルートで四国旅行に行ったとかで昨日お土産を持って家に来ている。双方とも、一六タルトやさぬきうどん、金毘羅さんのお守りなど同じ土産を買ってきて、妻と思わず苦笑。

Pa270610ここ数日聴くのはべートーヴェンばかり。今日も「クロイツェルソナタ」を聴く。
聴いたのはオイストラフの4つあるうちの2番目で1953年パリでの録音。EMI原盤だが、手持ちの音盤は米Moniter経由で日本の新世界レコードが出した10吋モノラル盤。現在TestamentからCDが出ている。

Pa270611_11962年録音のフィリップスへの全集は、オイストラフにしては魅力に欠ける演奏だったが、こちらは激しいほどの気迫に満ちた名演。オボーリンの伴奏もベストフォーム。ACCディスク大賞受賞盤。

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2006年10月26日 (木)

グルダのベートーヴェン

先週はぎっくり腰で練習を休んでしまったので一週間のブランクを置いての練習。
井崎先生は大ホールで合唱指導のため、オケはトレーナーの先生による小ホールでの練習となった。ここ数ヶ月大ホールの練習が続いたので、一回り小さな小ホールが狭く感じてしまう。

本日は第九の第一、四楽章をサラッと通した練習となった。
今回の第九、ピリオド系の影響を受けているので随分と淡白な演奏となるような印象だ。
自分としてはロマンティックで壮大な演奏が好きなのだが。これも流行なのだろう。

休憩時間にお隣の大ホールでの合唱練習をちょいと覗いてみたが、残念ながらあちらも休憩。前回よりも合唱団員の人数が少ないようだ。少数精鋭ならば良いのだが。

Pa190595帰宅後、グルダの弾くベートーヴェンの「月光」ソナタを聴く。
日本コロンビアから出ていた三大ソナタの入った廉価盤LPで、コンサートホール原盤。
グルダの2つの全集の間に位置する録音だ。

一音たりとも揺るがせにしないがっしりとしたベートーヴェン。詩情にも不足しない見事な演奏だ。やはりベートーヴェンはこのような演奏で聴きたい。

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2006年10月25日 (水)

フェラスのエネスコ、ドビュッシー

今朝は暗いうちに起床し四国旅行に出かける母を駅まで送る。良い天気となり気温も上昇、日中は汗ばむほどになった。

今日はヴァイオリンが聴きたくなった。
Pa250609エネスコに師事したフランスのヴァイオリニスト、クロスティアン・フェラスの弾くエネスコとドビュッシーのソナタ、そしてラヴェルのツィガーヌを聴く。ピアノはバルビゼ。おそらくEMI音源の米mace盤LP。

東洋的なエキゾティックさを漂わせたエネスコのヴァイオリンソナタ第3番が素晴らしい曲だ。フェラスのヴァイオリンも美しい。
ドビュッシーも枯れた響きで線の細さは感じさせるが、バルビゼの名サポートで良い演奏となった。

Pa250608もうひとつケンプ&メニューインによるベートーヴェン「クロイツェルソナタ」。1970年録音、DGのLP。
ケンプのアップ写真の奥にぼやけたメニューンの姿が見えるジャケットがこの演奏の主役がケンプであることを如実に示している。

暖かな雰囲気で始まる冒頭のピアノが耳に心地良く響く。が、しばらく聴いているうちに、女性的な甘さのようなものが感じられてベートーヴェンの演奏としては物足りなくなってきた。ケンプの「クロイツェル」ではシュナイダーハンとの演奏の方が良かったように思う。

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2006年10月24日 (火)

アフィニス・サウンドレポート

体調は未だ万全とはいえないが、仕事は待ったなしの状態。明日朝一番には来年度の計画と予算の組み立てをお偉方に説明しなければならぬ。
早く帰り鋭気を養いたいところだが、本日の夜はPTAの会合也。
校区内の町内代表全員を集め、2年越しの懸案であった来年度以降の役員選出方法の改正と、少子化に対応した組織の機構改革案を示すという恐ろしい会合が待っていた。

予想通り修羅場となってしまった。いつもただ頷くだけのお母様方だが、自分に関係しそうなことになると一転して反論と非難の嵐。結局議論は堂々巡りとなり、時間切れお開き。
また振り出しに戻ってしまった。

そんなことで帰宅したのは11時近くとなってしまった。すると玄関先にCDが届いている。
はて?と思い封をあけたところ、中からアフィニス文化財団の「アフィニス・サウンドレポート」が出てきた。ずぅーと以前に申し込んでいたバックナンバーだ。申し込んだことも完全に忘れていた。

Pa240607内容は1995年の第7回アフィニス夏の音楽祭。C.P.E.バッハの「シンフォニア」、ディヴェルティメントK.251とフランセの八重奏曲というもの。
講師の一人であったシカゴ響の首席コンマス、L.ゴンザレスのインタビューと練習風景が入っている。
メンバーは、ホルンのクレヴェンジャーをはじめとするシカゴ響の首席奏者を中心とするアンサンブル。
これから聴くことにしよう。今日は長い一日だったが最後に良い事があった。

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2006年10月23日 (月)

アルベルトのチャイコフスキー

昨日から天気が崩れ始めた。今日も夜から雨。

Pa220606ここのところ気になっているルドルフ・アルベルトの演奏を聴いてみた。
聴いたのは、70年代はじめに日本コロンビアのダイアモンド1000シリーズとして出ていたチャイコフスキーの交響曲第4番。MS-1061EVという番号が付いている。
オケ表示はパリフィルだが、今回復活したCDではラムルー管となっている。

EVという末尾の記号にもあるように米エベレストのマークがレーベル面に印刷されているが、なぜかジャケットには同くアメリカのマイナーレーベルの米カウンターポイントのロゴが小さく印刷されていた。
どうやら、あちらこちらのマイナーレーベルを彷徨していた音源らしい。

外盤LPでは京都の中古音盤屋で見かけたことがあるが、びっくりするような値段が付いていて印象に残っている。手元にあるのはブックバンクのジャンクコーナーで100円で見つけたもの。

曲の勘所を見事に掴んだ老練な演奏。ラムルー管からボテッとした厚い豊かな響きを引き出している。荒削りながら骨太の演奏で、これは楽しめる。

Pa190594_1もうひとつシャーンドルの弾くバルトークの「子どものために」から最初の数曲。フィリップスのアーティストギャラリーシリーズで出ていたLP。
民謡を素材とした平易で親しみやすい曲の数々、変化に富み内容の濃い曲が続く。
ローカル色を前面に出した演奏だが、バルトークの弟子シャーンドルが愛情を込めて弾いている心安らぐ一枚。

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2006年10月22日 (日)

ペネティエ&リステンパルトのモーツァルト

昨日一日ノンビリ過ごしたところでようやく本調子になってきた。今日は出勤し先週の遅れを取り戻す。

ここのところ音盤の購入を控えていたのだが、仏Accordの"collection festival"シリーズの魅力的なラインナップを見て、何枚か買ってしまった。

Pa210604既にアルベルトのストラヴィンスキーやリステンパルトのハイドンを聴いたが、今日はペネティエとリステンパルトによるモーツァルトのピアノ協奏曲第22番、第23番を聴く。1967年録音。

心優しく美しい音色と自然な音楽の流れに心が洗われるような名演奏。リステンパルトの好サポートも光る。
ペネティエの演奏は迂闊にも初めて聴いたが、ジュネーヴや数々の国際コンクールの優勝歴を持つ手練のピアニスト。今年来日し”熱狂の日”にも出演していたらしい。

このシリーズで、アルベルトやリステンパルトのほかに購入したのは、
Pa210603Pa210602Pa210605_1

オーリアコンブ&トゥルーズ室内管のバロック音楽集、グラシスの指揮するメンデルスゾーン、フーレスティエの幻想交響曲など。
50枚ほどのシリーズだが、どれもCD化を待望していたものだけに迷ってしまう。
オーリアコンブ、アルベルトは他の演奏も聴きたくなってきた。

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2006年10月21日 (土)

トゥルノフスキーとリステンパルトのハイドン

今週はぎっくり腰のため仕事と生活のペースが大きく乱れてしまった。遅れた仕事も取り戻さなければならぬが、今日は一日じっくり休養し体調を整えることにする。

Pa210599今日聴いたのは、名匠マルティン・トウルノフスキー指揮するハイドンの「驚愕」「時計」の2曲。オケはプラハ響、チェコスプラフォンの外盤LPだが、かつて日本コロンビアからも出ていた。

比較的地味なオケの音色、軽快さや親しみやすさはあまり感じられないが、がっしりとした古武士のような古典的な格調の高さの感じられる名演。特に「驚愕」が良い。

Pa210601同じく「驚愕」を最近購入したばかりのカール・リステンパルト指揮するザール室内管の演奏でも聴いてみた。
最近出たAccordの一連のCDのシリーズ中の一枚で、「驚愕」「時計」「軍隊」のカップリング。

こちらは明るく洗練された響きの陽性のハイドン。推進力にも不足しない親しみやすくも爽やかな名演奏。
全く異なるスタイルの二人のハイドンの名演を堪能。

Pa140591沼響のHPの聴き比べコラム「新第九を聴く」に記事をアップしました。
今回はノリントンの再録音のライヴ。連載3回目。

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2006年10月20日 (金)

カイルベルトのマイスタージンガー

今日は午後から出勤、結局帰りは10時近くとなってしまったが、腰の痛みがだいぶ退いてきたので良しとしよう。

Pa190596往復の車の中でカイルベルトの指揮する「ニュルンベルクのマイスタージンガー」を聴いている。1963年11月、バイエルン国立歌劇場再建のライヴ録音。
個性的な歌手達を見事に統率し祝祭的な気分を盛り上げていくカイルベルトの指揮が素晴らしい。録音も良好なステレオ録音。

Pa190597帰宅してから、激安レクイエムBOXからデユリュフレのレクイエムを聴いた。
H.Askerlsson指揮のHollgrimskirkja Motet Choirによるオルガン伴奏版による演奏。1996年レイキャビクでの録音と書いてある。指揮も合唱団も初めて聴くアイスランドの団体。

ひたむきな歌唱で聴き手の心の琴線に触れる好演、これはアマチュアの団体かもしれない。

Pa190598昨日の練習は休んでしまった。
沼響のHPに聴き比べコラム、「ラフマニノフの2番を聴く」をアップしました。
今回は、デユトワ&フィラデルフィア管の全集から。連載37回目。

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2006年10月19日 (木)

嗚呼、痛恨のぎっくり腰

ぎっくり腰になってしまった。
爽やかな秋風吹く火曜日の朝、車庫に倒れていた通勤用の自転車を引き上げようとしたその矢先、腰に激痛が・・・!
そのままその場に倒れこみ身動きが取れなくなってしまった。全身硬直状態で全く動けない。家人は皆出かけてしまって誰も居ない。

そのまま10分ほど地面に横たわっていたが、携帯を取り出し職場に出勤できなくなってしまったことを連絡。このまま横たわっているわけにもいかず、とにかく玄関まで激痛に耐えながら匍匐前進。

玄関内でそのままじっと横になっているうちに、明日からの静岡で行われる二日間の重要な会議のことが脳裏に浮かんできた。事務局として仕切らなければならないのに。どうしよう・・・再び職場に電話をかけ部下に明日の準備について細かな指示を出す。
そのうち手足が痺れてきた。どうやら最悪の状態になってきた。
結局その日は病院にも行けず蓑虫状態で一日が経過。会議は急遽アシスタントを付け、部下に任せることになった。

翌水曜は休みを取った家内の運転でかかりつけの病院へ行き、痛み止めの注射を打ち帰宅。経験上、ぎっくり腰は安静にし時の過ぎるのを待つしかないことが解かっているので、ひたすら布団の中でじっと痛みに耐える一日。夜になりやっと自力で歩けるようになってきた。

今日は病院に寄り痛み止めの注射を打ち、とにかく職場へ顔を出す。皆驚きの顔で自分を見ている。まさか来るとは思っていなかったらしい。机に座るや否や非情にも自分宛の電話ががんがんと掛かって来る。様子を見ながらすぐに帰宅するつもりが時は刻々と過ぎていく。
3時を過ぎる頃に再び腰が痛み始めた。このまま硬直してしまうのも洒落にならないので直ちに帰宅。

考えてみれば先月から殆ど休んでいなかった。数少ない休日はオケの合宿やらPTAの活動、先週は地区の祭りの準備などに追われていた。
気持ちの上では、充分に気分転換となっていたつもりが、肉体的な休息はほとんど取れていなかったことを痛感する。これは体から自然に発せられた警告なのだろう。

Pa160593二日間は音楽を全く聴いていない。聴く気にもならなかった。
今日になって、枕元のCDプレーヤーでプラームスの交響曲第2、3番の4手のピアノ版を聴いた。ブラームス自身による編曲版によるもので、ピアノはS.T.Matthies&C.Kohnの二人によるNAXOS盤CD。
ピアノで聴くブラームスも良いものだ。落ち着いてしみじみとした実に良い曲だと今さらながら思う。

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2006年10月16日 (月)

アルベールのストラヴィンスキー

爽やかな日々が続く、どうも昨日ヤキトリを焼いた時に火傷を負ったらしい、軍手をしていたのだが、今朝になって右手の親指と小指以外の指の第2関節上に水ぶくれができていた。

今日は、先日発売されたAccoodのシリーズから、Rudolf Albertの「ペトルーシュカ」「春の祭典」を聴く。
Pa160592このシリーズ、大手のショップでは一枚千円前後で売られているが、かつて70年代に日本コロンビアから出ていたドゥアット、イッセルシュテットのブラームス、フーレスティエなどCD化を長く望んでいた録音がズラリと並び壮観だ。

Pa160594アルベールの「ペトルーシュカ」もコロンビアのパルナス1000シリーズで出ていた。当時ピアノをメシアン夫人のイヴォンヌ・ロリオが弾いているという理由で入手したのだが演奏がびっくりするほど良くて、今でも時々聴いている。
オケはセント・ソリ管、録音用の覆面オケだが、おそらくパリ音楽院管だと思う。特に終曲の音を割ったホルンの凄まじい音は、名手ルシアン・テーヴェかヴェスコーヴォの音に違いないと思う。1957年録音。

今回出たCDには「春の祭典」もカップリングされている。こちらは1956年録音のモノラルだが録音に不満はない。
こちらのハルサイも、きっちりとした造形の中にフランスのオケ特有の華やかでカラフルな音が部屋中に散乱するペトルーシュカ以上の名演。中でも管楽器の美しい音色には惚れ惚れとさせられる。オケのアンサンブルもペトルーシュカよりも優れているようだ。

指揮者のAlbertについては良くわからない。国内盤LP表示ではアルベールだったりアルベルトだったりしていた。パリフィルを振ったチャイコフスキーの交響曲第4番もコロンビアのLPで出ていて、こちらも今回の同シリーズでCD化されている。ただしオケ表示はラムルー管となっている。

ただ、このCDはトラック割りがおかしいことになっていて、トラックの切れ目に0.5秒ほどのポーズが入ってしまっている。曲の途中で急に止まったようなことになり、甚だ興を削ぐ結果になってしまった。せっかく日の目を見たのに惜しいことだ。

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2006年10月15日 (日)

A.ブレインのブラームスとモーツァルト

今日は地区の社の祭り。秋晴れの爽やかな一日。自分は模擬店で売る「ヤキトリ」の係りとなり、鉄器に炭を熾し仕入れた材料を仲間数人と焼き始めた。
炭の火力にムラがありなかなか難しい。先端が焦げても手元が生のママといった状況が続く。失敗作はビールと一緒に自分達の腹の中、しばらく焼いているうちにコツが飲み込めてきた。今日一日で焼いたヤキトリ三千本。

Pa150593今日はレスピーギの「鳥」を聴こうかとも思ったが、デニス・ブレインの父、オーブリー・ブレインの吹くブラームスのホルントリオとモーツァルトのホルン協奏曲第2番を聴いた。
イギリスのPerlから出ていたLPで。グラズノフの「夢」も入っている。

ブラームスのヴァイオリンはS.Dyke、ピアノ Y.Bowen、1926年録音。ブレインは後にブッシュと再録音している。
モーツァルトの伴奏はJ.Batten指揮のロイヤルシンフォニーによるもの1927年録音。グラズノフのピアノはオーブリーの妻マリオン・ブレイン、1924年録音。ライナーノートは名ホルニストのA.シヴィルによる詳細なもの。

この中では、ラウーのF管シングルホルンを楽々と吹き鳴らすブラームスが聴きもの。のびやかでメロウな音色と吹き方はそのまま息子デニスに受け継がれ、より洗練され完成されたものになった。

ところがモーツァルトは、無能な指揮者のためにトンデモ演奏になってしまった。最初は快速なテンポで始まるがソロが入るや急ブレーキ。その後は不可解なテンポの揺れを伴う超スローモー演奏に終始。結局演奏全体がヨタヨタとなってしまって、ブレインのホルンもこれでは台無しだ。

シヴィルの解説によれば、この人は本職の指揮者ではなくプロデユーサとのこと。オケもフリーランサーを集めた臨時編成オケ。

Pa140592コレギウム・アウレウムのバッハも聴いた。第2番と3番の管弦楽組曲のハルモニアムンディ国内盤LP.フルートはリンデが吹いている。
あい変らず聴いていて幸福な気分に浸れる音と演奏。有名な「アリア」も気品溢れる傑出した演奏だ。

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2006年10月14日 (土)

ヒンデミットの室内音楽

明日は地区の鎮守の秋祭り。早朝から縄とお飾りを町内の家の周りに張る作業。
作業を終え家のテレビを見ると、先ほど地震があったことを伝えるニュースをやっていた。
かなり揺れたらしいが、全く気がつかなかった。
そんなニュースを見ながら朝食を取り出勤。職場では来週二日連続でおこなわれる大きな会議の準備を粛々と進めて帰宅。

Pa140589今日は、昨日のベルリンフィル木管五重奏団の演奏会で取り上げられていたヒンデミットの室内音楽を聴いてみた。
バーデンバーデンの南西ドイツ放送響のメンバーによるテイチクのハルモニアムンディ国内盤LPで、指揮はM.ライヒェルト。この中から室内音楽の1,2,6番を聴く。

いずれも小編成のアンサンブルによるこじんまりとした肩の凝らない軽い音楽。編成も変則的で第1番ではアコーディオンやサイレンの音まで聞こえてくる。
ユーモアと楽しさにあふれたサティのような趣だが、時折りヒンデミット固有の生真面目さと厳格さもチラホラ顔を出すのが面白い。

第2番と第6番は、それぞれオブリガードピアノとヴィオラ・ダモーレを主とした協奏的な作品。

演奏は個々の奏者の技量が高く、活き活きとした緻密なアンサンブルで聴かせる優れもの。録音も非常に良い。

Pa140590沼響のHPに聴き比べコラム、新「第九を聴く」をアップしました。今回はノリントンの第一回録音。


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2006年10月13日 (金)

ベルリンフィル木管五重奏団

20061013今日は、毎年恒例の沼津法人会青年部主催によるチャリティコンサート。
例の如く往復はがきによる申し込み制だが、今年は油断して遅くに出したら既に満席でアウト。
まぁそのうちどこかから回って来るだろうと思っていたら、昨日のオケの練習で団員から譲り受けることができた。感謝。

曲は、ディヴェルティメントK.270、ダンツィの作品56-3の木管五重奏曲、ヒンデミットの小室内楽曲作品24-2から。後半になって、「コシファントゥッテ」のハルモニームジークとフランセの五重奏曲第一番というもの。アンコールは「荒城の月」。

彼らとしては、必ずしもベストフォームな状態ではなかったようだ。最初のモーツァルトでは冒頭で大きくつまづき、特にオーボエが絶不調。アンサンブルもガタガタでアレ!どうしたの?という感じ。
次のダンツィでさすがに持ち直したが、ヒンデミットでは楽章の合間にオーボエがリード交換。よほど調子が悪かったようだ。

このヒンデミットは良かった、今のベルリンフィルはインターナショナルなオケだが、しばしベルリンフィルの指揮台にも立ったヒンデミットは、やはり彼らの音楽だ。この日最大の収穫。
最後のフランセも名人芸を十二分に堪能させてくれた。もう少し洒落た味わいが欲しいと思うのは贅沢か。

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2006年10月12日 (木)

ロンドン響創立75周年記念アルバム

今日はISOの監査のため午前中から昨年合併した戸田地区へ行った。穏やかな天気の中、駿河湾沿いの海岸線を車で飛ばす。夕方に机に戻ったところ目の前は書類と付箋の山。げんなりしながら仕事の山を片付ける。

その後夕食も摂らぬままオケの練習場所であるホールへ急いだが、結局8時過ぎの参加となってしまった。舞台上では、団内指揮者による合宿で井崎先生に指摘された部分への再確認。
仕事の疲れからか集中力極めて散漫。気分が乗らぬまま練習終了の9時となってしまった。

Pa120596帰宅したらまたまたLPが届いていた。届いていたのは1979年に出ていた「ロンドン響創立75周年アルバム」という3枚組もの。どうやら限定私家版らしい。1979年といえばロンドン響の首席指揮者がプレヴィンからアバドに交代した時期だった。

このアルバムの演奏はプレヴィンでもアバドでもなく、全てバレー音楽の名演の数々で知られるフィストラーリによるもの。1979年録音だとすればフィストラーリ72歳の時の録音。

「Opera」「Ballet」「Orchestral」といったジャンル分けされた3枚のLPに、チャイコフスキー、ボロディン、ドリーヴのバレー曲、「運命の力」「こうもり」「フィガロの結婚」「売られた花嫁」などのオペラの序曲から、「フィンランディア」「アルルの女」「死の舞踏」その他などなど。ポピュラー名曲ばかり20曲が入っている。全てステレオ録音。

チャイコフスキーの3つのバレー曲は、同じコンビによる既発売の録音があるが、ちょい聴きしたところ別録音らしい。他の曲も今まで見たことがない録音ばかりだ。
どうやら全てこのアルバムのために録音されたものばかりのようだ。

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2006年10月11日 (水)

M.アースのラヴェル

仕事は忙しい水準で高値安定といった趣だが、予定通り消化していく可もなく不可もなし、といった毎日が続く。

Pa110594今日はフランスの女流モニク・アースのピアノを聴く。アースは、エラートから出ているラヴェルとドビュッシーの全集でお馴染みのピアニスト。
聴いたのは、ドイツ・グラモフォンのオリジナルスのCDからラヴェルの2つのコンチェルトと「ソナチネ」「優雅で感傷的なワルツ」を収めた一枚。
コンチェルトは1962年、ソロは1956年録音でこちらはモノラル。

情に流されないクールで端麗辛口のラヴェル。音の響きの美しさよりも構成の確かさで聴かせる演奏だ。
ソロの2曲は録音の鈍さもありいまひとつの出来だが、かつてヘリオドールの廉価盤LPで何度も聴いたコンチェルトが、ポール・パレー&フランス国立放送管による見事な伴奏で素晴らしい。中でも第2楽章の楚々としたバラードの美しさが印象に残る。

Pa110595本日の聴き収めとして最後に選んだのはマーラーの交響曲第5番から「アダージェット」。クーベリックかバーンスタインのどちらかで迷ったが、結局選んだのはバーンスタイン。

バーンスタインのいくつかある演奏のうちR.F.ケネディの追悼ミサでの1968年ライヴにしたのだが、これが怒りと慟哭に満ちたあまりにも異様な演奏で、落ち着いた気分では眠れなくなってしまった。

P6190423そこで素朴で純な美しさに満ちたフィンジのピアノとオーケストラのための「エクローグ」を聴いて本日の終わりとする。

NAXOSから出ているフィンジ作品集から。

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2006年10月10日 (火)

ピアティゴルスキーのバッハ、プロコフィエフ

秋の夜長、今日はしっとりとしたチェロの音色に浸りたくなった。

Pa100593ロシア生まれのピアティゴルスキーが弾くバッハの2番のソナタとプロコフィエフのチェロソナタを聴く。
RCAのモノラルLPだが、奥行きのある深く大柄なピアティゴルスキーの音色を見事に捉えている名録音。
ロマンティックで古色蒼然たる演奏とはいえスケールの大きさはなかなかのもの。

Pa100592続いてシュタルケルのベートーヴェンのチェロソナタ第3番。シュタルケル3度目の録音となったテレフンケン盤LP。
余裕のシュタルケルに見事に同化しているブッフビンダーの伴奏が良い。こちらもベーゼンドルファーの美しい音色が堪能できるアナログ末期の名録音。

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2006年10月 9日 (月)

マッケラスのシベリウス

本日も快晴、体育の日を家でノンビリと過ごしたいところだがいつものように職場に向かう。自転車に乗り、ジョギング中の人々をかき分けながら狩野川の堤防を飛ばす。頬に当たるひんやりとした川風が心地よい。懸案事項も目途が立ち順調な一週間のスタートが切れた、今日の休日分はどこかで取リ戻そう。

帰宅後、来年の選曲投票で落ちてしまったシベリウスの交響曲第2番を聴く。この曲は、渡邉暁雄さんの指揮で日本フィル、都響、N響など、さまざまな日本のオケで実演を何度も聴いた曲だ。外来オケではヤルヴィやヴァンスカなども聴きアマオケの演奏も含めればいくつ聴いたか定かでなくなっている。

Pa090590録音ではバルビローリの演奏が気に入っているが、今日手が伸びたのはサー・チャールズ・マッケラスの2つの演奏。
一つはファンハウスから出ていた国内盤CDでロンドン響を振った1988年録音。「トゥオネラの白鳥」とのカップリング。
購入当時に聴いたはずだがあまり印象が残っていない。

久しぶりの視聴となったが、スピード感溢れる素晴らしい演奏だった。オケをバランス良くすっきりと鳴らし、要所要所でピシッと引き締めているのが見事。金管やティンパニにかなりの加筆があり、ロンドン響の優秀なブラスをうまくドライヴし輝かしいクライマックスを築いている。

Pa090591マッケラスは数年後ロイヤルフィルを振って再録音をしている。格安でどこでも手に入るロイヤルフィルハーモニックコレクションの一枚。
こちらは、輝かしさはそのままでしっとりとした叙情とふくらみを持たせた万人向けの名演。テンポもかなり遅くなった。録音も良い。
「カレリア組曲」と「フィンランディア」とのカップリング。

マッケラスのシベリウスではロンドンプロムナード管を振った60年代初めの録音がRCAにある。「フィンランディア」と「悲しきワルツ」「クリスチャン二世」からといったラインナップだが、線がきつく余り楽しめなかった。

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2006年10月 8日 (日)

秋の合宿

Pa080589暮の第九公演に向け、昨日からオケの秋の合宿に参加。宿は今年五月に使用したお馴染みの天城の「白雲楼」。
金曜日までの風雨も止み、土曜日は朝から台風一過のような良い天気となり日中は汗ばむほど。

フルコースで練習に参加したいところだが4時過ぎまで仕事し、その後天城まで車を飛ばす。三連休の初日で伊豆方面の渋滞を予想したが、意外や道は空いていた。所要時間一時間余りで到着、夕食前の練習にはなんとか間にあった。

夕食後に夜空を見上げると、そこには見事な満月。空気が澄んでいるために肉眼でもクレーターが見えるほどだ。天城の山奥は下界よりも涼しい。夜になりしだいに冷えこんできた。

井崎先生の練習は、団員に音楽の構造、演奏上の基本的な約束事を説明しながら進める極めて理論的で説得力のあるもの。オケの面々が今まで何も考えず漠然と演奏してきたことがバレバレだ。

夜はお楽しみの宴会。新しい団員も増え、新人の自己紹介大会も楽しい。今回の合宿の参加者は私の知る限り最も多い参加となった。12時を回っても立ち去る人は少なくヤンヤヤンヤの宴は続く。

本日日曜も素晴らしく良い天気となった、二日酔いの団員もなく「魔笛」に続いて第九の練習が続く。井崎先生の手法がしだいに団員に浸透してきたようだ。音が整理され響きの見通しも良くなってきた。対向配置にも慣れてきた。

昼食のカレーライスを皆で食べた後の宴会場で、いよいよ来年の定演の曲目選定の団員投票が始まる。
候補曲はブラームスの交響曲第4番とシベリウスの交響曲第2番。
ブラームスの第4番は過去に演奏したこともあり、昨年第3番を取り上げている。下馬評はシベリウスが有力、シベリウスのCDを既に買ってしまったという気の早い団員もいる。

しかしうちの団員投票は、本命が常に敗れるというジンクスがあるので蓋を開けるまでわからない。

一票づつ読み上げる緊迫の開票結果はブラームス23票、シベリウス21票。
やはり今回も本命に決まらなかった。僅差だがブラームスに決定。毎年最終候補に残りながら決まらないシベリウスの連敗は続く。

618帰りは渋滞もなく、良い天気の中伊豆の道路を飛ばす。車中で聴いたのは古今のレクイエム10曲を収めたDocument激安レクイエムBOX10枚組。
主にデンマークの演奏家たちが参加しているセット物CDで、演奏の水準にかなりバラツキがあるがヴェルディとドヴォルザークは良い演奏だった。

昨日はドヴォルザーク、今日はフォーレとデユリュフレを聴いた。いつも他の指揮者が取り上げない版で演奏するボストックのフォーレは、ここでもハルモニウムと小編成オケの版で演奏していた。

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2006年10月 6日 (金)

ジュリーニのマーラー9番

朝から風雨強し、駐車場から職場までの間にズボンがビショビショになり難儀。
巷は明日から三連休だが仕事が多忙となり明日も出勤。オケの合宿は夜からの参加となりそうだ。

Pa060587今日はジュリーニの演奏を聴く。聴いたのは世評高いマーラーの交響曲第9番から終楽章。数々のレコード賞を総なめにしたシカゴ響との1977年録音。
ショルティの元でマーラー演奏に手馴れたシカゴ響をきっちり整然と鳴らした演奏。確かに名演には違いないが、今となっては、数多くの個性的な名演ひしめくこの曲の中では比較的存在感が薄い演奏のように思う。録音もジュリーニの真実の音を充分に捉えていないようだ。

Pa060588もうひとつ、1976年録音のベルマンとのリストのピアノ協奏曲第2番を聴く。
ジュリーニのウィーン響首席指揮者時代の最後の時期の録音。デモーニッシュなベルマンのピアノとがっぷり四つに組んだ巨匠二人の風格溢れる名演。

ベルマンはセンセーショナルな登場以降、しだいに表舞台から遠のいてしまったが、何度も来日し、なぜか沼津に二度も来てくれたので自分としては身近なピアニストだ。
実演では古いタイプのヴィルトオーゾといった印象だったが、しっかりとした技巧でなかなか楽しませてくれた。
最後に聴いた時は、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第一番の初稿を弾いてくれた。

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2006年10月 5日 (木)

第九対向配置

午後から雨、第九の練習も本格的になってきた。

今日は団内指揮者により明後日からの天城での合宿に備え、井崎先生に指摘された第1楽章から第3楽章までの要所要所のチェック。
ここ数ヶ月で団員が増えた。特にヴァイオリンが増え、トラなしでも充分に本番に乗れる人数となってきた。

第3楽章になったところで客席に降り全体の響きを聴いてみた。対向配置でいつもの沼響の響きとは異なり各楽器の音が明瞭に聞こえているようだ。
ただ、予想されたことだが、セカンドヴァイオリンとヴィオラのバランスが全体に弱く聞こえる。内側に楽器が向いているためもあるが、対向配置としての面白みが充分に伝わって来ないのだ。

どうやら金曜日から大雨の気配、しかも合宿所は大雨になりやすい天城。
またまた自分の関係する行事は雨となりそうだ。

P9130564今日はチッコリーニの弾くショパンのワルツ集を聴く。EMI原盤のLP.
歌心と知性の絶妙なバランス。洒落た感覚も充分な好演だ。

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2006年10月 4日 (水)

ニコラエーワのフランス組曲

昨晩からどうも腹の具合が良くない。PTAの会合も欠席。悪いものを食べた覚えもないのだが。
0893今日は研修の講師となっているため仕事を休むわけにもいかず。裏山から採り乾燥させておいたゲンノショウコを煎じ水筒に入れて出勤。ゲンノショウコは子供の頃からお世話になっている整腸効果のある薬草。おかげで今日一日をなんとか乗り切れた。

Pa040587帰宅後、部屋の中でボケっとしながらタチアナ・ニコラエーワのバッハを聴く。メロディア音源をCD化したSCRIBENDUM盤2枚組。フランス組曲全曲とイギリス組曲の1番と4番が入っている。

落ち着いた淡々としたバッハ。穏やかな中に強靭な意志の強さを感じさせる演奏。CDになって音は明快になったが、実演で聴いた音よりも多少輪郭がきつくなっている印象だ。

ヤフオクで落札した音盤が届いていた。
Pa040584シューマンの未完の交響曲ト短調、ツヴィッカウ交響曲と呼ばれるもの。発見者のマルク・アンドレ&ミュンヘンフィルによる初録音BASF盤。この頃のマルク・アンドレは、シューベルトのグランデユオの交響曲版やR.コルサコフ&トシュマロフ編の「展覧会の絵」などの珍曲の数々をBASFに録音していた。このシューマンの未完の交響曲録音はガーディナーやマリナーの演奏でも聴くことができる。

Pa040582アンドレ・コステラネッツによるグローフェ「グランドキャニオン」10吋盤。
ロバの鳴き声と足音、せせらぎや雷鳴の実音入りで知られる録音。
CD時代に同様な試みのクンツェルのテラーク盤があったが、こちらが元祖。
ちょいとつまみ聴きをしてみたが、サックスが活躍する小編成オケによる通常とは異なる版を使用している。これは面白そうだ。オケも非常にうまい。

Pa040586Pa040583今年生誕100年のショスタコーヴィッチ交響曲第13番「バビヤール」。オーマンディ&フィラデルフィア管による1970年、ソ連国外初演直後に同じメンバーで録音されたRCA盤。
そして、山田耕筰の組曲「風の祝典曲」自作自演盤。カップリングは松平頼則の「管弦楽のための左の舞」。こちらは上田仁の指揮。オケは東京交響楽団。1958年、大阪毎日会館の完成記念として制作された私家盤。

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2006年10月 2日 (月)

ブーランジェのフォーレ

今日はフランスの名教師ナディア・ブーランジェの演奏。

フォーレに師事しローマ大賞2位の作曲の腕前を持ちながら、生涯の大半を音楽教育に身を捧げたナディア・ブーランジェ。晩年はパリ音楽院の伴奏科教授だった。あのピュイグ=ロジェの前任者だ。
バーンスタインやマルケヴィッチ、コープランドからキース・ジャレット、ピアソラ、クインシー・ジョーンズなど、ブーランジェの教えを受けた音楽家達の顔ぶれは実に多彩だ。

Pa010579今日は師フォーレのレクイエムと、ナディア以上の作曲の才能の持ち主でありながら若くして世を去った妹、リリー・ブーランジェの作品を集めたCDを聴く。
BBC Legendsから出ているCDで、1968年10月3日、妹リリーの没後50年の演奏会ライヴ。BBC響とBBCコーラス、そしてジャネット・プライス、イアン・パートリッジ他の独唱者が加わる。

冒頭、妹リリーの「詩篇第24番」から毅然とした厳しい音楽が鳴り響く。非常に厳格な教師であったというナディアの指揮は妥協を許さない男性的なもの。
リリーの遺作となった「Pie Jesu」「詩篇第130番」に続き、プログラムの最後は父とも仰ぐフォーレのレクイエム。
実に透明で純粋な音楽。そして深い祈りに満ちた真実のレクイエムが鳴っている。

続いてリリー・ブーランジェの作品を聴く。
Pa010580聴いたのは、ナディア・ブーランジェの教えを受けた大指揮者マルケヴィッチの演奏。
曲は「Pie Jesu」「詩篇第24番」「詩篇第129番」「詩篇第130番」「Vielle Priere Bouddhique」というもの。オケはラムルー管。

EVEREST音源の録音だが、聴いたのは映画のサントラを中心に出しているフランスのレーベルMilanのCD。ポピュラー規格のCDで、中古屋の映画音楽コーナーで見つけたもの。
この「Pie Jesu」が1987年公開のフランス映画「La Passion Beatrice」のテーマ音楽として使われていた。

残響豊かなナディアの録音に比べると、残響皆無のリアルでデッドな響きにまず驚かされる。ここでも色彩豊かな中にマルケヴィッチ特有の明晰にして引き締まった音楽が鳴り響いている。作曲者への深い畏敬と共感に満ちた名演だ。

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2006年10月 1日 (日)

ウィルブラハムのハイドン

今日から10月朝から雨、肌寒い一日となった。

P9290577_1今日もヴォーン・ウィリアムスのリコーダーのための組曲を聴く。
聴いたのはマンロウではなく、リンデに学んだ矢沢千宣率いるアンサンブル・リチェルカーレという団体による演奏で日本コロンビア録音のLP。
どうやら教材用のレコードらしい。

曲目は、モーリー、スザート、ホルボーンといった中世ルネッサンスの舞曲集に加えて、現代作曲家の編曲によるルーマニア舞曲、ドイツ舞曲。そして最後にV.Wのリコーダー組曲というもの。
教材用の録音とはいえ水準はかなり高い。V.Wの組曲もマンロウの演奏と比べても全く遜色はない。

Pa010578続いてイギリスのトランペット奏者、ジョン・ウィルブラハムの吹くトランペット協奏曲集。ハイドン、テレマン、ヴィヴィアーニ、トレルリの協奏曲とソナタを収めたアルバム。
伴奏はネヴィル・マリナー指揮のアカデミー室内管、チェンバロはホグウッドが弾いている。

BBC響の首席奏者で、一時はニューフィルハーモニア管とロイヤルフィルのメンバーも兼ねていた名手ウィルブラハムのトランペット。
アンドレに代表されるフランス流の明るく流麗なスタイルとは異なるアクセント強調型の鋭角的な演奏。ピリオド楽器の演奏を先取りするようなスタイルだ。マリナーの伴奏も極力ヴィヴラートを避けているようだ。

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