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2006年11月に作成された記事

2006年11月29日 (水)

ラヴェルのピアノトリオ

仕事を休んだ日というものは予期せぬ事が起こるものだ。今日は昨日の休暇中に生じた仕事上の綻びをフォローすることから始まった。
帰宅後、受験を控えた娘に数学の問題を聞かれて四苦八苦。最近の中学の数学は自分の頃よりも難しいことをやっているものだ、と妙に感心。

Pb290667 今日はラヴェルの室内楽曲三曲を聴いた。
かつて東芝EMIから出た「フランス音楽のエスプリシリーズ」室内楽編のLPで、ヴァイオリンソナタ、ヴァイオリンとチェロのためのソナタ、そしてピアノ三重奏曲というもの。
ヴァイオリンはジャリ、チェロのトゥールニエ、ピアノのブルデユマルシュといった地味ながら確かな腕前のフランスの演奏家達によるもの。
LP時代は、ラヴェルの室内楽曲三曲を一枚に収めたアルバムは他になかったように思う。
詩情豊かでフランスのエスプリが漂う何度聴いても飽きのこない名アルバムだ。

Pb280666 沼響のHPの聴き比べコラム、新「第九を聴く」にラトルの演奏をアップしました。
対向配置、ピリオド奏法を採用されたとされる注目の演奏。連載8回目。

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2006年11月28日 (火)

シェイナのドヴォルザーク

今まで休日出勤が続いたこともあり今日は振り替えの休みを取った。
いろいろと雑事を済ませた後、畑で採れた白菜などの野菜類を日頃お世話になっている知り合いや親戚に配る。

Pb280665 帰宅後聴いたのは、チェコフィルの副指揮者だったシェイナの指揮するドヴォルザーク。
シェイナのドヴォルザークではスラヴ舞曲集が比較的知られているが、今日聴いたのは、チェコフィルを振った「3つのスラブ狂詩曲」、「スケルツォ・カプリチオーソ」のスプラフォン盤LP。

鋼のように強靭なドヴォルザーク。チェコフィルを存分に鳴らしきった素晴らしい名演だ。スメタナの「高い城」を彷彿させるハープソロで始まるスラヴ狂詩曲第3番が特に印象に残る。

Pb280664 もうひとつスプラフォンの録音から、ナヴァラの弾く、「現代・バロックチェロ名曲集」という日本コロンビアのCDからフランスの作曲家、ケ・デユブロアの「組曲第2番」。
原曲はヴィオールの作品だが、ナヴァラはチェロとピアノの版で弾いている。元気良く朗々と歌うナヴァラのチェロの響きが心地良い。

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2006年11月27日 (月)

スヴェトラーノフのドビュッシー、ラヴェル

ほぼ一日雨だが、比較的気温は高かった。

Pb270663 今日はスヴェトラーノフのドビュッシー、ラヴェルを聴いた。古いメロディアのLPで、かなり以前にハンガリーのLP通販業者から購入したもの。

この業者、最初は廉くて良心的であったが、日本人の顧客が増えるにつれてみるみるうちに値段が上がっていった。特にフルトヴェングラーとスヴェトラーノフに顕著だった。
このLPはまだ廉かった時に購入したもので、ドビュッシーの「夜想曲」、ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」「ボレロ」、オケはモスクワ放送響。

はやしさんのHP「スヴェトラーノフのページ」のディスコグラフィーによると、「夜想曲」と「パヴァーヌ」は1964年、「ボレロ」は1974年のライヴとされる。

注目は「ボレロ」ということになろうが、旧ソ連時代のライヴということもあり、音がかなり硬質であまり良くない。
最初は平常心で開始するものの、次第に興奮状態に突入する予想通りの展開ではあるが、後半のテンポの揺れが唐突であるのと、オケのノリも今ひとつで楽しめない。
シンバルがクライマックス直前のおかしなところで鳴っている。興奮しすぎたのだろうか?

この中では繊細な表情を聴かせる「夜想曲」の「雲」が名演。ヴィヴラートたっぷりのホルンはまるでフランスのオケのようだ。

Pb220656 沼響のHPの聴き比べコラム、新「第九を聴く」の第7回をアップしました。
今回はインマゼール&アニマ・エテルナによる演奏。



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2006年11月26日 (日)

イタリアSQのラヴェル

久しぶりの何もない休日。一日ノンビリと過ごそうと考えていたが、気になることを思い出し、9時過ぎにちょいと職場へ寄り、関係先にメールを送る。今日は下の娘の誕生日なので、早々に切り上げケーキの材料を買いながら帰宅。
結局、部屋の掃除やらさまざまな雑事で一日を空費。まぁこれもよいだろう。

Pb260660 Pb260661 今日はラヴェルの弦楽四重奏曲を聴いた。まず聴いたのはパレナンSQのEMI盤LPで、1969年の再録音。クールで繊細、余裕のテクニックで聴かせる定評のある名演。

パレナンの演奏にはちょっと気取った冷たさのようなものを感じたので、自分の刷り込みであるイタリアSQのフィリップス盤も聴いてみる。パレナンと同じ頃の1966年録音。
こちらは豊かでトロリとした幾分甘い響き、ゆったりとしたテンポの中に遊び心も感じられる演奏だった。自分の好みでは断然こちら。

Pb260662 今日の締めくくりは同じイタリアSQによるボロディンの弦楽四重奏曲第2番。有名な「ノクターン」を第3楽章に配したイタリアSQの芸風にぴったりの名曲。

沼響のHPが復活したようです。管理人さま、ご苦労様でした。

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2006年11月25日 (土)

アルベルトのチャイコフスキー

本日もお仕事。多忙な11月も今日でひと区切りがつきそうだ。明日は久しぶりに何も予定の入らない休日。ゆっくり休もう。

今日はアルベルトの指揮するチャイコフスキーの交響曲第5番を聴いた。最近まとめ買いをしてしまったフランスAcooedのフェスティバルシリーズから。オケはセントソリ管で1959年パリでの録音。
覆面オケだが、ヴィヴラートタップリのホルンやバソンの音から明らかにパリのオケによる演奏。

Pb250659 LP時代からお馴染みのアルベルトのチャイコフスキー交響曲第4番と同様、木管強調型の独特のバランスでオケを自在に鳴らすスケールの大きな演奏。
さらにトランペットとトロンボーンが意表を突く場所でブーと鳴らす個性的な響きが面白い。第2楽章の余韻を持った歌もなかなかのものだ、やる気充分のオケを存分にドライヴしたフィナーレも素晴らしく、最後のコーダでとどめのイッパツのシンバルの強打も嬉しい。
カップリングはドウアット指揮の「弦楽セレナーデ」というB級グルメにはたまらぬ一枚。

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2006年11月24日 (金)

金子建志先生と魔笛

午前3時頃に地震があった。震度2程度の小さい地震だが、震源地が近く、起こされてしまった。窓を空けると冷気が部屋に流れ込んでくる。冬の到来を予見させる寒さだ。
昼間は良い天気となり暖かになってきた。

今日は金子建志先生を迎えての講演会。昨日電話である程度の打ち合わせは済ませてあったが、今日の先生の到着が開演一時間前となり、かなり慌しいことになってしまった。

909s 068p 先生の到着後直ちに会場で実際の流れの段取りと使用するソフトのチェックをおこなう。
今回の内容は「魔笛」が主題、こちらが準備したサヴァリッシュ&バイエルンの「魔笛」LDと、先生が持参されたレヴァインのザルツブルクライヴのDVDのチャプターを大急ぎでチェック。

ところが、この忙しい時に先生の大ファンだという男性が先生にサインを求めに来た。
さらに先生相手に、チェリビダッケのブルックナーの話を始めたのに閉口してしまった。
気持ちはわかるが場の空気を読んで欲しいものだ。

講演はさすがに中身の濃いものだった。「魔笛」に出てくるシューベルトの「野ばら」とほぼ同じ旋律の紹介、ベートーヴェンの「第九」への影響。
「夜の女王のアリア」への導入部の1983年のサヴァリッシュ盤と1981年のレヴァイン盤ポネル演出との違い(両方ともグルヴェローヴァが凄い歌唱を聴かせている)などなど。
途中レヴァインのDVDを再生した時に誤ってドイツ語字幕を表示してしまった失敗はあったが、短期間の準備の割にはうまくいったと思う。

P8240527_2 終了後、先生とマーラーの「巨人」談義となった。
9月にこのブログで紹介したI.フィッシャーのLPを持参して見せたところ、先生は、このLPの外盤発売当時に入手されていて、これは通常版に「花の章」を加えただけの演奏であること、さらにジャケットの裏に「花の章」がPresserの出版、他の楽章はユニバーサル版を使用していると書いてあるとの御教示を受けた。
これで疑問が完全に氷解しました。

Presser版による「巨人」を今練習していることも話され(お世話になっている高橋さんが加わっているオケ)、譜面についてのいろいろな苦心談など興味深い話を伺うことができた。
次回はいよいよ「レクイエム」を中心とした講演。これも楽しみだ。

沼響HPが使用しているサーバーがどうやら停止状態のようです。

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2006年11月23日 (木)

第九、合唱合わせ

本日「勤労感謝の日」。祝日とはいえ通常通り朝から職場へ向かう。
今日は午後から井崎先生の指揮による練習が入り、しかも夜は合唱団との初合わせという密度の濃い一日だ。
昼食後職場を抜け出し練習会場の文化センター大ホールへ向かう。ホールが職場から歩いていける距離なのがありがたい。

今日は本番と同じ演奏位置にセッティング。合唱団の配置に合わせてオケ全体がステージの前方に移動しての練習となった。「魔笛」序曲に続いて「第九」の第一楽章へ練習は進む。

数メートル前方に移動しただけなのに響きはかなり変わってしまった。最初、戸惑い気味だったメンバーも「第九」の練習が始まったころには慣れてきた。対向配置の合わせのコツも飲み込めてきたようだ。
第一楽章終盤のクライマックスでは前面一杯に広がった第1、2ヴァイオリンの響きがクラスター爆弾のように客席に拡散していく様子が良くわかる。デモーニッシュな雰囲気も良く出ている。これは良い調子だ。休憩となったところで抜け出し一旦職場へ帰る。

夜はいよいよ合唱合わせ。仕事を切り上げ夕食も取らずにホールへ急ぐ。雨がパラつきはじめた。合唱団は総勢270名。平均年齢はかなり高くて、たぶん50才半ばを軽く超えている。皆、なんとなく不安そうな表情、だいじょうぶだろうか?

まず第4楽章を最後まで通す。が・・・・・・うーむ。自分のすぐ後ろにいるはずの合唱が全然聞こえてこない。合唱団の人たちの懸命な心意気は伝わってくるが、初めてのオケ合わせで萎縮してしまっているようで声が全然出ていない。

井崎先生の冷静な指導で、後半は次第に声が出始めてきたが、ちょっとこれはまずいのではないか。あと一週間しかないぞ。

暗澹たる気持ちとなり、練習の帰りにセブンイレブンに寄りビールとおつまみを買う。すると700円以上お買い上げの方にはスピードくじがあるという。ついつい無理やり700円を超える買い物をしてくじを引いてしまった。するとアサヒ・プライムタイムの500ml缶が当たった。ラッキー!
ささやかな幸福感を味わいつつ家路を急ぐ単純な私であった。

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2006年11月22日 (水)

ニコラエーワのインベンション

今日は暖かな一日だった。家の暖房用に灯油をドラムカン1本分購入。なんと2万円を超えていた。昨年に比べると随分高くなったものだ。

Pb220657 今日はロシアの女流ピアニスト、タチアーナ・ニコラエーワのバッハ、「インベンションとシンフォニア」を聴く。1977年来日時の録音。
ニコラエーワは実演で何度か聴いているが、全てバッハの演奏だったように記憶している。

このLPはスタジオ録音だが、この来日時には演奏会でも取り上げていて、NHKFMでもライヴ録音が放送されたはずだ。
リヒテルのようなロマンティックなバッハを想像していた当時の自分には、随分と即物的な演奏に聴こえたのが印象に残っている。

あらためてスタジオ録音を聴いてみると、長調と短調の曲が交互に登場する中、硬質で健康的な長調と柔らかでロマンティックな短調の曲の対比。さらに調性の特徴の違いまでも明確に変化を付けながら弾いていることに初めて気がついた。大変なピアニストもいたものだ。

Pb220658 もうひとつL.ジョーンズ指揮のリトルオーケストラ・オブ・ロンドンによるハイドンの交響曲第13、64,29番の3曲。
マンガチックなジャケットが特徴の米ノンサッチのLP。イギリスのPye原盤。
このコンビはハイドンの初期交響曲の多くを録音しているらしい。

オケは名前のとおりの小編成のようだ。第13番ではチェンバロの音がチンコロ・チンコロと響いている。第64番のアンダンテなどホルン低音の音程が相当怪しい。どうやらロンドンの優秀なフリーランサーを集めたオケでもなさそうだ。

昨今のピリオド系の演奏と比べるとノンキな演奏だが、懐の深いハイドンならばこれでも充分楽しめる。

どうも沼響のHPのサーバーがコケているようだ。聴き比べコラムが更新不能状態。

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2006年11月21日 (火)

ノエル・リーのドビュッシー

本日、夜はPTAの役員会。次期役員決めのルールと会長決めの話し合い。比較的スムースに話は進む。これでなんとか来年度の目処が立ってきた。

Pb180647 Pb180648 先日、ヤフオクで落としたノエル・リーのドビュッシー2枚が届いた。
「前奏曲集第二巻」、もう一枚は「ベルガマスク組曲」と「タランテラ」「夢」などの比較的短い曲を集めたもの。

ノエル・リーには1965年にステレオ初の全集録音を仏Valoisに残していて、これはディスク大賞も受賞した名盤。

Pb180650 手元には日本コロンビアが1966年に発売した2つの「映像」を収めた一枚しかなく、他の演奏を長い間探していた。
ヤフオクで見つけたLPもValois原盤で、しかもジャケット図案が似ていたので、てっきり1965年録音の旧全集だと思いこんでいた。

しかし送られてきたLPの録音データを見たら1971年6月、コペンハーゲンの録音。
Pb180649 これは既に購入済みのNAIVEからCD2枚分が出ている再録音と同じものだ。
まさか同じValoisへ二種の全集録音を行っているとは思わなかった。
念のため日本コロンビアのLPの「水の反映」とCD化されている同曲を聴き比べてみたが、明らかに別演奏。

再録音は練れた安定感は感じられるものの、旧盤の厳冬期の高原の岩清水のような鮮烈さと透明感は大幅に後退している。

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2006年11月20日 (月)

ノートルダムのP.コシュロー

本日埼玉へ出張。あい変らずの雨の一日だが、順調に事が運び夜7時前には沼津へ帰着。

Pb200655 今日は、パリ・ノートルダム寺院のオルガニストだったピエール・コシュローの即興演奏を集めたアルバムを聴いた。仏FYから出ていたLP2枚組。

宗教的な静謐さと空間を圧する荘厳な音響との見事な対比、自由なファンタジーに満ちた凄演。

Pb200654 埼玉への車中で聴いたのはAcoordのフェスティバルシリーズから、エチェベリー指揮するラムルー管によるドリーヴの「コッペリア」「シルヴィア」とショパン、ダグラス編の「レ・シルフィード」。
オケのアンサンブルは上質とは言えないが、小太鼓を強調した場末のサーカスのバンド演奏を聴くような鄙びた味わいが楽しい。フランスの管楽器特有の華やかな音色も楽しめる一枚。演奏はドリーヴよりもショパンの方が良い。

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2006年11月19日 (日)

またまた雨のPTA行事

先週日曜の小学校のバザーに引き続き、今日は子供達が初日の出を見るために利用する登山道整備の下見の日。

Img_0092 自宅裏の幼い頃から慣れ親しんだ山だが、「沼津アルプス」という名で新日本百名山にも選ばれているらしい。最近は首都圏からの登山客も多い。写真は晴れた日の徳倉山山頂。後北条氏の烽火台の跡で、天気が良ければ富士、静岡方面と富士山が良く見える。

ここの登山道の整備がなぜか小学校PTAの仕事となっている。12月の作業に向けて、荒れている箇所の確認と、必要な資材調達のための確認作業を役員6名と一緒に朝から山に入る。

20031122_06_1 今日の降水確率は60%、初っ端、登山道入り口に巨大な犬の糞があり役員の一人が踏みつけてしまった。どうも幸先がよくない。

今年は台風も少なく、昨年作った階段や竹の手すりもさほど傷んでいなのが救いだ。重要なポイントに標識を付け、補修箇所を地図にプロットしていく作業を続ける。

そのうちポツリポツリと降ってきた。もう雨には慣れた。皆黙々と作業を続ける。
作業は11時に終わった。さすがに疲れた。

Pb150644_1 昼食後ハイドンのホルン協奏曲を聴いた。演奏はE.ペンツエルの独奏によるコレギウムアウレウム。リンデの吹くフルート協奏曲とのカップリングの米QuintensのLP。テイチクの国内盤LPに比べると音質は著しく落ちる。
聴いているうちに意識が遠のき眠り込んでしまった。

Img6tasp 沼響のHPに聴き比べコラム新「第九を聴く」をアップしました。
今回はガーディナーの全集から。連載6回目

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2006年11月18日 (土)

対向配置の難しさ

演奏会も近づき今日は土曜練習の日。久しぶりに井崎先生の登場となった。
6時からの練習には充分間に合うと思っていたのだが、思わぬ仕事上のアクシデントでまたまた遅刻。

練習会場に着いた時には、「魔笛」序曲の練習が始まっていた。
中間部の管楽器のファンファーレの吹き方に、先生独特の解釈が入る。
魔笛の後はいよいよ「第九」の練習が始まる。第1楽章から順番にさっと通しながらの練習だが、合宿であれほど叩き込まれたことが、皆忘却の彼方となっている。

第3楽章の時に抜け出し客席から聴いてみたが、右側の第2ヴァイオリンはプルトの前の方からしか音が聴こえてこない。左の第1ヴァイオリンはプルトの前と後ろでは完全にテンポ感がずれている。音が痩せて聴こえるのはピリオド奏法を試みているためだろうか。

今日はコントラファゴットも入り、コントラバスもエキストラも参加。第4楽章のアラマルチアのあたりでようやく練習に面白みが出できたが、残念ながら時間切れとなってしまった。

やはりこの楽器配置に団員がまだ慣れていないようだ。自分も直ぐ後ろでコントラバスがゴリゴリやられると、コントラバスの音程に幻惑されて全体の音程が掴みにくて閉口してしまう。次回はいよいよ合唱合わせとなる。

Pb060641 今日はオーマンディのプロコフィエフを聴いた。コロンビア時代のLPで、曲は交響曲第5番。
オケはさすがにうまいが、オーマンディーの指揮は、ひたすら楽天的なお気軽路線に終始。同じコンビの古典交響曲の名演にはほど遠い出来。

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2006年11月16日 (木)

本番近づく

いよいよ練習も佳境に入ってきた。本日はトレーナーの中橋先生により第1,4楽章の練習。メンバーも揃いバランスの良い編成での練習となった。
先週は全体的に不調だったが、今日はそれなりのアンサンブルが出きてきたようだ。
特にチェロパートが良い。特訓でもしたのだろうか。

Pb150642 今日は「Wiener Streichtrios」というタイトルのアルバムを聴く。
モーツァルト、ハイドン、シューベルトの弦楽三重奏曲をString Trio Bell'Arteが弾いているFMSのLP。

曲は、モーツァルト唯一の弦楽三重奏曲であるK.563のディヴェルティメント、ハイドンはピアノソナタからの作曲者自身のアレンジのHob.XVⅠ:41、そしてシューベルト未完のD.471という凝った組み合わせだ。

ヴァイオリンがS.Lautenbacher、ヴィオラU.Koch、チェロM.Ostertagという派手さはないが堅実な実力者たちが生まじめに弾いている。

Pb160646 沼響のHPに聴き比べコラム 新「第九を聴く」をアップしました。
今回はブリュッヘン指揮の18世紀オーケストラによる全集録音から。
連載5回目、こちらも少しピッチを上げましょう。

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2006年11月15日 (水)

ドルメッチの平均率

ここのところ北海道、東北方面で地震が多く気になっていたら、千島列島でドカンと大きいのが来た。幸い日本本土から遠かったものの海底であったために津波警報が出ている。
先ほど市の同報無線でも注意を促す放送があった。外は強風が吹いている。

Pb150643 今日は古楽器演奏のパイオニア、アーノルド・ドルメッチの演奏を聴く。アルティスコから出ていたLPで、バッハの平均率曲集数曲と半音階的幻想曲とフーガの入った1枚。ドルメッチは自らが製作したクラヴィコードを弾いている。

ここで聴かれるクラヴィコードの音はリュートやギターのような響きで、今に聴かれるチェンバロの音と比べてもか細く鍵盤楽器の力強さからほど遠い。

ポツリポツリと丁寧に演奏されているドルメッチの演奏からは、それまで誰も手をつけなかった古い楽器を見つけ出しては修復し、手探りで演奏法を探っていった開拓者の孤独がひしひしと迫ってくる。1933年録音、この年代としては驚異的な優秀録音だ。

Pb150645 もう一枚はアマデウス・カルテットのモーツァルトの「狩」、ハイドンの「皇帝」。1982年彼らの2度目の録音だ。
がっしりとした風格に満ちた余裕の名演。特にハイドンが良い。

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2006年11月14日 (火)

ブラウのモーツァルト

ここ数ヶ月眠りの浅い毎日が続いている。夜になると眼が冴えるのだが、日中はどうも頭が働かない。今日は夕方から雨、遠くで聞こえていた雷も次第に近くなってきた。
そろそろ冬が近づいてきた。1月にインフルエンザで3日ほど寝込んだので、今年は予防接種をしておこうと思う。

Pb090643 今日はベルリンフィルのソロフルーティスト、ブラウの吹くモーツァルトのフルート四重奏曲集を聴く。アマデウス弦楽四重奏団のメンバーとの共演によるドイツ・グラモフォンのLP。
美しい音色、水玉がサトイモの葉の上を転がるような天真爛漫なモーツァルト。

Pb120644 もうひとつクリュイタンス&ベルリンフィルによるベートーヴェン交響曲全集録音から第4番。東芝セラフィムの古い廉価盤LP。
この全集中では最も優れた演奏のみならず同曲の数多くの録音中クライバーの演奏と並びトップを争う出来。
当時のベルリンフィルの機動力を最大限に生かしたパリッとした名演だ。

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2006年11月13日 (月)

ダリ回顧展

朝晩はめっきり寒くなってきた。今日は所用で東京に出かけついでに上野の森美術館で開催中の「ダリ回顧展」に行ってみた。月曜日だが会期中は無休なのがありがたい。

Pb130645 平日の夕方とはいえなかなかの混雑ぶりだ。展示されているのはサルバドール・ダリ美術館とガラ=サルバドール・ダリ財団の所有するものから60点の油彩作品と27点のグアッシュや素描。

展示されている作品数に比べて会場の狭さが気になったが、画集で見るのとは段違いの迫力。各種自画像や不思議な静けさの漂う砂漠を背景とした作品の数々。シュールな中に生々しいリアリズムの漂う強烈な作品ばかりだ。

Pb080644_1 往復の車中で聴いたのは、先日病院の待合室で聴くつもりだったTahraのヨッフム&コンセルトヘボウ管のブルックナー交響曲撰集から第4番、第5番。いずれもライヴ録音。

重厚で練り上げた音響が遅めのテンポで悠然と流れていく。実演で聴いたこのコンビの第7番の演奏と同様、驚くほどの完成度の高さと親しみやすい温もりの感じられる名演だ。録音も良い。

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2006年11月12日 (日)

ライナーのベートーヴェン

今日はPTA秋最大の行事であるバザー。昨日からの雨も上がり天気予報の降水確率10%。今年、私の関係する行事は全て雨だったが、ようやく雨男の疑いも晴れそうだ。

早朝6時30分集合、校舎の中庭にテントを張り、フライドポテト、フランクフルト、磯べ餅などの売店の準備に取り掛かる。巨大な大鍋2つを用意し、フライドポテト用の一つにはサラダ油を2斗、もうひとつはフランフルトソーセージのボイル用のため水を入れ火を入れる。
ママさんたちは値付けの終わったバザー用品を並べていく。

やがて定刻の9時となり子供や父兄たちが集まり始めた。上々の客の入りだ。私は油から揚げたフライドポテトを巨大なザルに入れ、上下に振りながら塩を振る。こぼさずに均一に塩を振るのは難しいが3年目ともなればコツは飲み込めている。

ところが嬉々としてザルを振っていた10時を回ったころから急に雲行きが怪しくなってきた。なんと学校の上空のみに真っ黒な雲がむくむくと湧いている。やがてポツポツと降り始め激しい降りとなってしまった。雨が油の入った鍋に入り込み、バチバチと音を立てながら油が撥ね始めた、とても近づけない危険な状態となってきた。皆、蜘蛛の子を散らすように教室に避難する。雨は15分ほどで上がったが、その後客足が遠のき売り上げは激減。

売り上げの金額もなかなか合わず、帰宅したのは3時過ぎ。さんざんな一日だった。

ここ一週間、身近な知り合いからベートーヴェンの交響曲第7番のお勧めの演奏をよく尋ねられる。あきらかにテレビドラマ「のだめカンタービレ」の影響だ。

Pb120645 この場合演奏と録音状態の総合力から「クライバーが良いよ」と答えることにしているが、自分のベストとしては晩年のモントゥーがロンドン響を振ったデッカへの録音。
肩の力の抜けたエレガントさと力強さの見事な均衡。対向配置採用によるヴァイオリンの掛け合いも美しい見事な演奏だ。

Pb120646 今日聴いたのはもうひとつのお気に入り、フリッツ・ライナーの演奏。手兵シカゴ響を振った演奏で1955年のステレオ録音。マイクセッティングのためかこの曲で活躍するティンパニの音が遠いのが難点だが、筋肉質の無駄のない響きと豪快に突き進む推進力に満ちた強靭な意志の力を感じさせる名演だ。

聴いているうちにコントラバスが向かって左手から聴こえてくるのに気がついた。対向配置でもないようだ。

Pb120648 Pb120647 こうなると気になってしまう。VAIから出ているライナーのビデオ映像を探し出し確かめてみた。シカゴ響を振った演奏会録音で曲は同じベートーヴェンの交響曲第7番。1954年の記録。
眼光鋭い鷹のような風貌、ライナーの指揮は左手をほとんどダランと下げたままで、右手を上下させるだけの簡潔なもの。太く長い指揮棒が印象的だ。音楽の重要な部分はほとんど眼で指揮している。

気になるオケの配置はなんと対向配置。二群のヴァイオリンの掛け合いをテレビカメラは見事に捉えている。チェロの首席はシュタルケル、ホルン首席はフィリップ・ファーカス、
そしてトランペットには名手ハーセスの姿も見える。ホルンのみ倍管4本。
一糸乱れぬオケががっしりとしたベートーヴェンの世界を構築していく素晴らしい演奏だ。

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2006年11月11日 (土)

ドウアット、アンドレのスカルラッティ

今日は朝から雨、昼間は不思議と暖かだ。前から欲しかったアラジンの石油ストーヴが昨日届いたが使い始めるのはまだ先になりそうだ。

Pa300618 今日はAccordのフェスティバルシリーズのCDから、ドウアット指揮によるバロック曲集を聴く。収録曲はアルビノーニのアダージョ、アレッサンドロ・スカルラッティの合奏協奏曲第2番、ムーレのファンファーレ、テレマンの序曲。ここまでがドウアットとトランペットのM.アンドレによるもの。(なぜかスカルラッティはドメニコ・スカルラッティ表記となっているがこれは誤り)。
これにステルツエルのトランペット協奏曲(トランペットはギー・トゥヴロン)
そしてR.M.Gliereのアンダンテと変奏とO.Bohmeのロシア風ダンス(トランペットはM.Sommerhalder,ピアノはN響を振ったこともあるM.ヴェンツアゴ)

Pa300617 Pa300619 ドウアットによるものは日本コロンビアのパルナスシリーズの千円盤で出ていた昔懐かしい音源だ。
中学時代に購入したLPで、思わず懐かしくなってCDを購入してしまったが、
実は既にCDが家にあったことに気がついた。
1987年の仏Acoordから出ていたCDで、収録曲は今回のフェスティバルシリーズと全く同一だが音はかなり異なる。

87年CDはAAD、2006年発売のフェスティバルシリーズはADDとなっているが、気のせいか87年CDの方が高音強調気味であるものの細部が明瞭に聴こえる。今年出たものは音がずいぶんと丸くなって甘い印象だ。

あらためてこのアルバムを聴き直し、M.Sommerhalderの吹くGliereの変奏曲の美しさに痺れた。Gliereは「赤いけし」や「イリア・ムロメッツ」を作曲したグリエールと同一人物なのだろうか、ポップなティストの中に甘い気品の漂う隠れた名品だと思う。

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2006年11月 9日 (木)

本番迫る

今日はオケの練習、本番まで一ヶ月を切ってしまった。
練習開始7時10分前だというのにまだ仕事が終わらない。ふと携帯を見るとホルンパートからの着信記録。慌てて職場を飛び出しホールへ急ぐ。

井崎先生は合唱練習のため、今日はトレーナーの中橋先生による練習。会場では既に「魔笛」序曲の練習が始まっている。ウォーミングアップもそこそこに席に滑り込む。
どうも弦楽器の響きがおかしいと思ったらヴィオラが一人しか居ない。うーむ、人のことは言える立場でないが、大丈夫なのだろうか?

「魔笛」の次は「第九」の第2楽章、第3楽章の練習が続く。今回は定演が終わった直後から「第九」の練習に入ったので練習時間は充分あったはずなのに、全然まとまっていない。合宿の時から見てもあきらかに後退している。一体どうしたのだろうか?
これは相当気合を入れないとヤバイことになりそうだ。

Pb090642 沼響のHPに聴き比べコラム「ラフマニノフの2番を聴く」をアップしました。今回は東京都交響楽団の常任指揮者デプリーストによる名演。
連載39回目


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2006年11月 8日 (水)

お腹の検査

昨晩から急に冷え込み11月らしくなってきた。
ここ数週間腹の具合が悪い。腸の辺りの膨張感が治まらないのだ。
今日一日休暇を取り、市立病院で診てもらうことにした。8時過ぎに病院に入り受付を済ます。あい変らず混雑している。

Pb080644 Pb080643 長時間待たされる事は想定済みなので、持参した大きめのバッグにはポータブルCDプレーヤーと「鬼平犯科帳」の文庫本、CDはTAHRAから出ているヨッフム&コンセルトヘボウのブルックナーライヴ3枚組とエリック・エリクソン&エリクソン室内合唱団によるスウェーデンの現代作曲家合唱音楽集、BISの2枚組。

内科の待合室でCDを聴き始めたがすぐにそれが愚かな事であったのに気がついた。
呼び出しのアナウンスが全く聞えない。
比較的早く呼ばれ、若い内科医の問診を受ける。今日は採血とレントゲン、そして超音波エコーとなった。大腸の内視鏡検査は一ヵ月後。

検査の順番が来るまでひたすら待つ、「鬼平」はすぐに読んでしまった。こんなことならばもっと厚い本をもってくるのだった。
ようやくエコーの順番となった時にはお昼を回っていた。今日は朝食を採っていない。腸のあたりがゴロゴロしてきた。

お腹にグリスを塗り医師の検査を受ける。「うーむ、脂肪肝でよく映らないですねぇ」、「・・・・・・・・・・・・」 どうやら私の腹の中は油田状態らしい。(..;
「このあたりですか?」、突然医師がゴロゴロ鳴っている大腸のあたりにセンサーを強く押し付けた。「ウッ!」。ガスが放出されそうなのを必死でこらえる。検査終了後そそくさとトイレに直行。

検査結果を知らされるまでさらに2時間近く待たされた。
ようやく呼ばれた時には3時を過ぎていた。若い医師は、「特に異常はないようですね。お腹にガスが溜まっているだけです。繊維質のものを良く食べてください。GPTが高いですね。」安心したものの拍子抜け。
処方箋持参で薬局へ行ったところ、薬剤師が渡してくれたのは内視鏡検査の日の前日に飲む下剤の小瓶のみ。

とたんに朝からなにも食べていないのを思い出した。
会計を済ませ、そそくさと病院近くの回転寿司に飛び込む。安心感と空腹感で食べ過ぎてしまった。この不規則で無節操な食生活が不調の原因なのだろう。

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2006年11月 7日 (火)

ミトロプーロスのプロコフィエフ

早朝7時30分頃、突然の突風が家の周囲を襲った。それまで雨が断続的に降っていたのが、突然夜のように周囲が真っ暗になり猛烈な風とともに激しく雹が降ってきた。
慌てて部屋の窓を閉めているうちに豪雨となってきた。庭先の柿の木から葉が物凄い勢いで天に舞い柿の木が丸裸になっている。いままで経験したこともない突風だ。

そのうち家を出たばかりの中学生の娘が、友達と一緒に玄関先に飛び込んできた。全身ずぶ濡れだ。豪雨は15分ばかり続いただろうか、娘達を車で学校に送り届けたとたんにあたり一面良い天気となった。列島各地で同じような現象が起き、北海道では竜巻が発生し大きな被害が出てしまった。

このたび私の尊敬する音楽学者、金子建志先生をお迎えして講座をお願いすることになり、本日はその打ち合わせの日。夜の7時に大学の教授会を終えて沼津に到着する先生を駅まで出迎える。

到着するやいなや細かな打ち合わせに入る。今回はモーツァルトを主題とした3回シリーズで、第1回は「フィガロ」と「ドンジョバンニ」を取り上げるため、こちらの用意した多くの映像ソフトと先生自身が持参されたソフトをいろいろと再生するが、どうもDVDの操作がうまくいかない。自分のプレーヤーならば馴れているのだが、先生を前に悪戦苦闘となってしまった。
なんとか目処が立ったころには9時を過ぎていた。その後先生を三島駅まで車で送りながら車中で楽しいアマオケ談義。

先生をホームに見送った後、さて職場に戻ろうと車のエンジンをかけると、誰か車の外に立っている。はて?車内から見上げるとなんとうちのオケの運営委員長だった、不思議な偶然もあるものだ。

Pb060642 帰宅は遅くなってしまったが、家で聴いたのはすぐ真近にあったミトロプーロスのディスク。
URANIAから出ているCDで、ニューヨークフィルとの「海」「ペトルーシュカ」、そしてミネアポリス響を振ったプロコフィエフの交響曲第一番。

ライヴでもなさそうだが、全て音は劣悪。低音がボーンボンとした音でドビュッシーなど悲惨な音だ。中では一番録音年の古い1940年録音のプロコフィエフが比較的まともな音。
全編狂気に満ちた異様な演奏だ。ただし第4楽章は後半が切れてしまっている。

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2006年11月 6日 (月)

テンシュテットのベートーヴェン

今日は静岡へ出張、帰りには久しぶりの雨となった。

月曜の夜9時は「のだめカンタービレ」、この時間帯のテレビドラマはあまり見ない私だが、話題に釣られて第一回から見ている。
ドラマの各所で挿入される音楽が場面に見事に嵌っていて実に愉快。最後のクレジットに出ているN響のオーボエ奏者の茂木さんが手掛けているのだろうか。

今回は2軍のSオケの初デビューという舞台設定、いわば序盤のクライマックスだが、ここで演奏されたのがベートーヴェンの交響曲第7番。オケのメンバーの派手なパフォーマンスでなかなか笑わせてくれる。

Pb060640 ということで今日はテンシュテットのベートーヴェンの交響曲第7番を聴いた。1989年11月のロイヤルフェスティバルホールでのライヴでBBC LegendsのCD。オケは手兵ロンドンフィル。
巨匠テンシュテット渾身の演奏。熱く燃えたオケ、ホルンの内声部の強調とティンパニの強打も嬉しい燃焼度の高い白熱の名演。

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2006年11月 5日 (日)

トリオ・アルベニスのファリア、グラナドス

今日は一日仕事となった。11月だというのに日中は暑いくらいだ。この暖かさは異常だと思う。急速に地球温暖化が進んでいることを実感する。

Pb050637 今日聴いたのは、トリオ・アルベニスの演奏するスペイン物。スペイン・イスパボックス原盤のLP。
トリオ・アルベニスは、バンドゥーラ、ラウード、ギターラのスペインの民族楽器を使用したアンサンブルで、かのファリアも絶賛し好んで彼らの演奏を聴いたという。

曲目はファリアの「はかなき人生から」「粉屋の踊り」、グラナドスの「スペイン舞曲第5番」「オリエンタル」、アルベニスの「入り江のざわめき」などのお馴染みの名曲に加えて、トゥリーナ、ハルフテル、バリオスらの曲が加わる。全てアレンジ物のようだ。

楽器はギターを含むマンドリンのような撥弦楽器らしい。エキゾティックでいくぶん哀愁を帯びたアンダルシアの響きが素晴らしい。アレンジも変化に富んでいて、演奏者も確かな技巧の持ち主で見事な演奏を聴かせてくれる。

Pb050639 Pb050638 仕事の帰りに立ち寄ったリサイクルショップでLP2枚を救出。
テレフンケンのDas Alte Werkシリーズから、T・ビングレー率いるアーリー・ミュージック・クワルテットによる「カルミナブラーナ」。

そしてテイチクから出ていたパイ原盤の廉価盤バロック音楽シリーズから。ヴィヴァルディのギター協奏曲、ヴィオラ・ダモーレとリュートのための協奏曲、そしてペルゴレージのSalveRegina、ヴァイオリン協奏曲というもの。演奏は、J.Snashall指揮のThe Anglian Ensemble。
演奏はごく普通の水準だがペルゴレージのSalve Reginaが、あの「スターバト・マーテル」を彷彿させる哀愁を帯びた旋律に満ちた名作。いずれも1枚100円也。

Pa310622 沼響のHPに聴き比べコラム、新「第九を聴く」をアップしました。
今回はベンジャミン・サンダーによるベートーヴェンの書いたメトロノーム表示に忠実に演奏したという演奏。連載4回目

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2006年11月 4日 (土)

朝比奈隆、2つの運命

休日二日目。天気も良くどこかへ出かけたいところだが、昨晩からまた腹の調子が悪い。
これは医者に診てもらった方が良さそうだ。
場合によっては夕方から出勤し打ち合わせの可能性もあったのだが、幸いにして7日に延期となった。

今日は朝比奈隆の運命を聴く。聴いたのは朝比奈隆の初期の2つの「運命」。1972年と1973年の学研への録音。

Pb030630 1972年録音は、朝比奈隆のベートーヴェン初録音となったもの。学研から出ていた中学生向けの雑誌「ミュージックエコー」の付録EP盤。かなり詰め込み気味で録音レベルが低く、ジャケットにもボリュームを上げて聴くように書かれている。第1楽章のリピートは省略されている。1972年1月16,17日、箕面市民会館での録音。

後の朝比奈隆の数多くの演奏と基本的なアプローチは変わらない。骨太で豪快、第1楽章と第3楽章はかなり遅いテンポで進行、第4楽章に演奏の頂点を設定し、第3楽章後半からのティンパニの強打が凄まじい。多少荒っぽいがライヴのような雰囲気が独特の魅力。

Pb030629 再録音も学研への録音。初の交響曲全集となった録音で、1973年7月、8月、大阪厚生年金ホールでの録音。CDの初期に全集の形で出たが今日聴いたのは一般家庭用に学研が頒布したシングル盤のシリーズから。

こちらも詰め込み音盤で、シングル盤1枚に収めるために第1楽章のリピートはカットされている。オリジナルではリピートも演奏されていたようだ。

第1、3楽章のテンポの遅さとフィナーレのティンパニの強打はそのままだが、演奏の輪郭をキチンと整えた印象。旧盤に聴かれた八方破れ的な面白さは薄れ、その分オケの非力さが目立ってしまった。

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2006年11月 3日 (金)

シャーンドルのバッハ

ここのところ天気も良く今日は文化の日。昨日帰りが遅かったのでちょっと朝寝坊してしまった。

Pb030636 目覚めの景気付けに勇壮なバグパイプの音楽を聴く。中学生の頃沼津の町にスコットランドの軍楽隊が来て町を練り歩いたことがあった。初めて聴いたバグパイプ合奏の生の迫力に圧倒されたことを思い出す。
聴いたのは英コンサートホールから出ていたLPで、The Gordon Highlandersのバグパイプ付き軍楽隊による演奏。
鍛え抜かれた軍楽隊の鋼鉄のアンサンブルとバグパイプ群の重厚な響き。部屋の空気が引き締まるかのようだ。このコンサートホール盤は音も良い。

ヤフオクで落としたLPが届いた。今回は米コロンビアの初期LPが中心。なにせ50年前の品物だし格安で落としただけあって中袋もなく、盤もかなり汚れている。
一枚一枚ディスクウォッシャーで洗いながら先日バルトークの「子供のために」を聴いたジョルジュ・シャーンドルのバッハを聴いてみた。

Pb030631 バッハのオルガン曲の数々をリストやブゾーニがピアノ用に編曲したものを集めたアルバムで、有名な「トッカータとフーガニ短調」はシャーンドル自身の編曲。
しっかりとした技巧と男性的なタッチの豪快でロマンティックなバッハ。演奏も良くこれはなかなかの拾い物だった。シャーンドルは同時期に「パルティータ」集もコロンビアに録音している。

Pb030632 Pb030633ほかには クリーブランド時代のロジンスキーのショスタコーヴィッチの交響曲第1番とシベリウスの交響曲第5番。
カサドシュの弾くダンディの「フランスの山人の歌による交響曲」とフランクの交響的変奏曲。ダンディはミュンシュの指揮するニューヨークフィル。フランクはウエルドンの指揮。

Pb030635 Pb030634_1 モノラル時代のオーマンディ&フィラデルフィア管によるワーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー第3幕からの接続曲」、そして「展覧会の絵」と「火の鳥」のカップリング。いずれも1953年録音。

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2006年11月 1日 (水)

久元祐子&池内紀、対談コンサート

今日は、旅と酒を愛した牧水ゆかりの千本松原近くにある若山牧水記念館主催のコンサート。客席30名あまり、ライトアップされた松林を背景に行われる雰囲気満点のサロンコンサートだ。

今回はモーツァルトの演奏で定評のある久元祐子さんのモーツァルトを中心に、ドイツ文学者池内紀さんとの対談を交えるという豪華なもの。

Pb010626 曲は幻想曲ニ短調K.397、「ロンドンの音楽帳」からト短調 K.15b,「キラキラ星変奏曲」、J.C.バッハのソナタOp.5-3、休憩をはさんで池内先生と久元さんの対談、最後はK.333の変ロ長調のソナタ。アンコールはチャイコフスキーの「秋の歌」と「トルコ行進曲」というもの。

モーツァルト未完の幻想曲を未完の部分と他の人の補筆部分の聴き比べ。晩年の作品にも共通する部分が見出せるモーツァルト8才の時のト短調のピアノ曲。
そして幼いモーツァルトに大きな影響を与えたJ.C.バッハのロココ趣味の溢れるソナタなど、実に考え抜かれたプログラムと久元さんの深い解説。

自分の隣の席に座っていた男性が、突然前に出て対談を始めたのには驚いた。池内紀さんだったのだ。
モーツァルトとゲーテの書簡についての興味深い話。モーツァルトの生きた時代とベートーヴェンの時代では当時のヨーロッパ社会が大きく管理社会に変貌していった時であったこと、そして老後のために堅実に貯金していたハイドンが、極端なインフレのために預金が大きく目減りしてしまったことなど、ユーモアあふれる柔らかで飄々とした池内さんの語り口に時の経つのも忘れる。

Pb010627 Pb010628 一流の音楽と一流の人たちの会話。贅沢で至福のひと時を過ごさせていただいた。
池内さんの著書「みなかみ紀行」(岩波文庫)に、すてきなイラストとサインもいただいてしまった。

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