« 第九、合唱合わせ | トップページ | アルベルトのチャイコフスキー »

2006年11月24日 (金)

金子建志先生と魔笛

午前3時頃に地震があった。震度2程度の小さい地震だが、震源地が近く、起こされてしまった。窓を空けると冷気が部屋に流れ込んでくる。冬の到来を予見させる寒さだ。
昼間は良い天気となり暖かになってきた。

今日は金子建志先生を迎えての講演会。昨日電話である程度の打ち合わせは済ませてあったが、今日の先生の到着が開演一時間前となり、かなり慌しいことになってしまった。

909s 068p 先生の到着後直ちに会場で実際の流れの段取りと使用するソフトのチェックをおこなう。
今回の内容は「魔笛」が主題、こちらが準備したサヴァリッシュ&バイエルンの「魔笛」LDと、先生が持参されたレヴァインのザルツブルクライヴのDVDのチャプターを大急ぎでチェック。

ところが、この忙しい時に先生の大ファンだという男性が先生にサインを求めに来た。
さらに先生相手に、チェリビダッケのブルックナーの話を始めたのに閉口してしまった。
気持ちはわかるが場の空気を読んで欲しいものだ。

講演はさすがに中身の濃いものだった。「魔笛」に出てくるシューベルトの「野ばら」とほぼ同じ旋律の紹介、ベートーヴェンの「第九」への影響。
「夜の女王のアリア」への導入部の1983年のサヴァリッシュ盤と1981年のレヴァイン盤ポネル演出との違い(両方ともグルヴェローヴァが凄い歌唱を聴かせている)などなど。
途中レヴァインのDVDを再生した時に誤ってドイツ語字幕を表示してしまった失敗はあったが、短期間の準備の割にはうまくいったと思う。

P8240527_2 終了後、先生とマーラーの「巨人」談義となった。
9月にこのブログで紹介したI.フィッシャーのLPを持参して見せたところ、先生は、このLPの外盤発売当時に入手されていて、これは通常版に「花の章」を加えただけの演奏であること、さらにジャケットの裏に「花の章」がPresserの出版、他の楽章はユニバーサル版を使用していると書いてあるとの御教示を受けた。
これで疑問が完全に氷解しました。

Presser版による「巨人」を今練習していることも話され(お世話になっている高橋さんが加わっているオケ)、譜面についてのいろいろな苦心談など興味深い話を伺うことができた。
次回はいよいよ「レクイエム」を中心とした講演。これも楽しみだ。

沼響HPが使用しているサーバーがどうやら停止状態のようです。

|

« 第九、合唱合わせ | トップページ | アルベルトのチャイコフスキー »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

 沼響サイトについてご迷惑をおかけしております。週明けには何とかなるのかなと思いますが、予断を許さない状況です。
 新しいアドレスのサイトを用意しておりますので、早いうちに移行できればと思います。そのときにはまたお知らせしますので、よろしくお願いします。

投稿: つ@沼響 | 2006年11月25日 (土) 18時10分

HPの管理ご苦労さまです。忙しい中催促するようで申し訳ないです。
ここ数ヶ月サーバーがかなり不安定のようですね。

投稿: 山本晴望 | 2006年11月25日 (土) 23時28分

ご無沙汰致しております。ブログにまで言及して頂きた大変光栄に存じます。金子先生講演企画が大盛況のうちに終了したようで本当におめでとうございます。並々ならぬ苦労がおありだったと思います。お疲れ様でした。また、第9演奏会も大変な成功だったようで、日記からもその熱気が伝わってきて興奮させられました。第9にひたむきさが必要とのお言葉、誠にご尤もです。きっと当日の演奏会も、そのひたむきさに満ちた素晴らしいものだったのでしょう。

2週間ほど出張に行っていたのですが、帰国早々の先週末、プレッサー版の音詩「巨人」を演奏するオケの合宿に参加して参りました!

新幹線で金子先生と合流したのですが、山本さんのプロデュースされた講演の翌日だったこともあって、当然山本さんの事にもお話が及び、金子先生が「ベーレンライター版の第9をやるのなら、ホルンは大変ですよね」という話をしたら、山本さんがベーレンライター版で既に3回も吹いている、と聞かされて大いに驚いた、やはりアマの方には物凄い方がいらっしゃるものだ、と仰っておられ一同大いに盛り上がりましたよ。金子先生にとっても一連のレクチャーは実り多いものだったようです。

プレッサー版の「巨人」は大変ユニークですね。後版では各パートに振り分けている旋律をずっとヴァイオリンに弾かせ続けていることが多く、ヴァイオリン弾きには結構しんどいですが、それはそれで冥利にも尽きます。また後版よりも大胆なところと、逆に後版の方が効果的に替えられている意外に野暮ったいところが混在していて、金子先生の内容の濃いコメントと相俟って練習はワクワクしっぱなしでした。

投稿: 高橋広 | 2006年12月 8日 (金) 00時05分

高橋広さん、コメントありがとうございます。

沼津の金子先生の最終の講義の翌日に高橋さんは先生に会われたのですね。

実際にお会いして、今さらながら金子先生の音楽に対する情熱と好奇心に圧倒されました。
当日は熱心なファンの方も市外から大勢聞きにきていました。先生とご一緒した三日間は本当に楽しかったです。

プレッサー版の「巨人」も面白そうですね。私も先生の指揮で一度演奏してみたいです。

演奏会のご成功をお祈りしています。

投稿: 山本晴望 | 2006年12月 8日 (金) 23時20分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 金子建志先生と魔笛:

« 第九、合唱合わせ | トップページ | アルベルトのチャイコフスキー »