ドルメッチの平均率
ここのところ北海道、東北方面で地震が多く気になっていたら、千島列島でドカンと大きいのが来た。幸い日本本土から遠かったものの海底であったために津波警報が出ている。
先ほど市の同報無線でも注意を促す放送があった。外は強風が吹いている。
今日は古楽器演奏のパイオニア、アーノルド・ドルメッチの演奏を聴く。アルティスコから出ていたLPで、バッハの平均率曲集数曲と半音階的幻想曲とフーガの入った1枚。ドルメッチは自らが製作したクラヴィコードを弾いている。
ここで聴かれるクラヴィコードの音はリュートやギターのような響きで、今に聴かれるチェンバロの音と比べてもか細く鍵盤楽器の力強さからほど遠い。
ポツリポツリと丁寧に演奏されているドルメッチの演奏からは、それまで誰も手をつけなかった古い楽器を見つけ出しては修復し、手探りで演奏法を探っていった開拓者の孤独がひしひしと迫ってくる。1933年録音、この年代としては驚異的な優秀録音だ。
もう一枚はアマデウス・カルテットのモーツァルトの「狩」、ハイドンの「皇帝」。1982年彼らの2度目の録音だ。
がっしりとした風格に満ちた余裕の名演。特にハイドンが良い。
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