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2006年12月 1日 (金)

金子建志先生とモーツァルト、レクイエム

12月となった。今日は金子先生の講義「映画アマデウス以降のモーツァルト」の最終回。

今回はモーツァルトのレクイエムを取り上げた。
開始一時間半前に先生は到着。3回目でもあり準備は順調に進む。今回は映画アマデウスのDVDに加えて、アーノンクールのレクイエムをパソコンで再生。このCDはモーツァルトの自筆譜が付録で収録されていて、音楽とシンクロして譜面が切り替わるという優れもの。
ただしバイヤー版。

860 講義は絶筆となった「ラクリモーサ」が話の中心となった。最初にアーノンクールの演奏を自筆譜とシンクロさせながらの再生。そして、弟子のアイブラーやジェスマイヤー版の加筆部分について、譜面を取り上げながらの解説。

さらに先生の用意されたさまざまな版による「ラクリモーサ」の部分の聴き比べが続く。
モーツァルト自身が書き込んだ部分のみの演奏から始まり、ジェスマイヤー版、モンダー版、トゥルーズ版など5種類の演奏を取り上げそれそれについて詳しい解説。
しかもジェスマイヤーとアイブラーのクラリネット協奏曲まで取り上げ作風の違いを検証していく。
傍らで先生のアシストをしながらゾクゾクしてきた。

最後にレクイエムが後世に与えた影響としてブルックナーを取り上げる。交響曲第5番と第7番のアダージョで「ラクリモーサ」の音型がそのまま出てくるのには驚いた。使用したのは朝比奈隆の演奏。

終了後の控え室では、明後日沼響が本番を迎える「第九」のベーレンライター版について先生と譜面を見ながらの音楽談義。
楽しいひとときだった。

昨年の海瀬京子さんの日本音楽コンクール1位に続き、今までの音楽に関係する自分の出来事で特に思い出に残る一日だった。もう一度じっくりとお話を伺いたい魅力的な人だった。

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