ギーゼキングのアルハンブラ宮殿ライヴ
暖かな良い天気の休日最終日。受験を控えている娘の勉強を見たりしているうちに一日があっという間に過ぎてしまった。
今日はギーゼキングのドビュッシーを聴いた。1956年6月27日、グラナダ国際音楽舞踏祭でのライヴで、RTVEから出ているCD。会場は有名なアルハンブラ宮殿。演奏模様の写真と小鳥のさえずりらしき音が聞こえることから、宮殿の中庭で演奏されたようだ。ギーゼキングはこの年の10月に交通事故が元で世を去っている。
ベルガマスク組曲から始まり、前奏曲集第二巻の「花火」で終わる、かなりヘビーなオール・ドビュッシープログラム。
ミスタッチが多く、所々テンポが不安定な箇所もあるが、ペダリングよりも鍵盤への微妙なタッチの力加減で絶妙な音色変化を生み出したというギーゼキング独特の音が大きな説得力を持って迫ってくる。ギーゼキングが愛したグロトリアンのピアノも渋い響きだ。
「沈める寺」のクライマックスでの鐘を模した低音の巨大な響きが凄まじく、次第に音量が静まり音が消えていく中で、そのまま次の曲「バラード」が始まるところなど、あまりの素晴らしさに息を呑んでしまう。
続いて聴いたのはドビュッシー自作自演。これは1913年に自動ピアノのために記録されたもので「子供の領分」や「沈める寺」などの12曲。デンオンから出ていたコンドン・コレクションのCD。これは自動ピアノの再現ディスクとしては最高水準の出来。
ドビュッシー自身の絶妙なペダリングが味わえる一品だ。
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