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2007年1月28日 (日)

カペルのラフマニノフ

今日は一日仕事となった。帰宅後夜になっても仕事関係の電話があり、落ち着かぬ一日。

こんな時に聴いたのは、1953年に31歳の若さで飛行機事故のため亡くなってしまったウィリアム・カペルのラフマニノフ。
カペルの活動期間は非常に短かったが、ラフマニノフ、ホロヴィッツと並んでRCAの専属アーティストだったので、まとまった数のスタジオ録音を残している。
LP時代にはカペルのレコードは入手難だったが、最近はライヴを含めて比較的多くのCDが出ている。

P1280762 まず聴いたのはM&Aから出たピアノ協奏曲第2番の1951年ライヴ。伴奏は若き日のバーンスタイン指揮するニューヨークフィル。

冒頭からテンポを揺らしつつ速めのテンポで挑戦状を叩きつけるカペルに当初は戸惑い気味のバーンスタインだが、やがて自分のペースに持ち込むために丁々発止の仕掛け合いが始まる。次第に両者が熱くなって行くのが手に取るように判るスリリングな演奏だ。
第一楽章の最後などソロと伴奏が完全にずれて終わり、第1楽章が終わったところで拍手が湧き上がっている。天才二人の激しいぶつかり合いが火花を散らす期待に違わぬ凄い演奏だった。
聴感上かなり速い演奏のようだったが、演奏時間はスタジオ録音とあまり変わらない。

P1280763 この録音の前年のスタジオ録音も聴いた。RCAから出たセット物の一枚で、伴奏はスタインバーグ指揮のロビンフットデル管(フィラデルフィア管の契約上の変名)。
ライヴと比べると冷静だが、いつも真剣勝負のカペルの音楽は変わらない。強靭なテクニックと爽やかな抒情のバランスがほどよく取れた名演だ。スタインバーグもソロに触発されて熱い伴奏を聴かせる。

カペルの残された演奏を聴くと大変な天才だったことがわかる。

カップリングされている「パガニーニの主題による変奏曲」も凄い。ライナーのバックはスタインバーグ以上の出来。

P1280761 さらにカペルのラフマニノフでピアノ協奏曲第3番。VAIから出ていた1948年のライヴ。こちらはE.マクミランの指揮トロント響の伴奏。ソロの生きの良さに比べて伴奏はだいぶ落ちるがこの名作の録音が残されただけでも感謝。
このCDのジャケ写真はM&A盤と同じものだ。

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コメント

ホロヴィッツがカペルの訃報に接して「これで私が一番だ」と語ったなどというのは、全くのデマです。カペルが死んだのは1953年の秋。同年2月にホロヴィッツは既にステージを引退しており、当時はスタジオレコーディングさえできない状況でした。こんな逸話を紹介した信頼に足る伝記も記事もありません。

投稿: pooh | 2015年3月 8日 (日) 02時13分

pooh様、

あらためて、カペルやホロヴィッツに関する手持ちや図書館にある記事(CD,LPのライナーノート、雑誌記事、ピアニスト関連の書籍、紹介記事など)をいろいろと調べて見ましたが該当する記事を見つけることができませんでしたのでその部分は削除いたしました。

ご指摘ありがとうございました。

投稿: 山本晴望 | 2015年3月 8日 (日) 17時01分

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