ハンニカイネンのシベリウス
今年はシベリウス没後50年、グリーグ没後100年という北欧の著名作曲家の当たり年。
今日は久しぶりにフィンランドの名指揮者ハンニカイネンのシベリウスを聴くことにする。
まずは昨日聴いたドラティのマーキュリー録音の35ミリマグネティックフィルムレコーディング繋がりで、同じ録音方式によるシベリウスのヴァイオリン協奏曲。
ベルリンフィルのコンマスであったスピヴァコフスキーのヴァイオリン。オケはロンドン響の米EVEREST盤LP。
引き締まった音色と厳しさの感じられるソロに幾分荒削りなハンニカイネンの指揮がベストマッチングの名演。カップリングの「タピオラ」も良い。ハンニカイネンには優秀な録音とオケに恵まれたものが意外になく、これは貴重。
さらに交響曲第4番の粗末な穴ジャケットのメロディアのロシア国内仕様盤。オケは国立ソビエト響のモノラルLP。メロディアの国内仕様盤はセンターホールの穴が狭く苦労する。同じ顔ぶれの「レミンカイネン」組曲も同様だ。
ハンニカイネンの演奏は時として粗さの目立つものもあるが、この演奏はロシアのオケを振りながらも野放図な絶叫は皆無。北欧的な抒情性と厳しさの絶妙なバランスで渋くじっくりと聴かせてくれる。LP両面のたっぷりとしたカッティングで盤質の良くないメロディア盤ながら聴きやすい音質だ。
ついでに「フィンランディア」。こちらもメロディア盤で、オケはモスクワ放送響。手持ちはロジェストヴェンスキーの全集録音中の交響曲第7番の余白に入っている。冒頭からブラスの荒々しい咆哮が印象的な怒れる演奏。
最後にEMIへの録音からシンフォニア・オブ・ロンドンを振った「カレリア」組曲でおしまいとする。同じオケによる交響曲2,5番はオケの弱体が気になったが、「カレリア」では鳴らないオケの鄙びた響きが素朴な趣となって良い雰囲気だ。特に「行進曲風に」中間部のオーボエとファゴットの絡みのバランス具合が深い味わいで聴かせる。
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