田中希代子のドビュッシー
今日は田中希代子のドビュッシーを聴いた。
ジュネーヴ、ロン・ティボー、ショパンコンクールなど著名な国際コンクールの入賞歴を持ちながら36歳で膠原病のため引退を余儀なくされた天才ピアニスト。
活動歴が短かったためにスタジオ録音が少なく、LP時代は、教材用に録音された小品が数曲ある程度だった。
今日聴いたのはキングへのスタジオ録音で1961年の収録。1970年発売のLP。
曲は、「子供の領分」「ベルガマスク組曲」「前奏曲集第一巻」から数曲と「前奏曲集第2巻」から「花火」というもの。
自由奔放、触れれば火傷するかのような異常なほどの高揚感が感じられるドビュッシー。
強靭なタッチと予測のつかないテンポの揺れに演奏者の尋常でない集中力を感じさせる全く独特の世界だ。
田中希代子の師であり、同じラザール・レヴィの教えを受けた安川加寿子のドビュッシーも聴いた。
聴いたのは、日本ビクターのLPでドビュッシーピアノ曲全集から「前奏曲集第2巻」。
こちらは粒立ちのはっきりとしたタッチ、ギャラントな雰囲気の漂う正統派のドビュッシーという趣。
田中希代子のドビュッシーも同様だが、この時期の国内録音は残響の少ない硬質な音質がはなはだ感興を削ぐ。
実演で聴いた安川加寿子の音は、もっと柔らかなものだったように記憶している。
沼響のHPの聴き比べコラム「ラフマニノフの2番を聴く」の第42回をアップしました。
今回はピアニストとして名高いプレトニェフの演奏。
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