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2007年2月 2日 (金)

ラインスドルフのプロコフィエフ

寒い朝だ、こんな日に小学校の旗振り当番に当たってしまった。通学路の交差点で通学途中の小・中学生に声を掛けながら旗を振る。傍らの小川には氷が張っていた。
寒さに耐え、信号の横に立つこと45分。通り過ぎる車を観察してみるとなかなか面白い。
髭を剃りながら運転する人、タバコ片手にハンドルを握るOL。雑誌を見ながら走っている人。顔見知りが通る時は軽く会釈。

今日はプロコフィエフ。ラインスドルフの演奏をいくつか聴いてみた。幾分クールなプロコフィエフの音楽をラインスドルフは得意にしていた。ボストン響を降り、全ての交響曲と主要な管弦楽曲、協奏曲の大部分を録音し、他のオケを振った録音もいくつか聴く事ができる。

P2020760 まずシェフィールドのダイレクト・カッティングディスクから、バレー「ロメオとジュリエット」抜粋。オケはロスアンジェルスフィル。
ここでラインスドルフは、独自に12曲を選んでストーリー順に演奏している。最初の「前奏曲」から繊細にして豊麗な音楽が鳴り響く。一発採りのダイレクト・カッティングに演奏者の緊張感がストレートに伝わってくる。アンサンブルも緻密、ラインスドルフの高度な職人技を目の当たりにできる完成度の高い名演。

P2020762 P2020761 続いてRCAへのボストン響との録音。こちらもシェフィールド盤と同じラインスドルフ独自のセレクト盤で17曲。筋肉質の引き締まった隙のない演奏、開放的なミュンシュ時代の音とは異なるボストン響の響きが印象的だ。

そしてさらに遡ってフィルハーモニア管を振った、組曲「キージェ中尉」の米エンジェル盤。カップリングはコダーイの「ハーリ・ヤーノシュ」。ここでラインスドルフはバリトン独唱入りの版を使用、プロコフィエフへのこだわりを見せている。ただ演奏は小さくまとまりすぎでスケールが小さい。リズムも重く楽しめない。

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コメント

このダイレクトカッティングのシェフィールド盤、私も愛蔵しています。
スゴイ音がしますよね。
同じシリーズで、ストラヴィンスキー「火の鳥」もあったと思います。
ラインスドルフはなぜかあまり人気が無いようですが、非常に引締まった演奏を聴かせる、優れた指揮者だと思います。
私の好きな演奏家の一人です。

投稿: conductor_x | 2007年2月 3日 (土) 21時42分

この演奏を初めて聴いたのはFMだったのですが、
今まであまり関心のなかったラインスドルフへの興味を開いてくれた思い出の演奏です。

シェフィールドの「火の鳥」は当時珍しかった1910年版による演奏で、こちらも見事な演奏でした。

投稿: 山本晴望 | 2007年2月 4日 (日) 23時07分

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