ラヴェル、弦楽のための小交響曲
例年この時期我が家の音楽部屋は、凍てつく寒さのためCDプレーヤーの動きは鈍くなりレコードもトレースがおかしくなるのだが、今年はそのようなことがない。今日も4月上旬なみの陽気、部屋の中を越冬した蚊が飛んでいる。このまま春になってしまうのだろうか。
ラヴェルの弦楽四重奏曲を、ロシアの指揮者バルシャイが弦楽合奏用に編曲したCDを聴く。演奏はスコティッシュアンサンブル。編曲はこの団体がバルシャイに委嘱したものだ。
LPプレーヤーで名高いLINNが制作したSACDで、カップリングは同じくバルシャイ編によるショスタコーヴィッチの弦楽四重奏曲第10番からの室内交響曲。
このアンサンブルは写真で見る限りでは若いメンバーばかりで10名編成、女性メンバーが中心のようだ。
ラヴェルの作風そのままに、新たな表現の幅を加えたバルシャイの編曲が素晴らしい。違和感は全く感じられない。緻密アンサンブルとフレッシュな響き、速めのテンポで颯爽と駆け抜けるスコティッシュ・アンサンブルも見事なものだ。
もうひとつR.ゼルキンの弾くR.シュトラウスの難曲「ブルレスケ」。ティンパニの特徴的なソロで始まりティンパニで終わるシュトラウス若書きの曲を、ゼルキンは強固な打鍵とゆるぎのない構成力でがっしりと聴かせる。オーマンディー指揮のフィラデルフィア管によるCBS国内LP盤。
カップリングはメンデルスゾーンとシューマンのマイナーな協奏作品だが、こちらも聴き応えのある名演だ。
最後は、トランペットのアンドレとアランのオルガンによる、テレマンの「10の英雄的行進曲」他のエラート盤。アンドレの名人芸に聴きほれる1枚。
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