シゲティのベートーヴェン
曇り時々晴天、夜になって雨。午後から仕事で修善寺へ向かったが、あまりの暖かさに車中でウトウトとしてしまった。
今日はシゲティのヴァイオリンでベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を聴いた。
シゲティ3度目の録音でドラティ指揮のロンドン響による1961年の録音。手持ちは70年代に日本フォノグラムから出ていたヤマハのF管シングルホルンをあしらった簡素なジャケットのフォンタナの千円盤。
音はかすれ、音程もふらつき気味なのは痛々しいが、技巧の衰えた老シゲティが全身全霊を傾けてベートーヴェンの名曲に挑んでいる壮絶な格闘の記録。
シゲティの気迫に圧倒されたのか、ロンドン響のヴァイオリン奏者たちが弓をべったり押し付けての強烈なフォルティシモが凄まじい。ドラティの彫りの深い壮大なバックも良い。
第一楽章のオケ伴奏を伴う珍しいカデンツァはブゾーニのもの。第二楽章終結部の短いカデンツァは誰のものか判らない。第三楽章はヨアヒム作だ。
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コメント
シゲティのベートーヴェン、何も知識がなくて聴くと「なんて下手糞なんだ」と思うでしょうね。
でも、表現意欲には圧倒されます。これに比べれば多くの演奏は彫琢が浅いです。
ブラームスの4番、ワインガルトナーまで来ましたね。もうすぐ自分の賛嘆する演奏にたどり着くので楽しみです。
投稿: サンセバスチャン | 2007年3月28日 (水) 10時55分
サンセバスチアンさん。
シゲティのこの録音は、シゲティ独特の奏法が技巧の危うさにマスクされている傾向があるので、聴くにはシンドイ演奏ですね。
シゲティの同じ頃の録音でもプロコフィエフのコンチェルトはさほど技巧の衰えは気にならないのが不思議です。
ブラ4聴き比べ、ここのところ滞りがちですが、マイピースで進めていこうと思います。
投稿: 山本晴望 | 2007年3月30日 (金) 23時20分