ジャノーリのショパン
昨日から家族と南伊豆一泊の旅。道路の混雑もなく天城峠も無事通過。例年河津桜の観光客で賑わう河津川のほとりも、今年はすでにほぼ葉桜状態だ。
途中休憩で立ち寄った河津バガテル公園もシーズンオフのため閑散としている。
鈴なりに成っているプラタナスの実を見て、この木がスズカケノキ科の植物であったことを妙に納得。
目的地の弓ヶ浜には15時到着。以前ここに来た時は下の娘がちょうど歩き始めの頃だった。美しい砂浜を韋駄天のごとく走っていた娘も今年は中学生。当時傍らで嬉しそうに孫の走る姿を眺めていた父は既に亡い。
ちょっぴり感傷的になりつつ、すぐ傍の国民休暇村へチェックイン。
温泉にゆっくり漬かり、夜は伊勢海老付きバイキング。
明けて本日は、ゆっくり伊豆西海岸をドライヴし帰宅。忙中閑有り、久しぶりの命の洗濯。
宿で聴くために今回持参したCDは、若き日のミケランジェリが弾く52年、53年のライヴから、スカルラッティの3つのソナタ、モーツァルトの協奏曲第13番、ラヴェルのト長調の協奏曲というもの。モーツァルトはM.ロッシのRAIトリノのオケ、ラヴェルはマルケヴィッチの指揮する聖チェチーリア音楽院管による伴奏のTahraのCD。
録音は並以下、特にモーツァルトは悲惨な状態でミケランジェリ独特の音色はほとんどわからない。だが、ラヴェルで聴かせる一秒間に収まる音の数まで計算され尽くされているかのような、精密無比なトリルはとても人間技とは思えない物凄さだ。
聖チェチーリアのオケの水準は、トランペットやファゴットのソロなどに危うい箇所が散見されるが、マルケヴィッチの引き締まった棒に救われている。
もうひとつコルトーに学んだフランスの女流ピアニスト、レーノ・ジャノーリの弾くショパンの2つの協奏曲。Accoordのコレクションシリーズ中の一枚で、伴奏はセバスチャン指揮によるバーデンバーデンの南西ドイツ放送響。
テンポを大きく揺らし、音楽に深くのめりこんでいく自己陶酔型の演奏。美しい音色は良いが人によって好き嫌いが分かれそうだ。
テクニックはミケランジェリを聴いた後では、大きく聴き劣りがする。
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