ホルヴァートのショスタコーヴィチ
曇りのち雨。夜になって風も出てきた。
今日もポイントクラシックスからM.ホルヴァートを聴いた。ドビュッシーの「イベリア」「海」「牧神の午後への前奏曲」。オケはこちらもオーストリア放送管。
ホルヴァートの解釈には木管の扱いに独特の個性があり、「イベリア」では通常聞こえてこない内声部を強調、さらに微妙にテンポを揺らしながら弦楽器に木管が絡みついている。
「海」は輪郭をはっきり強調したいくぶん線のきつい演奏だ。
もうひとつショスタコーヴィチの演奏も聴いてみる。60年代初期のフィリップスのLPで、交響曲第9番とピアノ協奏曲第一番のカップリング。ピアノはS.ラディチという人が弾いている。オケはザグレブフィル。
いくぶんやっつけ仕事のようなドビュッシーに比べ、こちらは練りに練った名演。交響曲では頓知の効いた遊びも欲しい気もするが、これだけきっちりした演奏もそう多くはない。
ピアニストは初めて聴く名だが、輝かしいテクニックと詩情豊かな歌心を持ち合わせている優れた人だ。ユーゴ崩壊以前のザグレブフィルの水準も高く、第2楽章終盤でピアニシモの中のヴァイオリン群のバランスなど絶妙。
続く第3楽章の煌びやかなピアノとの対比も見事なもの。
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