田中希代子のショパン
暖かで穏やかな一日、早朝裏山でウグイスが鳴いていた。
今日は田中希代子のショパンを聴く。田中希代子のショパンは、キングレコードからショパンコンクールのライヴを含む数曲のCDが出ているが、今日聴いたのは、研秀出版が1965年頃に発売した「世界の名曲シリーズ」というシングル盤2枚組。
全20巻入門者向けのセットものから第14巻。近所のリサイクルショップで1セットあたり100円で購入したもの。
収録曲は「葬送行進曲」「幻想即興曲」「雨だれ」「子犬のワルツ」「軍隊ポロネーズ」「夜想曲変ホ長調」「別れの曲」「マズルカ変ロ長調」の8曲。
粒立ちの整った輝かしい音を響かせながら絶妙のルバートを聴かせる「幻想即興曲」、恐ろしいばかりの迫真力に圧倒される「葬送行進曲」。何かを捜し求めているかのような孤独感に満ちた「雨だれ」「別れの曲」など、いずれも深いドラマに満ちた大変な名演ばかりだ。
残された録音の少ない田中希代子にとって、これだけまとまったショパンの録音は他にない。若林駿介氏の手による録音が、田中希代子の研ぎ澄まされた美しいタッチを見事に捉えている。
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