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2007年4月に作成された記事

2007年4月30日 (月)

ゲールとギーレンのベートーヴェン

本日最低気温は20度を超える夏の陽気となった。今年の春は短かったようだ。素晴らしい青空を窓の外に眺めながら今日一日仕事。

P1010868_2 今日はベートーヴェンの初期の交響曲。ワルター・ゲール指揮のフランクフルト歌劇場管による第一番とミヒャエル・ギーレンとウィーン国立歌劇場管の第二番を聴いた。
世界で最も早い時期にステレオレコードを発売したことで知られる米オーディオ・フィディリティのLPで、おそらく50年代中ごろの録音。

この頃の米マイナーレーベルの常で、ジャケットは簡素なボール紙。センターホールとレーベルも中心からずれていて、プレーヤーの上から眺めると目が回りそうだ。
ジャケットを見ただけでも、B級の匂いプンプン。

ゲールの演奏は大編成オケによる恰幅の良い雄大なもの。これはなかなか良い。
一方のギーレンも切れ味鋭く速いテンポでまとめた好演。後年の過激さは聴かれないが、この当時の演奏としては斬新な表現が随所で聴かれる。
いずれも残響の多い豊かな音だが、ステレオ感を強調しすぎて、いささか人工的。

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2007年4月29日 (日)

カーネギーホールのリヒテル

爽やかな日曜日、今年もツバメがやって来た。昨年巣ごと落下し、卵が全滅してしまった同じ場所に巣作りをしている。だいじょうぶだろうか?

今日はリヒテルの西側デビューとなった1960年カーネギーホール公演の演奏を聴く。この時のライヴは、CBSとRCAから発売され、10月公演のCBSは大部分モノラル。RCAは12月の公演でステレオ録音。

P1010860_2 まずCBS録音を聴いた。手持ちは「カーネーギーホールのリヒテル第9集」。
ショパン、ドビュッシー、ラフマニノフなどのアンコールで弾かれた小品を集めた国内盤LP。録音はモノラル。
異様な熱気に溢れた演奏だが、これは録音が悪い。マイクが観客席に近いようで会場ノイズと楽音がほぼ同レベルの客席採りの海賊盤のような趣。だが聴衆の興奮はダイレクトに伝わってくる。
冒頭で弾かれるスクリャービンのソナタの黒光りするような重い音を聴いているうちに、実演で聴いたリヒテルの音が頭に蘇ってきた。

P1010867 もう一方のRCA録音は数年前にCD化されたハイドンやプロコフィエフのソナタ、ショパンなどの2枚組ステレオ録音。CBS盤と2ヶ月しか違わないのに録音が格段に良い。
CBS盤にも収録されていたドビュッシーの「アナカプリの丘」の繊細なタッチも見事に捉えている。

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2007年4月28日 (土)

ハクビシン侵入す

巷はゴールデンウィークだが本日仕事。出勤間際に娘が玄関先で騒いでいる。何事かと行ってみると、母屋の内玄関の床下の扉が何者かによって空けられていた。

P1010864_3 築八十年を超える我が家の床下には石灰を敷き詰めてあるのだが、なんと玄関内に小動物の足跡が点々と付いているではないか。猫にしては大きい。
どうやらここ数年近所を荒らしているハクビシンが床下に侵入し、夜中に玄関内を歩き回ったらしい。

P1010866_1 不審に思い家の周りを点検してみると、床下を塞いでいた網戸が外れていた。ここから侵入したのだ。明日の日曜は外れた網戸を釘で打ちつけるとしよう。

P1010856_1 沼響のHPの聴き比べコラム「ブラームスの4番を聴く」に、デ・サーバタの演奏の感想をアップしました。連載11回目

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2007年4月27日 (金)

ロストロポーヴィッチのハイドン

明日からゴールデンウィークに突入、とはいえカレンダーとおりには休めそうもない。
本日重要な会議有り、大きな課題がクローズアップされ今年一年はこの問題で振り回されそうだ。

職場の飲み会だった家内を10時過ぎに駅まで迎えに行く。ついでに西友で買い物。
10時半を回っているというのに巨大な駐車場はほぼ満車状態。小さな子供を連れた家族連れが大勢店内を歩き回っている。連休前とはいえ異様な風景のように感じるのは自分だけだろうか。外は少し寒くなった。

巨星ロストロポーヴィッチ逝く。今日は彼のディスクを聴き、偉業を偲ぶことにする。

P1010863_3 まず手に取ったのはパリ管を振った「シェエラザード」。1974年録音のEMIの国内盤LPでシャガールの絵をあしらったジャケットも懐かしい。ロストロポーヴィッチが本格的な指揮活動に入った時期の録音だった。速いテンポで実に良く歌う爽快にして華麗な名演。意外とロシア的な趣は希薄だ。

P1010861_2 続いて翌1975年録音のハイドンのハ長調のコンチェルト。伴奏はアカデミー室内管で、指揮者のクレジットはない。ロストロポーヴィッチ自身の弾き振りだろうか。
ASD規格の英EMI盤。SQ4チャンネルの表示がある。「シェエラザード」もオリジナルは4チャンネル録音だったかもしれない。これは再録音で、カデンツァはブリテンのものを使用。旧録音はブリテンの指揮だった。

P1010862_2 ブリテンとの共演ではシューベルトの「アルペジョーネソナタ」。これも名高い録音。ブリテンの冷静なピアノ伴奏に対してロストロポーヴィッチの奔放なチェロ、意外なほど違和感は感じられない。手持ちはCDもあるが今日はLPを聴こう。
フランク・ブリッジのソナタとのカップリング国内キング盤LP。

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2007年4月26日 (木)

本日悲劇的

久しぶりに良い天気となった。なぜか昨晩良く眠れず、はなはだ集中力を欠く一日。
合宿後の初練習となった今日は、合宿時に自分が仕事で参加できなかった「悲劇的序曲」から練習は開始。指揮は横島先生。

ウォーミングアップなしで慌てて参加したため、音を外しまくりの惨憺たる結果になってしまった。夕食を取らずに練習に参加したので、力が入らぬのも一因か。
全体の雰囲気もブラームスの重厚さが充分に出ていない、なよっとした演奏に聞こえた。この曲には男性的なガッツさが欲しいところだ。

P1010859_1 帰宅後は、ワルター・クラフトの弾くブクステフーデ・オルガン曲全集VOXBOX6枚組から、数曲のプレリュードとフーガを聴いた。
バッハのオルガン曲全集も残しているクラフト最大の遺産。

人を寄せ付けぬ厳しさの漂う孤高の演奏。リューベックの教会にある銘器の渋い音色も実に良い。

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2007年4月25日 (水)

ジュリーニのモーツァルト、レクイエム

このところの不順な天気で、体調いささか不良気味。花粉症未だ収まらず喉もいがらっぽい。風邪をひいたのかもしれぬ。
昨日は帰宅後日本酒を2合ほど飲んだらところで眠くなり、そのまま爆沈。音楽は聴いていない。

P1010857_1 今日はジュリーニ&フィルハーモニア管によるモーツァルトのレクイエムを聴いた。
ジュリーニのモツレクは同じフィルハーモニア管を振った2種の録音があるが、手持ちは1978年のEMIへの旧録音。

重厚壮大、密度の濃い合唱とオケの響きがずしりと重いジュリーニのモーツァルト。だが、あまりにも立派な演奏で、この体調ではちょいとしんどい。

P1010868_1 先週2巻まで聴いていて眠くなってしまったバルトーク夫人、ディター・パーストリの弾くミクロコスモスへの再挑戦。第3巻から聴く。

先週聴いた時にはモノクロームで単調だと感じていた音色は、音楽の性格に応じて実に多彩に七変化。
しみじみと聴かせるエレジー風の曲から躍動感に満ちた舞曲まで、愛する夫がわが子のために作曲したエチュード百数十曲に真摯に向き合った偉大な演奏だった。

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2007年4月23日 (月)

プラネスのドビュッシー

どんより薄曇の一日。久しぶりにアリアCDからCDが届いた。

P1010861_1 P1010862_1 今回は歌物が中心。フルネの60年代のライヴからベルリオーズ「ファウストの劫罰」とグノーの歌劇「ロメオとジュリエット」で、いずれもBellaVoceのCD。

P1010864_2 P1010863_2 モントゥーののライヴからオッフェンバックの「ホフマン物語」。こちらは55年のメトでのライヴANDROMEDA盤2枚組。

チェコフィルとのベートーヴェン交響曲全集が話題となったP.クレツキがコンセルトヘボウ管を振ったベートーヴェンの交響曲第9番、1953年ライヴ。

P1010860_1 そしてフェブリエ門下のA.プラネスのドビュッシーから「ベルガマスク組曲」「子供の領分」
二つの「映像」、「二つのアラベスク」のハルモニアムンディ盤。

今日はこのプラネスのドビュッシーを聴くことにする。

ここでプラネスは1902年製のライプツィヒの名器、ブリュートナーを使用している。
アリコットシステムという独特の4本弦を使用した艶のある響きに、時代の経過による古雅な味わいが加わり、熟成された芳醇な美しい音を聴かせてくれる。
プラネスの控えめにして着実な演奏も好ましい。

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2007年4月22日 (日)

春の合宿、ブラームス交響曲全集全曲完奏マラソン

昨日からオケの春合宿へ参加。土曜日の朝は市議選の期日前投票を済ませ、その後昼まで仕事。職場からそのまま一時間ほど車を飛ばし、合宿参加は4時過ぎとなった。

P1010857 合宿場所はいつもの天城「白雲楼」。

練習場ではブラ4第4楽章の練習が始まっている。合宿は本番メンバーほぼ全員参加、ブラームス独特の重厚な響きが練習場に鳴り響いている。人数も多いと吹いていて気持ちが良い。夕食は天城ならではの「イノシシ鍋」と「鮎」が食卓を飾る。今回はいつもよりも豪華版だ。

ブラ4第1楽章の練習後10時から恒例の宴会が始まる。しばらく気持ちよくビールを飲んでいたが、宴の途中でメンバーが次々と練習場へ消えていく。今回は横島先生の発案でブラームスの交響曲を全曲通すことになっているという。

私を含め古株の中年オヤジたちは、しばらく宴会場でビールを飲んでいたが、そのうちブラ1の重厚な序奏が聞こえてきた。こうなるといつまでもグダグタしてはいられない。残った連中もコップに残ったビールを飲み干し、赤い顔でフラツキながら練習場所へ向かう。

ブラームスの交響曲全曲を一気に演奏するという豪華で楽しい一日。3番は数年前に演奏したが1番と2番はほぼ初見。それでも止まらずに最後まで通ってしまうからたいしたものだ。2番の途中で時計は12時を回った。

P1010858 明けて日曜は朝から激しい雨。前回の合宿も雨。
午前中のブラームスでは、昨日の疲れが残り不覚にもウトウトとしてしまった。午後の「戴冠式」は降り番のため、合宿二日目の定番となったお昼のカレーを平らげ合宿場を後にする。
近くにある梶井基次郎の文学碑を巡りを済ませ、途中「梅月」で柏餅とイチゴ大福を購うのもいつものこととなった。

往復の車中で聴いたのは、ヤフオクで落としたばかりのスタンリー・ブラックの「グランドキャニオン」。
ステレオ初期特有の左右極端に分かれた録音が、狭い車中で面白い効果を上げていた。風呂屋のペンキ絵のような曲だが、このような軽い演奏に徹した方が良い結果となるようだ。

P1010859 もうひとつは1950年代のコンセルトヘボウ管のライヴを集めたアンソロジーから、セルの演奏を聴く。1958年11月のライヴで、ラヴェルの「ラ・ヴァルス」とウォルトンの「パルティータ」。シンフォニックな響きとセルの硬質で引き締まった指揮が素晴らしい。

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2007年4月20日 (金)

フィーラー版のマーラー、交響曲第10番

4月も後半となった。年度替りの気疲れで疲労が蓄積気味。さぁ明日からオケの合宿だ。

ヤフオクで落としたCDが届いた。
P1010880 マーラーの交響曲第10番のフィーラー版第4稿のCDで、ロバート・オルソン指揮のポーランド放送響のNAXOS盤。
これは、未完のマーラーの第10番で最も著名なデリック・クック版よりも早くに着手された版。
フィーラーの本業は公務員で、アマチュアのトランペット吹きだったらしい。部分的に指揮者のオルソンが補筆している。

P1010881 もうひとつ、秋にこの演奏する「グランド・キャニオン」絡みでスタンリー・ブラック指揮のロンドンフェスティバル管によるデッカ版。
実はお目当ては、カップリングされたガーシュインの交響組曲「ポーギとベス」。
これは名高いベネット編ではなく指揮者のロバート・ファーノンによる編曲。

これらの珍しい版が格安に出ていたので落札。

P1010879 沼響のHPのコラムに「ブラームスの4番を聴く」の記事をアップしました。
今回はボストン響の指揮者だったクーゼヴィツキーの演奏。

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2007年4月19日 (木)

フルトヴェングラーのブラ4映像

数日降り続いた雨も止み、久しぶりに良い天気となった。真っ白な富士山の手前の愛鷹山、山頂はうっすらと雪景色。通勤途中の小学校の桜は半分葉桜状態だ。
本日朝から夕方まで会議漬け、いささか疲れて練習に参加。

今日も小ホールで横島先生によるブラームスの第3、4楽章。今週末に合宿を控えているたか、参加者がいつもより少ない。ホルンは3名。
いつものことだが、この時期は中だるみ状態。練習そのものに集中力が欠けている。

この第4楽章の後半を演奏する度に、フルトヴェングラーのリハーサル映像が頭に浮かぶ。

Bza06620img500x5021170330524furtwanglerd P1010872 1948年、ベルリンフィルのロンドン楽旅時におけるエンプレスホールでのリハーサル映像。大戦の敗者側だったベルリンフィルが勝者側のロンドンに乗りこんでの、戦後初の海外演奏旅行。

おそらく当時のニュースフィルムで、第4楽章の後半が演奏されている。
フルトヴェングラーの鬼気迫る指揮と必死に付けている楽員たちの真剣な眼差し。本番さながらの凄絶な演奏だ。

P1010875 20年以上前、東京大丸のフルトヴェングラー生誕百年展会場でこの映像が流れていた。演奏のあまりの凄まじさに、映像の前で呆然と立ち尽くしてしまったことを今でもはっきり覚えている。

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2007年4月18日 (水)

オーマンディーのロシアライヴ

今日も雨、気温もさらに低く、この急激な気候の変化に体調を崩すものも出てきた。

P1010871 今日はオーマンディのロシアでのライヴを聴いた。SCORA CLASSICSから出ているCDで、ベートーヴェンの交響曲第7番とレオノーレの3番の序曲、そしてバッハのアリアとカンタータ156番からアリオーソ、というもの。1958年5月29、30日のライヴ録音。放送録音からのCD化らしくモノラルながら録音は良い。

ベートーヴェンでは、第一楽章冒頭は悠然ゆったりとしたテンポで始まるものの、主部に入ると伸縮自在のテンポ運びに優秀なオケを豊麗に鳴らしてのロマンティックな演奏。
演奏の出来としては「レオノーレ」の方が抵抗なく楽しめる。

P1010866 同曲のスタジオ録音も聴いてみた。コロンビアへの録音で、交響曲第7,8番のカップリングLP。
演奏スタイルはライヴ録音とあまり変わらぬが、音楽の流れが停滞気味で音もだぶつき面白みに欠ける。

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2007年4月17日 (火)

フレモーのイベール

昨日から雨が振ったり止んだりの一日。気温も下がり3月下旬の気温だという。再びストーヴの登場となった。

P1010870 今日はルイ・フレモー&バーミンガム市響によるイベールの管弦楽曲集を聴いた。
EMIから出ていた70年半ばの録音で、「バッカナーレ」「ルイビルコンチェルト」「ボストニアーナ」「海の交響曲」というもの。

冒頭の「バッカナーレ」から強烈なパンチを一発食らったという印象。まさにバッカスの狂乱。フレモーの指揮はオケを豪快に鳴らし、ひた押しに押してくる迫力充分の男の音楽。

P1010869 そして一昨日聴いたブリームの演奏絡みでロドリーゴの「ある貴紳の幻想曲」。デ・ラ・マーサの弾くギターにアルフテル指揮のE.ファリャ管弦楽団によるRCA盤LP。
アランフェス協奏曲の初演者として知られるデ・ラ・マーサのロドリーゴ。

こじんまりと美しく丁寧に歌い上げた演奏だった。オケの鄙びた響きがなんとも良い雰囲気を出している。トランペットの音は完全に田舎のバンドの音だ。
カップリングされた「アランフェス協奏曲」は初演者の貫禄充分。有名な第2楽章では、ギターに付けるコール・アングレソロの危うさが情けなくなるほどだが、まぁこれも味わいと思えばご愛嬌。

P1010868 最後にバルトーク夫人のディッター・パーストリの弾く「ミクロコスモス」全曲から。フンガトロン原盤でキングが擬似ステレオとして出したもの。パーストリの自宅で録音されたものらしい。
段階を追って難易度が高くなるエチュードの「ミクロコスモス」。正直なところ曲集の最初の曲の大部分は単純すぎ、続けて聴くにはかなりの忍耐を要する。
パーストリのモノクロームで独特の重い音色がその印象を助長している。
聴いているうちに激しい睡魔が襲ってきた。

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2007年4月15日 (日)

ブレインのBBC録音

今日は爽やかな良い天気、朝から町内会総出で側溝清掃をおこなう。
今はコンクリートで固められた家の周囲のドブは、自分が子供の頃には小さな小川で常に水が流れ鮒を捕まえたりしたものだ。父が子供の頃はウナギや蜆もいたらしい。
改良工事の後流れが止まり、常に水が停滞する汚いドブとなってしまった。

その後、新学期を迎えた子供達を書店に連れて行き、辞書やら参考書を購入したりしてゆっくりとした休日を過ごす。

P1010864 今日もホルンの音楽。名手デニス・ブレインが参加したアンサンブルの録音を聴く。
BBCの放送音源をCD化したBBC・LEGENDS中の一枚。

デニス・ブレイン木管五重奏団の演奏が中心で、イベールの「三つの小品」、ミヨーの「ルネ王の暖炉」、モーツァルトのK.270のディヴェルティメントのほかハイドンのホルン協奏曲やベートーヴェンのセプテットなどなど。最後にデニス本人の楽器の解説も入っている落穂拾いのようなアルバム。

演奏至難ないかなる曲も簡単な曲に聴こえてくる明朗闊達なデニスのホルン。とても人間技とは思えない素晴らしさだ。

P1010865 もうひとつジュリアン・ブリームの弾く「バロック・ギター名曲集」。ブリームの名声が世界に広がり始めた1965年録音。若き日のRCAへの録音だ。
収められた曲は、サンス、ヴァイス、バッハ、ヴィゼーらのリュートのための作品。

美しい音のひとつひとつに輝きがあり、気品も漂う名演。この種のアルバムはどうしても単調になりがちだが、通して聴いていても全く飽きない。
サンスの曲は後にロドリーゴが「ある貴紳のための幻想曲」のモチーフとした曲だ。

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2007年4月14日 (土)

ホルンとオルガンのための北欧音楽

本日、職場で大トラブル発生、土曜日なのに帰宅は9時過ぎとなってしまった。

P1010863 今年はシベリウス没後50年、グリーグ没後100年の北欧音楽の当たり年。
今日はCLASSICOから出ている、ホルンとオルガンのために書かれた北欧の作曲家たちの作品を集めたCDを聴いた。ホルンはJens Juul、オルガンC.Blomqvist。
ホルンは知らぬ人だが、デンマークのフリーランスの奏者で、太い音色としっかりとした技巧の持ち主の実力者。

20世紀の8人の作曲家の作品を集めているが、お馴染みはアルヴエーンのみ。
いずれも夜想曲、ラルゴといった静かな曲想の作品ばかり。中にはポップ調の曲もありなかなか楽しい。

夜の静けさに自然に溶け合う柔らかなホルンとオルガンの響き。作品も粒そろいだ。
これから末永くお付き合いできる何度も繰り返し聴く愛聴盤になりそうだ。

P1010862 沼響のHPの聴き比べコラム「ブラームスの4番を聴く」に、ベーム&ドレスデンの感想をアップしました。

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2007年4月13日 (金)

ヨッフムとウエルディケのハイドン

午後から雨との天気予報だが迷った末にバイクで職場に向かう。ところが家から出て10分もしないうちに猛烈な雨が降ってきた。
これはたまらずUターン。家に引き返し車に切り替える。おかげで遅刻ぎりぎりで職場に到着。

昨日の大きな会議の終了の余波か、なんとなく気が乗らぬ一日。つまらぬことで職場の女の子に無神経な注意をしてしまった。言ってしまったあと深く反省。今日は定時で帰る事にする。

P1010849 今日はハイドンを聴く事にする。聴いたのはヨッフム指揮のドレスデン国立歌劇場管による交響曲第95番、98番の阿蘭陀フォンタナLP盤。
堂々として自然体、ドレスデンのオケの柔らかな音が美しい。


P1010798_1 もうひとつハイドン。ウエルディケ指揮のウィーンフォルクスオパー管による「戦時のミサ」のヴァンガード盤LP。ソプラノは「オーヴェルニュの歌」で名唱を聞かせたダヴラツが歌っている。他の歌手もデルモータ、ベリーなど50年代ウィーンを代表する歌手たちが歌っている。

こちらも自然体とはいえ、かなりユルイ演奏だ。オケのアンサンブルもノンキなものだ。

一時止んだ雨も深夜になりまた降り始めた。おまけに雷まで盛大に鳴っている。

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2007年4月12日 (木)

本日の練習、ブラ4、1,2楽章

今日は今月最大のイベント、県内この業界のトップを一同に集めての会議。昨年に引き続きの事務局としての仕事だが、想定外のアクシデント続出。職場内の強力を得てなんとか乗り切ることができたが、やはり気になる箇所は自分でちゃんとチェックすべきだったと反省しきり。
かなり疲れ気味だが今日は練習日。先週休んでしまったので今日は出なくてはならない。
合宿の申し込みも今日が締め切りのはずだ。

P1010860 練習会場は市民文化センターの小ホール。横島先生の指揮でブラ4第2楽章が始まっている。この楽章の後半になってようやくブラームスらしい骨格となってきたようだ。
ポスターも出来上がり、そろそろ合宿も近い。いよいよ練習も佳境となってきた。


P1010861 今日は疲れ気味なので、軽い曲を聴くことにする。取り出したのはイギリスの女流、キャサリン・ストットの弾くシャブリエピアノ曲集。Regisから出ているCDで、絵画風の小品、カプリス、即興曲、3つのロマンティックなワルツなど10数曲。

ストットはペルルミュテール、ブーランジェに学び、リーズ国際ピアノコンクールの入賞歴も持つ実力派。近年はヨーヨーマとの伴奏録音で知られる。どうやら今年来日予定もあるようだ。
美しく整った音、エレガントで育ちのよさの感じられる魅力的な演奏だった。サロン風の楽しい曲を集めた選曲も良い。

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2007年4月11日 (水)

クレツキのマーラー「巨人」

ここのところ朝と昼間の寒暖の差が大きい。毎日毎日仕事の雨あられ、バサリバサリと処理したいところだがなかなか一筋縄ではいかないことばかり。

P1010854 HMVからCDが届いた。中身はルーセルの室内楽全集ブリリアント盤CD3枚組とクレツキ&イスラエルフィルによるマーラーの交響曲第1番「巨人」、第9番。
DOREMIから出ている1954年録音のモノラルCD2枚組だ。
ルーセルは2曲のヴァイオリンソナタその他の渋い内容。演奏者は、ヴァイオリンのカントロフ以外は馴染みのない顔ぶれ。

P1010853 クレツキのマーラーは待望の復活だ。そもそも自分が初めて聴いたマーラーの交響曲がクレツキ&ウィーンフィルの「巨人」だった。東芝セラフィムの千円盤で、ウィーンフィルの豊麗なホルンの響きに痺れて毎日飽きもせずに聴いていたものだ。
惜しむらくはフィナーレの終盤で20小節余りの大カットがあり、これは大きなマイナス。この演奏が完全に刷り込みなっていたために、後に他の普通の演奏を聴いた時に仰天したものだ。

Imgasp このイスラエルフィル盤でも、そのカットの有無が最大の関心事だったのだが、残念ながらウィーンフィル盤と同じカットがあった。どうやら第9番の第2楽章にもカットがあるらしい。

この二つの「巨人」を聴き比べてみたが、イスラエルフィル盤が断然良い。
指揮者とオケが楽しみながら嬉々として演奏しているのがよくわかる。音楽の自然な流れが実に心地よい。

ウィーンフィル盤はステレオでもあり、ウィンナホルンの音色は魅力的であるものの、どこかよそよそしさが感じられる。ワルターが去って以来、この頃のウィーンフィルからは、マーラー演奏の伝統は完全に失われてしまっていたようだ。

後にバーンスタインがウィーンフィル客演し初めてマーラーを取り上げた時、マーラーの作品に対するオケのあまりの抵抗の大きさに失望したというエピソードを思い出した。

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2007年4月10日 (火)

マルティノン、シカゴ響とのラヴェル

P1010851 今日はマルティノンのラヴェルを聴く。パリ管との全集ではなくシカゴ響時代の録音で、タワーレコードからの復刻CD。
初CD化の「ボレロ」「パヴァーヌ」に、「スペイン狂詩曲」、「道化師の朝の歌」「マメールロア」組曲、「ダフニスとクロエ」第2組曲というもの。

マルティノンがシカゴ響時代にこれほどまとまった数のラヴェルの録音を残しているとは思わなかった。他に「ラ・ヴァルス」「序奏とアレグロ」の録音もあり、これに「クープランの墓」と「古風なメヌエット」、そして「優雅で感傷的なワルツ」を加えればほぼ全集録音となる。

凝縮された音の塊が速いテンポで突き進む豪快さがパリ管との再録音とは異なった魅力を感じさせる。
中でも要所要所でタメを造りながら一段一段着実に高揚していく「ボレロ」は、名人揃いのシカゴ響パワー全開の豪演だ。

P1010852_1 もうひとつ、シカゴ響時代の名演からマルティノンの師匠ルーセルの「バッカスとアリアーヌ」第2組曲。
70年代に発売されたRCAグランプリ・クラシカルシリーズの廉価盤LPで、「ダフニスとクロエ」とのカップリング。

緻密な音楽運びとシカゴ響の威力に圧倒される、フランス国立放送局管との再録音を上回るド迫力の名演。

P1010850 沼響のHPの聴き比べコラム「ブラームスの4番を聴く」にストコフスキー&フィラデルフィア管の感想をアップしました。

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2007年4月 9日 (月)

E.Daleyのレクイエム(千の風になって)

ここ数日花粉の飛散止まず、就寝中もクシャミで起こされる。マスクが手放せない。

Img 今日聴いたのはNAXOSから出ている「わが祈りを聞きたまえ~讃歌とアンセム集」。
古くはパーセルから現代の作曲家にかけての宗教曲の小品を集めたアルバム。多くはアカペラで歌われ、曲によってはオルガンも加わる。
曲はモーツァルトやメンデルスゾーン、フォーレ、デユリュフレに並び、スタンフォードやフィンジ、エルガーなどのイギリスの作曲家が比較的多い。
演奏はN.Edison指揮によるChoir of St.John's, Eloraというもの。カナダの団体らしい。

残響の多い教会の中に響くノンヴィヴラートの透明な響きに、自然と心が洗われるようだ。
夜中静かにしんみりと聴くのにふさわしい珠玉の名品の数々。

カナダの作曲家E.Daleyのレクイエム(In Remembrance)は、日本でヒットした「千の風になって」と同じ歌詞による作品。エルガーの「ニムロッド」のアカペラ版である「永遠の光」と並んでこのアルバム中で最も感動的な作品だ。

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2007年4月 8日 (日)

カサドシュのシューマン

薄曇の一日、朝、県議会議員選挙の投票を済ませてから職場に向かう。仕事は捗ったが、いささか疲れて9時過ぎに帰宅。

P1010848 今日もシューマンの静かなピアノ曲が聴きたくなった。大好きなイーヴ・ナットにしようかと迷った末に同じディアメール門下のフランスのピアニスト、R.カサドシュの演奏にする。
フランス・ソニークラシカルの2枚組CDで、幻想曲、蝶々、森の情景、謝肉祭、交響的練習曲、ロマンスに加えて、P.ベルナックの歌う「詩人の恋」というもの。この中から「森の情景」と「詩人の恋」を聴いた。

端正にして古典的な均衡が感じられるシューマン、それでいて音色の変化も多彩。
「森の情景」では、情に流されることなく明晰な音楽が自然に流れていく。
一転して「詩人の恋」では、冒頭から詩情豊かなロマンティックな表現に満ちている。
名バリトン、ベルナックのシューマンは固く枯れ気味の歌唱。多少抵抗を感じるが、カサドシュの艶の有る音色に救われる思い。

P1010847 続いて聴いたのはイーヴ・ナット。こちらはシューマンではなく、ショパンの「舟歌」。
ディスコフィル・フランセ原盤のLPで、ピアノソナタ第2番、幻想曲とのカップリング。透明にして繊細なショパン、格調の高さの中に強固な意思の力も感じさせる名演だ。

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2007年4月 7日 (土)

グローヴスのエニグマ変奏曲

晴れのち曇り、夕方から雨。まだ寒さが残りストーヴを片付けることができない。
今日は貴重な休日。子供達の進学に合わせて、家の中の大幅な模様変えを行ったので、ここのところ休日は家の片付けに追われている。

物置にある古い時代のものを少しづつ整理しているが、古くから伝わる古民具や茶器は趣もあり、中にはご先祖の名前が書いたりしてあって、処分することもできず難しいところだ。車長持の隅に寛永通宝の銅銭がへばりついているのを発見して仰天してしまった。

P1010834 今日はサー・チャールズ・グローヴスの指揮でエルガーの「エニグマ変奏曲」を聴いた。
EMI音源でDISKYがCD復刻してもので、オケはロイヤル・リヴァプールフィル。
カップリングは「青少年のための管弦楽入門」と、トゥルトウリエのチェロとボールトの指揮によるエルガーのチェロ協奏曲。

「エニグマ」には数多くの名盤があるが、このグローヴスも滋味溢れるしみじみとした名演。
飄々とした音楽の運びの中に、大人の風格と作曲家への深い敬愛が感じられる演奏だ。

P1010846 もうひとつ、マレイ・ペライアの弾くシューマンも聴いた。「ダヴィッド同盟舞曲集」「幻想小曲集」で1972年録音のCBS盤LP。
いささか平板さと弱さが感じられるが、デリケートなタッチと美しい音色が良い。

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2007年4月 6日 (金)

Vディスクのオスカー・レヴァント

再び暖かになってきた。本日はバイクで通勤することにする。花粉が盛大に飛んでいて、職場に到着する頃は目がショボショボになってしまった。昨日一日空けたこともあり、机の上は書類が山積み状態。結局帰宅は10時近くとなってしまった。

P1010841 今日は1940年代に米軍兵士慰問用に録音されたVディスクのための録音を聴いた。CETRAが復刻したLPで、クライスラー、ルービンシュタイン、ハイフェッツ、ユージン・リスト、オスカー・レヴァントら当時の人気器楽奏者の名がズラリと並ぶ。オケ演奏はロジンスキー指揮ニューヨークフィルが中心。

もともと戦場に落下傘で投下しても割れない塩化ビニライト製30センチSPのVディスクのための録音なので、片面5分に収まるような小品が中心。
ロジンスキーの序曲「1812年」やリストの弾くチャイコフスキーとグリーグのピアノ協奏曲は、要領よく10分ほどにアレンジしてある。

ここに収められた演奏は、戦時下ということもあってハイテンションの秀演ばかり。ルービンシュタインの弾く「火祭りの踊り」などは、彼の複数ある録音のうち最も輝かしい演奏だ。独自に手を加えた終結部の迫力も凄まじい。

この中で最も印象に残ったのは、オスカー・レヴァントの弾くガーシュインのへ長のピアノ協奏曲から1,3楽章。伴奏は「ラプソディー・イン・ブルー」の初演者ポール・ホワイトマン指揮する彼のオーケストラというもの。
オケとピアノ一体になった異様なほどの高揚感に満ちた白熱の演奏。多少カットがあるとはいえあまり気にならない。

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2007年4月 5日 (木)

團伊玖磨の「祝典行進曲」

ここ数日気温の変化が激しい。月曜に気温が30度を超えたものの翌日には急降下、昨日は東京に雪が降った。火曜から水曜日にかけてのココログのメンテで更新途絶。

昨日は職場の歓送迎会。ホテルでの一次会のあとの2次会は6人ほどでいつもの芸術バー「DEN」。
土曜の晩にはジャズの生ライヴも入り、大勢の客で賑わうこのお店も水曜とあって閑散としていた。時にはドラムも叩くマスターの姿が今日は見えない。どうやら体調を崩しているらしく心配だ。話し込んでいるうちに0時を回り、上質のそば粉で作ったニ八蕎麦を手繰って締めとする。

明けて今日は二人の娘の高校と中学の入学式。当初自分は高校、中学は家内と役割を決めておいたのだが、家内が仕事の都合でどうしても抜けられず同行不可能となってしまった。困った。
スケジュールを確認したところ、高校の入学式の終了後急いで車を飛ばせば中学の入学式の受付になんとか間に合いそうだ。ただ、もしもの時に備えておばぁちゃんにスタンバイをお願いしておく。

高校の入学式、自分の時のことは全く記憶から飛んでしまっている。吹奏楽部の伴奏で、国歌、校歌斉唱。国歌はともかく、校歌は入学生も保護者も知る人がほとんどいないので伴奏のみが空しく講堂に響いている。長々とした来賓の挨拶に寝不足気味の瞼は自然と重くなる。
そして團伊玖磨の古い方の「祝典行進曲」が演奏された。生徒さん達には悪いが、もう少し練習して欲しい。と思う出来だ。

式典は予定通り終わったものの、その後が長かった。進路説明、後援会の説明などなど。
はじめの予定表に何も書いていなかったことが次々と出てくる。これではとても中学の入学式には間に合わない。やむなく途中で抜け出し家に連絡。おばぁちゃんに行ってもらう事になった。

今日は、團伊玖磨の「祝典行進曲」を聴いた。作曲されて40年以上経つのに未だに演奏されている名曲だ。ロスアンゼルスオリンピックの時も日本選手団入場の際に演奏されていた。

P1010840 邦人団体のいくつかの演奏があるが、今日聴いたのはラインスコーテン指揮のオランダ王立軍楽隊によるフィリップスのLP。各楽器がまろやかに美しく溶け合った響きにコンセルトヘボウ管の音が思い浮かぶ。
気品に満ち、堂々とした名演だ。

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2007年4月 2日 (月)

シゲティ&トゥクセンのベートーヴェン

ここ数日、降り注ぐ黄砂の量が半端でない。天気の良い日に良く見える富士山が全く見えない。口の中に砂が侵入しているような違和感が感じられるのは気のせいだろうか。

今日から新たな年度のスタートだ。午後から自分の部署に新配属となったニューフェイスの引き取りに赴く。全国有数の進学校から国立大卒の才媛。
オリエンテーションが終わった直後の新社会人の初々しい顔ぶれ、元Jリーグの選手をはじめ、今年も多彩な人材が揃ったようだ。

夜は小学校PTA最後の役員会。18年度の事業・会計報告の確認と新役員への最終引継ぎをおこなう。長かった3年間。やっと開放された気分だ。
引き続き中学校の役員の要請は来ているが、今年は業務多忙につきご勘弁願おう。

P1010838 帰宅が遅かったので、今日は1曲のみ。聴いたのは先日感銘を受けたシゲティのベートーヴェン。E.トゥクセン指揮するデンマーク放送響による1956年10月4日のライヴ。
Disques Refrainから出ていたCDで、かつて銀座ハンターで新品未開封のものを購入したまま10年以上未聴だったもの。

モノラルライヴとはいえ音はさほど悪くない。1956年と言えば後のステレオ録音とワルターとの2度目の録音の中間点に属する録音。

演奏の精度よりも、凝縮された求心的な音で聴き手を感動させる芸風はそのままだが、ここで興味深いのは第一楽章のカデンツァ。
ヨアヒムやステレオ録音で聴かれたブゾーニのものとも異なる独自の長大なものを採用している。時間がある時に、手持ちの他の演奏と比べてみようと思う。

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2007年4月 1日 (日)

ボールトのサマーセットラプソディ

今日から4月となった。本日ゆっくりと休養、読んでしまった本と雑誌、そしてもう聴かないであろうエアチェックテープを仕分けして処分する。
夕方、カセットテープと不要なDVDのプラケースをゴミ袋に詰め、ゴミ集積所に向かう。裏山で梟がホウホウと鳴いていた。

P1010833 今日はイギリス音楽を中心に聴いた。まず来日公演を聴いたこともあるイギリスの軍楽隊、コールドストリームガーズによる80年代の録音から、吹奏楽の定番であるヴォーン・ウィリアムスの「イギリス民謡組曲」と、ホルストの「ミリタリーバンドのための組曲第1番、第2番」。

ハイテンポの行進曲調の演奏に、ヴォーン・ウィリアムスではいくぶん固さが感じられるが、ホルストではブラスの溶け合った響きに手慣れたうまさが感じられる。通常版とは異なる版を使用しているようで、「シャコンヌ」ではシンバルが2度鳴っている。

P1010835 「イギリス民謡組曲」と同じ素材を使ったホルストの「サマーセットラプソディ」も聴いてみる。
演奏はホルストと直接親交のあったサー・エードリアン・ボールト。ロンドンフィルを振ったLyrita盤CDで、「ハンマースミス」「日本組曲」「ベニモラ」などのカップリング。

牧歌的な穏やかさの中に自然への讃歌を織り込んだ佳品。ボールトの演奏は壮大なスケールに満ちた風格溢れるもの。後半の息詰まるクライマックスは感動的だ。

P1010826 沼響のHPの聴き比べコラム「ブラームスの4番を聴く」をアップしました。今回はメンゲルベルクの演奏。

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