カサドシュのシューマン
薄曇の一日、朝、県議会議員選挙の投票を済ませてから職場に向かう。仕事は捗ったが、いささか疲れて9時過ぎに帰宅。
今日もシューマンの静かなピアノ曲が聴きたくなった。大好きなイーヴ・ナットにしようかと迷った末に同じディアメール門下のフランスのピアニスト、R.カサドシュの演奏にする。
フランス・ソニークラシカルの2枚組CDで、幻想曲、蝶々、森の情景、謝肉祭、交響的練習曲、ロマンスに加えて、P.ベルナックの歌う「詩人の恋」というもの。この中から「森の情景」と「詩人の恋」を聴いた。
端正にして古典的な均衡が感じられるシューマン、それでいて音色の変化も多彩。
「森の情景」では、情に流されることなく明晰な音楽が自然に流れていく。
一転して「詩人の恋」では、冒頭から詩情豊かなロマンティックな表現に満ちている。
名バリトン、ベルナックのシューマンは固く枯れ気味の歌唱。多少抵抗を感じるが、カサドシュの艶の有る音色に救われる思い。
続いて聴いたのはイーヴ・ナット。こちらはシューマンではなく、ショパンの「舟歌」。
ディスコフィル・フランセ原盤のLPで、ピアノソナタ第2番、幻想曲とのカップリング。透明にして繊細なショパン、格調の高さの中に強固な意思の力も感じさせる名演だ。
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