昨日からの貴重な連休は家族と東京。お目当ては、昨年のモーツァルトイヤーには70万人動員したという「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」(熱狂の日)音楽祭。この二日の東京は真夏並みの暑さとなった。
お昼過ぎに東京駅に到着。さっそく新丸ビルに向かうが、たいへんな人の波で、エレベーター前には東京ディズニーランドなみの長蛇の列。あきらめの良い私たちはさっそく行き先を丸ビルに変更。
だがここも大混雑、なんとかエレベーターに滑り込み、35階でおこなわれている久元祐子さんのサロンコンサートを聴く。曲目は「展覧会の絵」全曲。
骨太で重量感のある豪快な演奏だ。壮大な「キエフの大門」ではブラヴォーの声が自然に湧き上がる。機会を見てご挨拶を、とも思ったが物凄い人でそれどころではなかった。
続いてメイン会場である東京国際フォーラムへ。広場のキオスクの中でTAMAブラスアンサンブルが、またまた「展覧会の絵」を演奏している。
今年のテーマは「民族のハーモニー」ということで、ロシア、東欧、フランスの作曲家が中心に取り上げられているらしい。
とにかく、あちらこちらで演奏会が開かれていて、サービスプログラムは購入したチケットを見せれば全て無料。展示ホールで、「売られた花嫁」序曲や「スラヴ舞曲」のオケ演奏を聴いたり、「のだめカンタービレ」の「着ぐるみ」と記念写真を撮ったりとなかなか忙しい。
夕食は屋台のケバブ を食し、休憩も兼ねて音楽映画「ネオ・ファンタジア」を見たが。これが大失敗。作品の質はともかく、音が割れ耳を聾する大音響。出るに出られず苦行の90分となってしまった。
そして本日のメインデッィッシュのフランス女流、アンヌ・ケフェレックのピアノリサイタル。当初アラン・プラネスが弾く予定だったのが、ケフェレックに変更になってしまった。
プラネスは是非聴きたかったのだが、ケフェレックも好きなピアニストなのでよしとしよう。
それにしても、夜10時開演のコンサート。しかも「ネオ・ファンタジア」の余波で耳は疲労気味。娘達の目も完全に虚ろとなっている。
曲目はケフェレック得意のオールフランスプロ。ドビュッシーの「水の反映」から始まり、「沈める寺」や「イマージュ」などの名曲の数々11曲をインターバルも入れずに淡々と弾いていくが、どうも集中して聴くことができない。
サティの「ジムノペディ」が始まったところでようやくリラックス。なんと心地よい音楽だろう。
ケフェレックはテンポを揺らし表情豊かに弾いていく。続いて「ピカデリー」「グノシエンヌ」。最後はラヴェルの大作「鏡」から3曲。繊細で趣味の良いフランスのエスプリ漂う演奏が続く。アンコールはヘンデル(ケンプ編)の「メヌエット」を静かに心をこめて弾いてくれた。
終演は11時。そのまま東京に宿を取ったが、さすがに今日は音楽を聴く気になれず、江戸東京博物館へ行き「ロシア皇帝の至宝」展を見ることにした。
両国は「春の両国祭り」とかで、フリーマーケットやら踊りとやらで、ここもかなり賑やかだ。
展示では、贅を尽くしたイコンや杯の数々に圧倒されたものの、ロシア皇帝の血塗られた歴史を思えば複雑な気分。
常設展示部門の江戸時代から昭和30年代までの、簡素でいて庶民的な温もりのある品々の方がよほど好ましい。
最近のコメント