リヒター・ハーザーのブラームス
ここのところ高校の娘を朝6時に駅まで送る日が続いている。文化祭の朝練習のためだという。お蔭で寝不足の毎日だ。
もう少し早く就寝すれば良いのだが、長年の習慣でどうしても0時前に寝る事ができない。
昨日聴いたピアニストのリヒター・ハーザーが気になってきた。手持ちのディスクは、東芝のセラフィムの廉価盤で出ていたものばかりでベートーヴェンの3,4番の協奏曲と「テンペスト」と「ハンマークラヴィーア」、ブラームスの2番の協奏曲、モーツァルトの「戴冠式」ぐらいだろうか。
まず、次の定演の演目である「戴冠式」を聴いてみた。伴奏はケルテス指揮のフィルハーモニア管。カップリングはアニー・フィッシャーの弾く20番のコンチェルト。
かつて聴いた時は爽やかなケルテスの指揮に比べて、なんとも朴訥なモーツァルトといった印象しかなかった。
ところが改めて聴き直してみると、がっしりとした安定感の中に聴き手を大きく包み込む懐の深い演奏であることに気がついた。それでいて華やかさにも不足していない。
続いてブラームスも聴いてみる。伴奏はカラヤン指揮のベルリンフィルによる1958年12月の録音。
この時期のカラヤンの協奏曲録音に選ばれたソリストは、カラヤンの音楽性に同化させられてしまう傾向が多いのだが、ここでのリヒター・ハーザーはカラヤンと同化するどころか、完全に圧倒している。黒光りする重厚な音色、壮大にしてファンタジー溢れる名演。
リヒター・ハーザーは1980年、ブラームスの協奏曲の演奏中に舞台上で倒れ、急逝した。
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