リンガイセンのプーランク
終日、雨模様の一日。貴重な休日をノンビリ過ごしたいところだが、夜に年一回のお寺の檀家役員会を控えて、精神的に落ち着かぬ一日。
役員会は老舗の割烹で、平成18年度のお寺の決算報告やら寄付金のお願いやらエトセトラ。自分が最年少なうえに他の人は地元で知られた名士ばかり。先祖代々お寺の役員というシガラミがあるとはいえ、居心地の悪いことこの上なし。議事の後の宴会は、コンパニオンと一緒にお偉方のお酌に専念。
いささか気疲れして帰宅後聴いたのは、お洒落で小粋なプーランクのピアノ曲。
フランスのピアニスト、ベルナール・リンガイセンの弾くプーランクピアノ曲全集からパストラール、ノクターン、フランス組曲などの一枚。フランスのAdesから出ていた3枚組LP。
リンガイセンは、1955年第3回ショパンコンクール第4位。4位とはいえ、この年のショパンコンクールは、地元ポーランドのハラシェビッチがアシュケナージを押さえて一位となった問題の年として有名だが、実は地元の聴衆の間ではこのリンガイセンが最も人気があったとのこと。ちなみに第3位はフー・ツォン、第10位に田中希代子が入っている超ハイレベルな年だった。
リンガイセンのピアノは、変な表現だが音色に無駄を感じさせない生真面目なもの。テクニックは申し分ないが、プーランクではもう少し洒落た風情が必要だと思う。
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