大型台風の接近する中、本日沼響友の会会員のためのサロンコンサート。これは3年前に発足した沼響を応援して下さる友の会の方たちへの日頃の御礼のために計画したコンサートなのだが、またもや朝から強い雨になってしまった。
場所は千本海岸近くの「千本プラザ」音楽ホール(席数230席)。
早めに会場に着いたのだが駐車場は既に満車、近くの千本海岸の堤防下に車を止めたが、松林を抜け会場へ歩くうちにズボンがビチョビチョになってしまった。
館内で顔なじみの館長さんに御挨拶したところ、今日は連休初日ということで会議室やホールは全て一杯とのこと。さらに音楽ホール隣の多目的ホールでは、親子連れを集めてのオカリナ教室が始まりピーピーと賑やかな音が鳴っている。音楽ホールに音が漏れないのだろうか。
さらにここは多世代交流施設ということで大浴場もあり、ホール2階の畳の大広間では、アルコールが入った人たちのカラオケ大会が始まっていて騒々しいことこのうえなし。
今回自分は出番も役割もないので聴衆として参加。見るとこんな天気にもかかわらず半分以上は席が埋まっている。ありがたいことだ。
前半はオケのメンバーによるアンサンブルで、金管セクションによるハワースのファンファーレ。木管によるモーツァルトのセレナード第11番、そして弦楽セクションによるグリーグの「ホルベルク時代から」が続く。
聴いているうちにホルベルクは実演では初めてだということに気がついた。バッハやラモーらの古典的な舞曲を集めた、組曲の形式のアルカイックな雰囲気と民族的な気分が漂う素敵な曲だ。終曲のリゴードンなどノルウェーの民族舞曲そのもの。
後半は、沼津在住で札幌交響楽団のヴァイオリン奏者だった鍋倉郁子さんによるヴァイオリンリサイタル。自分の札幌在住時代とは時期が微妙にズレているので、鍋倉さん在団時の札響は聴いていない。
曲は「望郷のバラード(ポルムベスク)」から始まり、シャンソン「ばら色の人生」、ピアソラから「忘却」「鮫」、「タイスの瞑想曲」、「ショパンのノクターン」からクライスラー。そしてフランクのヴァイオリンソナタから第4楽章、最後に「ツィゴィネルワイゼン」という極めて多彩なプログラム。合間に鍋倉さんによる曲目紹介によるトークも入り、ピアノ伴奏は沼響定期の共演経験のある石川晴恵さん。
前半の沼響の演奏と比べるのも野暮な話だが、やはりプロの演奏だ。演奏技術の差というよりもお客さんを楽しませ、幸福な気分にしてくれるツボを充分に心得ている。
お客さん達にこんな天気でも来て良かったと思わせてくれる選曲であり、演奏であったと思う。アンコールのエルガーの「朝の曲」も良かった。鍋倉さん、ありがとうございました。
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