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2007年7月に作成された記事

2007年7月31日 (火)

冨田勲の音楽

多忙だった7月も今日で終わる。本日は休日出勤の振り替え休みのはずだが、とても休めない。

Bvcf1525 今日聴いたのは「冨田勲の音楽」。「新日本紀行」から始まり、「ジャングル大帝」そして大河ドラマ「天と地と」「勝海舟」などの懐かしいテーマ音楽の数々が続く。演奏は大友直人指揮の東京交響楽団その他。
古いものは楽譜が散逸してしまい、この録音に際して新たに採譜し直したとのこと。
確かに「天と地と」の音楽などは、当時のものとオーケストレーションが微妙に異なるようだ。

2分前後の限られた時間の中に、ドラマの特徴を見事に凝縮した音楽。とりわけ「新日本紀行」や「ジャングル大帝」の音楽が感銘深い。

P1010146 沼響HPの聴き比べコラム「ブラームスの4番を聴く」に、フルトヴェングラーのヴィスバーデンコンサートの感想をアップしました。
連載25回目

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2007年7月30日 (月)

ヒンデミットのアルトホルンソナタ

昨晩から断続的に降っていた雨は午前から激しくなり大雨、洪水警報発令。夜も雷を伴いながらの雨模様。

今日はヒンデミットのアルトホルンソナタを聴いた。さまざまな楽器のためのソナタを書いたヒンデミットは、マイナーなアルトホルンのためにも曲を書いている。
アルトホルンは自分が始めて手にした金管楽器で、当時の吹奏楽界ではフレンチホルンの代用品のような扱いだった。

P1010143 このソナタは、ホルンやアルトサックスでも演奏可ということになっている。
今日聴いたのはアルトサックスによる演奏で、フランスのサックス奏者ロンデックスが手を加えたロシアのレオ・ミハイロフが吹くメロディア原盤による日本ビクター盤LP。
第3楽章の後に、オリジナル通りに「郵便ホルン」の詩の朗読を入れているのが非常に珍しい。朗読は、ミハイロフとピアニストによるロシア語訳によるもの。

P1010144 もうひとつ、アルトホルンによる演奏も聴いた。
カナダ、KLEOSのCDで、ホルン、トランペット、チューバ、トロンボーン、アルト・ホルンのための5つのソナタが入っているヒンデミットの「金管とピアノのためのソナタ集」というアルバム。
演奏はメトロポリタン・オペラやエンパイア・ブラスクインテットのメンバー達で非常にうまい。

アルトホルンソナタはメトの女流ホルン奏者、ミッシェル・ベイカーが吹いている。ピアノはデイヴィッド・コレヴァー。ボールドウィンのピアノを使用。朗読抜きの演奏だが、オリジナル通りにアルトホルンで吹いているのが嬉しい。
フレンチホルンのようでいて、微妙に乾いた薄い響きのアルトホルン独特の音色が楽しめる一枚。

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2007年7月29日 (日)

オーマンディーの「展覧会の絵」第2回録音

本日朝、参議院選挙の投票を済ませ職場に向かう。期日の迫った仕事を片付け、6時前には家に帰り着いたが、夕食の最中に気になることがあり再び職場へ。

今日は沼津夏祭り二日目、ジンクスは破れず花火開始直前から大粒の雨が降り始めた。
雨の中、とにかくノルマを果たそうとインターバルを置かずバリバリと職場の近くで打ち上げている花火を耳にしつつ自分はオフィスで黙々と仕事。窓の外を見ると、浴衣を着た数人の女の子たちが雨に濡れ、下駄を鳴らしながら小走りに通り過ぎてゆく。
こんなことをしているうちに結局帰りは10時近くとなってしまった。

P1010135 今日聴いたのはオーマンディ得意の「展覧会の絵」1953年録音のコロンビアモノラルLP。ラヴェル編としてはこのコンビの初録音。1935年の第一回録音時はラヴェル編の演奏権がクーゼヴィツキーが持っていたため、カイエの編曲で録音をおこなっている。

後の録音のような華麗さは薄いが、オーボエのタビュトー、フルートのキンケイド、ストコフスキー時代からの名人たちのエレガントな音色が実に魅力的だ。

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2007年7月28日 (土)

フェレンチクの青ひげ公

猛暑続く。今日明日は沼津夏祭り。毎年この夏祭りの一日はよく雨が降るのだが、今年は良い天気に恵まれそうだ。
貴重な休日の午前中、上の娘の所属する高校吹奏楽部のホール練習を見学。

会場に着くと顧問の棒で課題曲の練習が始まっていた。オーボ、ファゴット各2本にコントラバスクラリネットも加わったなかなか充実した編成。演奏も4月に聴いた時よりも良い。客席の真中にいる外部の音楽講師らしき人物がマイク片手に細かな指示を盛んに出していた。

実際に本番を振るのは指揮台に立っている初老の顧問なのだが一言もしゃべらない。講師が意見も求めてもはっきりせず苦笑いするのみ。どう見てもやる気が見られない。
後で聞いたところ、今日指導していた講師は見るに見かねてボランティアで駆けつけたOBとのこと。毎日真剣に練習している子供達が気の毒になってきた。

P1010137 今日はバルトークの歌劇「青ひげ公の城」を聴く。バリトンのジョルジ・メリシュ、ソプラノの、カタリン・カサにハンガリー放送合唱団、ブダペスト・フィル。指揮は名匠フェレンチクといったオール・ハンガリーキャストのフンガトロンのLP。
フェレンチクの確信に満ちた指揮と太い声の充実した歌手二人。残響豊かな奥行きのある録音が効果音とため息もリアルに捉えた雰囲気満点の名演。

フェレンチクは、ハンガリー国立響との来日時にリハーサルを含めた実演を聴くことができた。オケのメロウな響きと、衒いのない渋い音楽造りが非常に印象に残っている。リハーサルも軽く通すだけの手際の良いものだった。        

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2007年7月27日 (金)

コロンヌ管・ヒストリカルレコーディングス

本日は今年一番の暑さ。中学・高校の二人の娘は吹奏楽コンクールの練習に余念がない。上の娘は朝6時にホルンを担いで早朝練習のため学校へ。

今日は中学校大編成の部県東部予選があり、パーカッションとピアノを担当する下の娘も悲愴な面持ちで朝早くに家を出て行った。
出演順がプログラム1番というクジ運の悪さもさることながら、コンクール出場を直前に控えた昨日、顧問が突然倒れ緊急入院という異常事態発生。急遽音楽講師を雇いぶっつけ本番という状況下では無理もない。

本来なら聴きに行きたいところだが、今日はどうしても抜けられない会議があり、行く事ができない。結果は銀賞で県大会出場は果たせなかった。

P1010135 今日はパリの私設オケの雄、コロンヌ管全盛期の録音を集めたCDを聴いた。1908年のコロンヌ自身の振る録音からP.デルヴォーの振るラヴェルの「スペイン狂詩曲」1960年録音までのスイスCASCAVELLEのCD2枚組。
登場する指揮者は他にピエルネ、パレー、フルネといったの錚々たる面々。
作曲者の生きた古き良き時代の洒落たフランスの音を伝える貴重な録音の数々。ピエルネの「牧神の午後への前奏曲」のトロリとした音色は、この時代でしか聴けない独特のものだ。当時のメンバー表にはコロンヌ管のトロンボーン奏者だったデルヴォーの父の名も見える。

P1010136P1010137 ベルリオーズの指揮で演奏したというコロンヌ自身の録音はさすがに蚊の鳴くような音だが、ターラから出ているパテ・コンプリートレコ-ディングスよりは聴きやすい。
パレーの「ラ・ペリ」とサンサーンスのピアノ協奏曲第2番(ダルレのピアノ)は、ダンテからもCDが出ている。

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2007年7月26日 (木)

本日の練習、中西先生初顔合わせ

忙しかった7月も後半戦に突入。いよいよ本格的な夏だが、今年もまとまった夏休みは取れそうもなさそうだ。

今日のオケの練習は裾野のファミリーコンサートを振ってくださる中西義忠先生との初顔合わせ。ちょいと遅れて練習会場に到着すると、扉の中から「カルメン」前奏曲の威勢の良い響きが聞こえて来た。
軽くウォーミングアップの後「トトロ」から合奏に参加する。皆始めての指揮者で興味津々。まだ芸大の学生さんのようだが安心感のもてる棒だ。指示もわかりやすい。

声楽を専門に学んだ方なのだろうか、横に流れるどこかで見たような振り方だと思いながら吹いているうちに、アバドの指揮に非常に似ていることに気がついた。
練習後半からお互いに緊張がほぐれてきたようだ。最後に再び合わせた「カルメン」は躍動感溢れるフレッシュな指揮に吹いていて気持ちの良い出来。

Ctcc96 今回のファミリーコンサートは、1996年に「ピーターと狼」のナレーターをお願いした細川ふみえちゃんとの10年ぶりの共演。今回は「トトロ」のナレーションをお願いしている。
前回の共演の時には素直でキュートな好印象だった。

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2007年7月25日 (水)

伝シベリウスのアンダンテフェスティーボ

本日、高校野球の応援に行く娘を車で送るために早朝4時起き。なんと5時学校集合だと言う。この時間ではさすがに暗いがもう蝉が盛大に鳴いている。
そういえば今日は職場の健康診断の日だった。検診を終え、オフィスへ向かうとトラブルの嵐で結局夜遅くまで残業。

昔エアチェックしていた音楽ビデオのDVD化をコツコツと進めている。今日視聴したのは、「読響オーケストラハウス」から田中良和指揮によるシベリウスのアンダンテ・フェスティーボ。5分あまりの短い中に、美しい抒情と深い祈りに満ちた傑作だ。
画面で見る限りはあまり難しい曲ではなさそうだ。

P5210350 この演奏にはシベリウスの自作自演が残されていて、FINLANDIAから出ていたCDが長い間シベリウスの演奏とされていた。
第二次世界大戦勃発直前の1939年元日、シベリウスが世界平和の深い願いを込めて演奏したとされる7分あまりの敬虔な演奏。

P5210351 ところが、最近これが他の人の演奏だったことが判明し、ONDINEから真正の自演が出ている。こちらの演奏時間は6分ちょっとの演奏。
こちらも悪くはないが、演奏者不詳のFINLANDIA盤の方がよほど感動的な演奏だ。
このONDINEにカップリングされているテンペラフィルによるシベリウスの交響詩「ポヒョラの娘」をスコア見ながら聴いた。
こちらは精密なオーケストレーションの大編成オケによる壮大な音の叙事詩。

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2007年7月23日 (月)

ケーゲルのシベリウスとグリーグ

蒸し暑い「大暑」の週明けとなった。、夜から再び雨。

今日は、ヘルベルト・ケーゲルのシベリウスとグリーグを聴いた。
ケーゲルはN響にも客演しているが、CD初期にレーザーライトレーベルから出ていた格安のベートーヴェンの交響曲全集によって一躍有名になった。この全集の一般的な評価はあまり芳しくなかったように記憶しているが、これはスコアのデータ付きのCDでも出ていて、パソコンで再生すると演奏とスコアがシンクロして再生されるのが面白くて購入していた。
演奏も衒いのない重厚で恰幅の良い演奏揃いだった。特に「エロイカ」が良かった。

P1010132 今日聴いたのはレーザーライトの音源を1995年に日本コロンビアがCD化した「ロマンティック管弦楽名曲集」。バーバーの「アダージョ」で始まり、マーラーの交響曲第5番の「アダージェット」で終わるなかなか考えた選曲。
ここでケーゲルは、シベリウスの「悲しきワルツ」、グリーグの「二つの悲しき旋律」とグルックの「精霊の踊り」を担当している。オケはドレスデンフィル。

幾分鳴りの悪い渋い響きのオケの音色がこの手の音楽にはうまく合っているようだ。体温はあくまでも低く、醒めた目で冷静に進めているケーゲルの指揮はロマンティックさよりも痛々しささえ感じさせる。直前がジェフリー・サイモンの楽天的な演奏なのでなおさらだ。
最後のI.フィッシャー&ブタペスト祝祭管のマーラーは、その点安心して音楽に身を任せて聴ける名演だ。

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2007年7月22日 (日)

プシホダのドヴォルザーク

昨日から降り続いた雨も朝早くには上がった。明るい日差しの中、このところ鳴りを潜めていた蝉が鳴き始めた。今日は家の近くにある地蔵尊の祭典の日。

500年ほど前の大雨の日に、どこからともなく流されてきたという地蔵を祭ってある地蔵堂の前には、地元町内会の屋台が狭い道幅一杯に並びかなりの賑わいだ。
ふだんあまり顔を合わすことのない人たちの貴重なコミュニティの場となっている。

P1010122 今日はチェコのヴァイオリニスト、ヴァーシャ・プシホダの弾く、ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲を聴く。A Classical Recordから出ているCDで、ケンペン指揮のベルリン国立歌劇場管の伴奏による1943年録音のSP復刻。カップリングは同じケンペン伴奏によるジョコンダ・デ・ヴィトーによるブラームスのヴァイオリン協奏曲の1941録音。

身を摺り寄せてくるようなプシホダ独特の女性的な音が印象的。この種の音は他にあまり類がない。妖艶な第2楽章などなかなかのものだ。
技巧がしっかりしているので、線の細さは感じられない。期待したケンペンの指揮は意外と元気がない。針音を完全に除去してしまった復刻のためだろうか。ヴァイオリンは比較的しっかりとした音だが、時折り音がプツプツと途切れるような瞬間が散見される。
ヴィトーのブラームスは意外と平凡。

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2007年7月21日 (土)

シューリヒトのブルックナー第7番

再び雨模様の一日、夏休みに入った娘たちは吹奏楽コンクール出場のために朝から部活。自分は朝から仕事。

P1010126 今日はシューリヒトのブルックナー。ひところ熱心に聴いたシューリヒトも最近はすっかりご無沙汰だ。聴いたのはシュトゥットガルト放送響との1950年ライヴ、ヘンスラー盤CD。

演奏時間60分のいつもながらの飄々たるシューリヒトのブルックナー。実に厳しい響きの峻厳たる演奏だ。

P1010128 P1010875_1

沼響HPの聴き比べコラム、「ブラームスの4番を聴く」にフルトヴェングラーの演奏の記事をアップしました。
今回はEMI盤の二日前、1948年10月22日のライヴと1948年11月のロンドンエンプレスホールでのリハーサル映像。

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2007年7月20日 (金)

ルービンシュタインのグリーグ

久しぶりに良い天気となったが気温はさほど上がらない。今年はどうも冷夏のようだ。
休んだ日はとかく何かが起こっていたりするのだが、些細なことのみでさほど影響なし。

Img6t_testasp 今年はシベリウス没後50年、グリーグ没後100年の北欧イヤーということで、ルービンシュタインの弾くグリーグのピアノコンチェルトを聴く。プレヴィン&ロンドン響の伴奏による1975年収録のLD。既にコンサートから引退した88歳のルービンシュタイン晩年の記録だ。
遅いテンポの内省的な演奏。これほど純で美しく、悲しみに満ちた演奏は聴いたことがない。それでいて力強さにも欠けていない。ルービンシュタイン独特の艶の有る音も健在。
第2楽章のオケの前奏に静かに聴き入る巨匠の表情も印象的だ。

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2007年7月19日 (木)

来年の定演、団員投票

今日は娘の三者面談があったのと、連日の雨で畑の手入れが必要になってきたので、お休みをいただいた。相変わらずの曇天だが、さほど暑くもなく畑作業向きの一日。
いつもならば汗を流したあとに冷たいビールを一杯、と言いたいところだが、夜はオケの練習。

今日は来年の定演のメインの曲を決める日だ。休憩の合間に開票をおこなう。
今回の候補はベートーヴェンの交響曲第7番、毎度お馴染みのシベリウスの第2番、そして「我が祖国」全曲というもの。

今回の下馬評は、今回こそ例年落選のシベリウスだろうという声が高いが、「のだめ」の影響でベト7も侮りがたし。「我が祖国」は全く未知数といった状態。
ウチのオケの投票は毎回予想外の結果となるので、蓋を開けるまでわからない。

そしていよいよ開票。ベト7がコンスタントに票を伸ばしシベリウスは票が伸びない。意外なのは「我が祖国」がグングン票を伸ばしベト7を急追、ついには並んだ。
結果はベト7が20票、「我が祖国」18票、シベリウス16票。うーむスメタナがこんなに伸びるとは意外だった。シベリウスの票がそちらにだいぶ流れたようだ。
来年の定演はベートーヴェンの第7番に決定。シベリウスの連敗記録はさらに更新された。

P1010129 「作曲家 武満徹と人間 黛敏郎」を読んだ。岩城宏之が作陽音楽大学でおこなった、96年、97年に相次いで亡くなった二人の作曲家の追悼講演をまとめたもの。
日本の現代作曲家の作品を積極的に紹介した岩城宏之が語る二人の作曲家への愛情にみちた思い出の数々。
数多い岩城宏之の著作物の中でも、真実の言葉に満ちた最も印象に残るもの。

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2007年7月18日 (水)

セルのシベリウス

雨が降り続いたためだろうか朝から涼しい一日。忙しかった7月も半ばを過ぎた。

P1010130 コンセルトヘボウ・アンソロジー60年代録音集から、セルの指揮するシベリウスの交響曲第2番を聴いた。1964年11月26日のライヴ録音。
細部まで神経を通わせた燃焼度の高い素晴らしい演奏。フィナーレ後半の盛り上がりは感動的だ。

P1010131 この演奏がよほど好評だったのか、直後にフィリップスへスタジオ録音を行っている。70年代には、千円盤LPのグロリアシリーズでも発売されていた。
こちらも隙のない鋭い切れ味の完璧な演奏であるものの、どこか冷めていて楽しめない。ライヴ録音にあった熱気と勢いが感じられないのだ。

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2007年7月16日 (月)

スクロヴァチェフスキーのブリテンとエルガー

本日「海の日」で貴重なる休み。部活の早朝練習に行く娘を朝早く駅まで送り、雑誌を見ながら部屋でゴロゴロとしていたら突然の地震。
揺れはすぐに収まったが、反射的にテレビを付けると震源は新潟。能登半島沖地震の記憶もまだ冷めぬ中、またもや日本海側での地震。中越地震もまだ3年前のことだ。
無残に倒壊している木造家屋、火災は少ないのがせめてもの救いだが、そのような中で黒煙を上げている柏崎原発を見ていて不安になってきた。

台風は過ぎ去ったとはいえ曇天のはっきりせぬ天気。午前中は畑に行き、我が家で食べる分のナスとピーマンを収穫、枝豆もかなり大きくなってきた。畑に入ると昨日までの雨のためズブズブと靴がめり込んでいく。

ふと裏山を見てあっと驚いた。なんと横30メートル、縦100メートルほどの山崩れがあり茶色の山肌が覗いているではないか。人家から離れている箇所なので直接の危険はなさそうだが、昨日までの雨、尋常な量でなかったようだ。

P1010125 休日とはいえ、今日は音楽を聴く気にならない。それでも一枚だけ、スクロヴァチェフスキー指揮ザール放送響によるブリテンのピアノ協奏曲とエルガーの「エニグマ変奏曲」を聴いた。Arte Novaから出ている外盤CD.ピアノはRobert Leonardy。
Mr.S氏によるあい変わらずの明晰にしてドライな演奏。

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2007年7月15日 (日)

マデルナのメンデルスゾーン

今日は早朝6時から職場へ向かう。その時点では台風は接近中で直撃の恐れもあったので、家の雨戸を全て閉め、愛犬をガレージの中に避難させて出かけたのだが、幸いにして台風は僅かに太平洋側に逸れて行った。

P1010121 今日は、コンセルトヘボウアンソロジー60年代録音集からマデルナの指揮するメンデルスゾーン、交響曲第3番「スコットランド」を聴いた。65年のライヴだが、ピリオド奏法を先取りするかのような、ヴィヴラートを排し強烈なアクセントを付けた過激な演奏。
第一楽章ではマデルナ自身かなり手を加えているようで、まるで現代音楽のような響きを聴かせる瞬間がある。
カップリングされているセル指揮のディティユーの「メタボール」も鮮烈な名演。

P1010124 もうひとつムーティー指揮ウィーンフィルによるシューマンの交響曲第2番、第3番「ライン」のフィリップス盤CD。こちらはウィーンフィルに下駄を預けた、豊麗にしてロマンティックなシューマン。

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2007年7月14日 (土)

沼響友の会サロンコンサート

大型台風の接近する中、本日沼響友の会会員のためのサロンコンサート。これは3年前に発足した沼響を応援して下さる友の会の方たちへの日頃の御礼のために計画したコンサートなのだが、またもや朝から強い雨になってしまった。

P0112_01 P0112_06 場所は千本海岸近くの「千本プラザ」音楽ホール(席数230席)。
早めに会場に着いたのだが駐車場は既に満車、近くの千本海岸の堤防下に車を止めたが、松林を抜け会場へ歩くうちにズボンがビチョビチョになってしまった。

館内で顔なじみの館長さんに御挨拶したところ、今日は連休初日ということで会議室やホールは全て一杯とのこと。さらに音楽ホール隣の多目的ホールでは、親子連れを集めてのオカリナ教室が始まりピーピーと賑やかな音が鳴っている。音楽ホールに音が漏れないのだろうか。
さらにここは多世代交流施設ということで大浴場もあり、ホール2階の畳の大広間では、アルコールが入った人たちのカラオケ大会が始まっていて騒々しいことこのうえなし。

今回自分は出番も役割もないので聴衆として参加。見るとこんな天気にもかかわらず半分以上は席が埋まっている。ありがたいことだ。

前半はオケのメンバーによるアンサンブルで、金管セクションによるハワースのファンファーレ。木管によるモーツァルトのセレナード第11番、そして弦楽セクションによるグリーグの「ホルベルク時代から」が続く。
聴いているうちにホルベルクは実演では初めてだということに気がついた。バッハやラモーらの古典的な舞曲を集めた、組曲の形式のアルカイックな雰囲気と民族的な気分が漂う素敵な曲だ。終曲のリゴードンなどノルウェーの民族舞曲そのもの。

後半は、沼津在住で札幌交響楽団のヴァイオリン奏者だった鍋倉郁子さんによるヴァイオリンリサイタル。自分の札幌在住時代とは時期が微妙にズレているので、鍋倉さん在団時の札響は聴いていない。

曲は「望郷のバラード(ポルムベスク)」から始まり、シャンソン「ばら色の人生」、ピアソラから「忘却」「鮫」、「タイスの瞑想曲」、「ショパンのノクターン」からクライスラー。そしてフランクのヴァイオリンソナタから第4楽章、最後に「ツィゴィネルワイゼン」という極めて多彩なプログラム。合間に鍋倉さんによる曲目紹介によるトークも入り、ピアノ伴奏は沼響定期の共演経験のある石川晴恵さん。

前半の沼響の演奏と比べるのも野暮な話だが、やはりプロの演奏だ。演奏技術の差というよりもお客さんを楽しませ、幸福な気分にしてくれるツボを充分に心得ている。
お客さん達にこんな天気でも来て良かったと思わせてくれる選曲であり、演奏であったと思う。アンコールのエルガーの「朝の曲」も良かった。鍋倉さん、ありがとうございました。

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2007年7月13日 (金)

レジナルド・ケルのモーツァルト

台風次第に接近中、土曜日の沼響友の会コンサートもまたもや雨だ。
本日も帰宅は10時近く。夕食をとる時間がなく、帰りに近所のスーパーに寄ったところ中国産ウナギ弁当が半額のシールを付けたまま多量に売れ残っていた。

中国のダンボール入り肉まんの件、かつての部下で現在中国の日系企業で働いている女の子から、もっとすごい話をいろいろと聞いていたのでさほど驚きはなかった。
牛皮を水と薬品で溶かして牛乳と称して売っている話、茶色の靴墨ココアパウダーなどなど。このような行為を罰する法律が不備なのだろう。

P1010118_1 今日はロンドンフィル、ロンドン響などの首席クラリネット奏者を歴任したレジナルド・ケルの吹くモーツァルトのクラリネット協奏曲を聴いた。
ケルのアメリカ時代の録音で、ボストン響のメンバーで組織されたジンブラー・シンフォニエッタの伴奏による米MCA盤モノラルLP。昨年ユニバーサルからCDが出ている。

早い楽章の間の取り方に独特の個性があり、これは好みが分かれそうだ。数多くの教則本を書いてあるだけあってテクニックは抜群。しかも低音部の深い響きと、哀愁を帯びた艶のある音色が非常に魅力的だ。既に有名になっていたベニー・グッドマンが教えを請うたのも納得。

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2007年7月12日 (木)

N響アワー、松崎裕さんのホルンソロ

梅雨前線停滞中、しかも台風までやってきた。毎日雨ばかりで道路が乾く暇がない。午後から一時激しい雷雨。早朝スイスに出発する母を見送った。あちらは良い天気のようなので、楽しい旅行となるだろう。
来週の前半まで息を抜けない毎日が続くが、今日は仕事を早く切り上げ練習に参加することにした。ハードで単調な毎日の中、気分の切り替えのための貴重なアクセント。

14日に沼響友の会のコンサートを控え、前半は出演するメンバーによるアンサンブルの練習。今回自分は参加しない。後半は秋のファミリーコンサートの曲から「カルメン」前奏曲と「美しき青きドナウ」の2曲。
狭いリハーサル室にほぼ60人すし詰め状態。熱さと湿気の強さのため団員の集中力も散漫だ。いずれもお馴染みの曲ながらウィンナワルツは何度演奏しても難しい。ホルンの単純な後打ちも譜面のとおりやっても様にならない。

帰宅後は、録画しておいた「N響アワー」を見た。日本を代表するホルニスト松崎裕さんを招いてのホルン特集。
松崎裕さんのオケマンとしてのソロの数々とR.シュトラウス、シューマンのコンチェルト。そして最期にラインベルガーのホルンソナタ、といったホルン吹きにはたまらない内容だ。

548 最初にスヴェトラーノフN響客演時の、チャイコフスキー交響曲第五番第2楽章冒頭の有名なホルンソロが紹介された。
うーむ、今まで聴いたこともないような凄いソロだ。終演後にスヴェトラーノフが松崎さんをステージ前面に連れて来て指揮台に立たせていた。

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2007年7月11日 (水)

United Archivesのセル

連日の雨、伊豆は大雨で出勤途中に見た狩野川はかなり増水していた。
今日は県内のお偉方を集めての会議、先週に引き続き事務局仕事だが、今回はほとんど部下に任せきりとなってしまった。会議終了後も機構改革の書類作りに追われ、今晩も帰宅は遅くなってしまった。

HMVからCDが届いていたが、こう忙しいと聴く時間がなかなか取れない。

P1010116_1 一枚はセル&クリーヴランドのブラームスの交響曲第一番とハイドン変奏曲のカップリングのUnited archives盤。LP時代からの馴染みのCBS盤とは別録音の1957年と1955年録音。交響曲はステレオ録音だ。

P1010117_1 もうひとつはプラネスの弾くドビュッシーピアノ曲全集から前奏曲集第一巻、第二巻のハルモニアムンディ盤。こちらは1897年製のベヒシュタインを弾いている。

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2007年7月 9日 (月)

カペルのブラームスとラフマニノフ

ここ数日夜は過ごしやすい日が続く、昨年壊れてしまった音楽部屋のクーラーも今のところ使わずに済んでいるのがありがたいが、さすがに今年は買い換えよう。

ここしばらくカペル・エディションのCDを連続して聴いている。飛行機事故のため31才の短い生涯を終えてしまったウィリアム・カペル。その風貌と悲劇的な最期からジェームズ・ディーンとオーバーラップしてしまうが、残された録音を聴くと大変な天才だったと思う。

P1010115_2 今日は40年代から50年代に活躍した弦楽器奏者とのソナタ集を聴いた。E.クルツのチェロによるラフマニノフのチェロソナタ、ハイフェッツとのブラームス、ヴァイオリンソナタ第3番、プリムローズとの同じくブラームスのヴィオラソナタのカップリング。

いずれも当時RCA専属のアメリカで活躍した大家たちだが、これらの巨匠達と対等に渡り合っている明晰にして力強いカペルのピアノは伴奏の域を超えた立派なものだ。

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2007年7月 8日 (日)

ヒンデミットの20年代ダンス音楽集

久しぶりに爽やかな良い天気となった。梅雨明けはまだだが、これから暑い夏の到来だ。庭先ではセミが鳴き始めている。

今日は休日、ゆっくり本でも読みながら音楽を聴くとしよう。

400420349x P1010114 今野信雄著の「江戸の旅」を読みながら聴いたのは、ヒンデミットの1920年代の舞台作品からダンス音楽を集めた米candideのLP。
曲は、人形劇のための「Nusch-Nschi」、歌劇「行きと帰り」パントマイムのためのバレエ「悪魔」からの3つの管弦楽組曲というもの。

A.グリューバー指揮のベルリン響その他のメンバーによるユーモアとウィットに富み、それでいてどこか退廃的なムードの漂う楽しいアルバムだ。

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2007年7月 7日 (土)

カペルの別テイク、フラグメント集

朝から雨の七夕の土曜日。本日出勤し昨日の会議の議事録を作成したり、来週以降の仕事内容の精査をおこなう。

中一の娘が突然、またピアノを習いたいと言い出した。ピアノは二才から習わせ、先生の弾くピアノを横で聞いていて楽譜を見ずにそのまま覚えてしまうという、親の贔屓目で見ても面白い天分がありコンクールなどでそれなりの成果を上げていたのだが、小5の秋に突然弾かなくなってピアノを止めてしまっていた。音楽の道を進ませる気は親として毛頭ないが、本人の意思が固いのでしばらくやらせて見ることにした。

P1010112_3 今日は、ウィリアム・カペルの未発売別テイクとフラグメントを集めたCDを聴いた。
RCAのカペルエディション中の一枚で、ショパンのピアノソナタ第3番の第一楽章、バッハのパルティータからアルマンドの一部やら、ハイフェッツとのブラームスのヴァイオリンソナタ第3番のアダージョなど、その他。日の目を見なかった落穂拾いのようなアルバム。
最後にカペルのインタビューも入っている。

断片でありながら、いずれも一つの大きな宇宙を形成している聴き応え充分の演奏の数々。ショパンのソナタは、一般発売されているテイクよりも切れ味鋭い名演だと思うのだが、なぜお蔵入りになってしまったのだろう。

P1010109_1 沼響のHPの聴き比べコラム「ブラームスの4番を聴く」にフルトヴェングラーの感想をアップしました。連載23回目。

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2007年7月 6日 (金)

ブルメンタールのフンメル

今日は西伊豆戸田地区で外部のお偉方を引き連れ重要な会議。自分は事務局責任者として気苦労多し。
Matusiro21 会議の前に国の重要文化財となっている廻船問屋松城家の邸宅を見学。現在子孫の方がお住まいのため一般公開されていないが、特別のおはからいで中を見学させていただき、現当主の品の良いおばぁさんから直接説明をしていただいた。

130年を経て漆喰の壁の一部は剥がれ落ちてはいるものの、贅を尽くした精巧な造りの室内装飾の数々と廻船問屋ならではの巨大な船箪笥。

驚いたのは、朝日を取り入れるだけのために造られた特別な中2階の小部屋。
山から日が昇ると、日の光が一直線に差し込み1階の仏壇が金色に輝くという仕掛けとなっていた。ある部屋では、入った瞬間、晩年の伊豆の長八作とされる天井にある漆喰造りの龍の目が部屋のランプに反射して銀色に輝くという凝りようだ。

明治9年建築という鹿鳴館よりも古い擬洋風の風格に満ちた大邸宅に圧倒された一時間。

P1010110_3 今日はコンチェルトの秘曲を3曲ほど聴いた。一枚目はベートーヴェンと同時代の作曲家で「ノクターン」の作曲で知られるフィールドのピアノ協奏曲第一番とフンメルの「ロシアのテーマによる華麗なるロンド」。演奏はポーランドの女流フェリシア・ブルメンタールのピアノにフロシャウアー指揮のウィーン室内管が伴奏を付けているユニコーン原盤の日本コロンビアLP。

ロッシーニをさらに軽薄にしたようなフィールドの曲は冗長で楽しめないが、ショパンのロマンティックさを彷彿させるフンメルは親しみやすく美しい作品だ。もう少し演奏されても良いと思う。ジャケット解説によれば、このレコーディングが実現するまでの数十年間、全く演奏されていなかったという。

P1010111_3 もう一曲は、チェコのパガニーニと讃えられていながら27才の若さで死去したヨセフ・スラヴィークのヴァイオリン協奏曲第2番。
石川静のヴァイオリンにコシュラー指揮のプラハ室内管の伴奏によるスプラフォン盤。

華やかな技巧の影にほんのり漂うボヘミア風の哀愁。演奏が良いこともあるがこれは名曲だと思う。残念ながら完全な形では現存せず、一つの楽章しか残っていない。

こちらもSP期のプロチェックのヴァイオリンによるウルトラフォン盤以来の録音。

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2007年7月 5日 (木)

ファザーノのグルック

貴重な息抜きの時間であり、実生活のアクセントである週一回のオケの練習はなるべく欠席したくはないのだが、明日の重要な会議を控えて資料造りと会議内容の精査のため夜遅くまで残業となってしまった。

P1010110_2 帰宅しても仕事モードから抜け出せず今日は軽い曲を聴く。取り出したのはファザーノ指揮のローマ合奏団、イタリア合奏団合同オケによるグルックの「オルフェオ」組曲RCAの国内盤LP。
比較的大きな編成で格調高くじっくり丁寧に歌い上げた名演。
管楽器のソリストたちも非常にうまい。

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2007年7月 4日 (水)

Schoenfeld Duoのコダーイ

今日は職場の暑気払い。50人もの大所帯なので毎回宴会場探しには苦労するが、今回は老舗の中華料理屋。料理は可もなし不可も無しといったところ。宴会途中で激しい風雨となってきた。女性の参加者も多いことでもあり幹事を促し早めに切り上げさせた。

P1010111_2 帰宅後、部屋でボーッとしながらリンガイセンの弾くプーランク・ピアノ曲全集を黙々と聴いていた。
先日聴いた時は遊び心の不足が気になったが、聴いているうちに演奏全体に漂う無機質でクールなところがかえってお洒落じゃないかと思えてきた。

P1010112_2 もうひとつアメリカの美人デユオSchoenfeld姉妹の弾くヴァイオリンとチェロのための二重奏曲集。米ORIONのLPで、ハイドン、トッホ、コダーイの作品。
演奏者についての予備知識はなく、完全にジャケ買いです。

ハイドンから聴いたがリンガイセンを聴いた後では、マシュマロにチェコレートをたらしたような甘ったるさに閉口。音程も甘い。
よほど針を上げようかと思ったがA面のコダーイが意外に良い。ライナーノートにコダーイと一緒に写っている写真が載っているので、コダーイには特別な親近感があるのだろう。
使用楽器はヴァイオリンがA.グアルネリウス、チェロがP.グァルネリウス。

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2007年7月 3日 (火)

渡邊暁雄・日本フィル全集

ここ数日パソコンの具合が悪く、突然ディスプレイが真っ黒になってしまう障害が頻発。本体は立ち上がったままなので、ディスプレイに問題があるのだろうか?ここ数日の雨続きの湿気のせいだろうか。

7月に入り猛烈な忙しさとなってしまった。昨年と比べて二人分の仕事量をこなさねばならず、さらに新規のプロジェクトに追われる日々。
本日、話し合いが決裂状態だった出入り業者から朝一番で詫びの電話があった。先週FAXで送りつけた決定的な証拠書類が決め手となり、来週本社の取締役を連れ再度伺いたいとのこと。ようやく事の重大さを認識したようだ。

P1010113_2 HMVから「渡邊暁雄・日本フィル全集」が届いた。日本フィル創立50周年を記念して制作されたCD26枚組全62曲の画期的なセット。久々の大物セットの購入だ。

日フィル草創期の1956年のモーツァルトのピアノ協奏曲第20番(田村宏のピアノ)から、1987年のシベリウスの交響曲第4番までのライヴを収録したアルバム。

1972年日本フィル分裂時、埋立場に廃棄処分される寸前だったマスターテープを団員有志が奇跡的に救ったという貴重な録音の数々。
このコンビ3つめの全集となるシベリウスの全交響曲、現代音楽を積極的に紹介した60年代の録音、分裂後の日本フィルに再び渡邊暁雄が音楽監督に就任した1978年のマーラー「復活」の伝説的なライヴなど注目の演奏が目白押しだ。

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2007年7月 1日 (日)

Disco Archiviaのモントゥー

今日から7月。月の前半に大きな会議を二つも控え、資料作りのため終日仕事となり、帰りも遅くなってしまった。

P1010116 P1010117 帰宅後、アリアCDから今月分のCDが届いていた。今回は随分とパッケージが小さく、不審に思いながら開けたみたところ、中身はプラケースもブックレットもなく、タイトルすら入っていない怪しげなCDーRが2枚。
アメリカの非営利団体Disco ArchiviaのCDだ。

かなり前にモントゥーとパレーのライヴを多量に発注していたのだが、ようやく届いたのがこの2枚。覚悟はしていたがCDーRにマジックで番号しか入っていないお見事なCD。

今回届いたのはいずれもモントゥーの指揮するライヴで、一枚は1957年4月12,13日のボストン響への客演時のチャイコフスキーの交響曲第5番と「春の祭典」。
そして、1944年12月11日サンフランシスコ響とのオール・チャイコフスキープロから、「ハムレット」「ロメオとジュリエット」、チェルカスキーをソリストに迎えたピアノ協奏曲第一番というもの。こちらには1947年12月7日の「ハフナー」がおまけに入っている。

恐る恐るチョイ聴きしてみたが、曲の前後に演奏者と曲目、会場の様子を説明するアナウンスが入っている明らかに放送録音だ。モノラルながらいずれも録音は鮮明、とても個人のエアチェックのようには聴こえない。放送局からの流出音源だろうか。
各局の放送局には、まだまだこのようなお宝音源が沢山眠っているということだろう。

618rgqblxdl_aa240_ ランダムハウス講談社発行の「火星からのメッセージ」(ジム・ベル著)を読む。
2004年に一年がかりで火星に到達した2機の探査機が送ってきた火星のパノラマ写真集。
地球の砂漠の風景写真と言われてもおかしくない極めて鮮明な写真。

赤茶けた砂漠の連続だが変化に富んでいて少しも飽きない。小さな探査ロボットが火星の地上を懸命に走り回った車輪の跡も生々しく、これが感動的ですらある。

Topics050615_3_1l 最も印象に残ったのは火星から見た日没の風景。地球から見る太陽の力強さはここにはない。
ここまで惑星探査技術が進んでいたとは驚きだ。

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