ホルヴァートのバルトーク
休み二日目の今日は、娘が出場する吹奏楽コンクール県大会を聴きに隣町の富士市ロゼシアターへ。とても出場23校全部を聴き通す気力はないので、途中何回か会場を抜け出しながらの観戦。
多彩な自由曲が面白い。アーノルドの交響曲やグリエールのバレー曲、シャルパンティェの「イタリアの印象」など、管弦楽作品のアレンジとはいえ、普通実演で聴けそうもない曲が聴けるのがありがたい。
しかも1曲入魂、その曲だけを何ヶ月も練習しているので、レベルも一定の水準以上でなかなか聞き応えのある演奏が続く。
上位校ともなると演奏水準が拮抗しているので、自由曲の選択が審査結果に大きな影響を及ぼすようだ。正直なところ吹奏楽のオリジナル曲よりもオケの編曲物を選んだ学校により大きな感銘を受けた。
圧巻はバルトークの「中国の不思議な役人」を演奏した浜松海の星高校。一糸乱れぬアンサンブル、個人の技術も確かなものだ。「春の祭典」にも似た変拍子も苦もなくクリアしている。これは凄かった。
吹奏楽のオリジナル曲では、カレル・フサの「プラハのための音楽1968」が印象に残った。スメタナの「我が祖国」でも使われていたフス軍団のコラールが全曲に渡って鳴り響く。後にオーケストラ版も作られ、ジョージ・セルも演奏したという名作だ。
今日はミラン・ホルヴァート指揮オーストリア放送響による組曲「中国の不思議な役人」を聴いた。駅売りCDの類のポイントクラシックス中の一枚。「管弦楽のための協奏曲」とのカップリング。
この曲独特のオドロオドロしさとバーバリスティックな側面を見事に描き出した名演だ。
この「オケコン」は、同じく怪しげな駅売りCDでパンタリ指揮フィルハーモニアスラヴォニカという名で出ている演奏と同一。こちらのCDはなんとカレル・フサ指揮の組曲「中国の不思議な役人」とのカップリング。
もうひとつフサの「プラハのための音楽1968」も聴いた。B.コールマン指揮のスロヴァキア放送響によるマルコポーロ盤CD。
オーケストラ版による演奏だが緊張感に欠けるダルな演奏で、数多い吹奏楽版の他の録音に遠く及ばない。セルの指揮した録音は残っていないのだろうか。
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