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2007年9月に作成された記事

2007年9月30日 (日)

イベールの「架空の愛のトロピズム」

今日も朝から雨、さらに涼しくなった日曜日。お昼前から近所のお寺で古い親戚の法事。その後「うなよし」でウナギをごちそうになる。
ところが、手違いでマイクロバスの送迎の手配がなく、帰りは多くの人が冷たい雨の中、重たい引き出物を持ちながらトボトボ歩くはめになった。途中で力尽きて引き出物の紙袋を落としてしまうお年寄りもいて難儀。

P1010816 帰宅後、イベール最後の交響的作品となった「架空の愛のトロピズム」を聴く。
手持ちは1974年の出版直後に録音されたマルティノン指揮フランス国立放送管による演奏。イベールの自演録音との組み合わせで発売された「二つの寄港地」という国内EMI盤LP2枚組。

9つの楽章からなる一種のデヴェルティメントのような曲で、舞台音楽風の軽めの舞曲や、ジャズのイディオムを用いた曲、エキゾティックなガムランを思わせる曲など、晩年のイベールが自由に遊んだ散文風の音の絵巻をマルティノンが色彩豊かに演奏している。

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2007年9月29日 (土)

パヴァロッティ、フレーニの「ラ・ボエーム」

朝から雨、数日前までの暑さから一転して夜は気温が下がり、やがて来る冬の気配さえ感じさせるほど。もう来週から10月だ。本日は一日仕事の後、職場から直接昨年退職した元上司の御母堂の通夜に出席。

来月のファミリーコンサートで取り上げる「ラ・ボエーム」を聴いた。同時に練習している「蝶々夫人」「トゥーランドット」と比べても、この「ラ・ボエーム」はオケの伴奏部分の密度が濃いように思う。

P1010270 今日聴いたディスクは日本キングの2枚組LPで、カラヤン&ベルリンフィルによる1974年録音。フレーニ、パヴァロッティ、ギャウロフによる名盤。
同郷の幼馴染だというフレーニとパヴァロッティの真摯な歌とカラヤンのドラマティックな伴奏が聴き物。
あたかも一曲の交響曲を聴くようなオケの雄弁さが光る。

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2007年9月28日 (金)

パヴァロッティのリゴレット

慢性睡眠不足状態の毎日。かなり慎重にチェックしたはずだが注意力と気力の低下が招いた仕事上の凡ミスが発覚。幸い周囲のフォローのおかげで最悪の結果は免れた。感謝。
先日のテレビ取材はニュースで5分あまり取り上げられ、知人数人から「テレビ、見たよ」と声を掛けられること有り。意外と見ているものだ。

木曜の練習は神尾先生の指揮で「グランドキャニオン~嵐」とオペラアリアの数々。
グローフェは何度やっても音の浪費としか思えない曲。音楽を遊ぶ余裕が出てくれば多少は面白くなるのだろうが、まだまだ道のり遠し。プッチーニは独特の音の揺れが難しい。

752 ヴィクセル、パヴァロッティ、グルヴェローヴァの出演するヴェルディ中期の傑作「リゴレット」を視る。1982年ポネルの演出によるビデオ用の映像で、シャイー指揮のウィーンフィルによるもの。
20数年前の映像で皆若い。30代のグルヴェローヴァの美しさ、40代のパヴァロッティもスリムなものだ。
ヴィクセルの迫真の演技と絶好調の歌手たちのアンサンブルの秀逸さが光る名演だ。

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2007年9月26日 (水)

ドウアットの「悲しきワルツ」

9月も下旬となり朝晩涼しくなった。職場の冷房も控えめに調整。
仕事は次第に加速状態。10月は中盤に外部のお偉方を招いた三日連続の大きな会議を控えてほとんど休日なしの状態だ。

P1010269 今日はフランスのローアン・ドウアットのシベリウス・アルバムを聴いた。仏ムジディスクの外盤LPで、「フィンランディア」「トゥオネラのレミンカイネン」「悲しきワルツ」「恋人」の4曲。
オケはルクセンブルク放送響。

おそらく入門者向け低予算路線一発採り録音。オケの響きも薄くアンサンブルも粗いが、勢いのある一筆書きの趣がありなかなか味わい深いアルバム。
ほの暗き叙情の炎がチロチロ揺れる「悲しきワルツ」と爽やかな「恋人」との対比が面白い。

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2007年9月25日 (火)

プルチネルラ自演

朝のうち小雨、のち晴れ。
先週職場で怪我人発生、全治3ヶ月の右足骨折。週初めの最初の仕事が労災申請書類の作成となった。基本的に大怪我をするような職場ではないはずだが、勤務中の出来事ゆえ仕方がない。入れ替わりで入院加療していた職員が今日から復帰。人数の帳尻だけは合っている。

P1010245 今日はストラヴィンスキーの「プルチネルラ」を聴く。先日購入したばかりの自演の集大成には同曲の全曲版と組曲版が収録されているが、今日聴いたのはいずれとも異なるクリーヴランド管を振った1953年録音の米コロンビア・モノラルLP。

ストラヴィンスキーの他の自演と比べると、ずいぶんと堅苦しい演奏だ。潤いの少ない録音も生硬さを助長している。

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2007年9月24日 (月)

M.アンドレのツヴィッカウ交響曲

連休三日目だが、先日の火報誤報騒ぎの検証のため出勤。原因はすぐに判明。その後2時間ほど仕事をし帰宅。
午後から空模様は怪しくなり小雨がパラついてきた。

P1010259 今日はシューマン未完の交響曲ト短調。通称ツヴィッカウ交響曲と呼ばれているシューマン若書きの2楽章の作品。演奏はこの曲の発見者マルク・アンドレ指揮のミュンヘンフィルによるBASF原盤のティチクの国内盤LP。この曲の初録音。一年前にヤフオクで落としたLP.

シューベルトのグランデユオの編曲交響曲や、トシュマロフ版「展覧会の絵」などの録音がある珍曲路線のアンドレだが、祖父の遺品から自ら発見した作品だけあって、緊張感のある引き締まった良い演奏だ。
若書きの作品とはいえ、後の作品に共通するシューマンの響きがしっかり聞こえてくる。

シューマンのオーケストレーションは未熟だとよく言われるが、正直なところ自分にはどこが未熟なのか良くわからない。
カップリングは「序奏、スケルツォとフィナーレ」、こちらも堂々とした良い演奏だ。

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2007年9月23日 (日)

ストラヴィンスキー自作自演

連休二日目、涼しい風の吹く爽やかな一日。家の改築もほぼ完成に近づいた。
作業に入る職人さんは仕事内容によって完全分業が確立、調整されたスケジュールに従って来るメンバーがその日によって違っている。
今日は若手のコーキング職人さん二名の登場。二人は見た目は同年輩だが、片方はまだ見習いらしく時折相棒に叱られながら作業を進めている。上下関係の厳しい職人の世界。

HMVからCDが届いた。最近は未聴音盤の消化に専念しているので購入枚数は最盛期の10分の一以下となった。収納場所も二部屋を占拠し完全に限界だ。

706 731 今回届いたのはストラヴィンスキー自作自演22枚組。LP時代には嘆息しながら店頭で眺めるだけだった巨大なセットがここにきて廉価で購入できるようになった。

もうひとつはクリュイタンスの指揮するドビュッシーの歌劇「ペレアスとメリザンド」全曲。1955年ミュンヘンでの初出ライヴ。

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2007年9月22日 (土)

火災警報

三連休初日の今日、朝から抜けるような蒼い空。道端には彼岸花が咲いている。
朝6時に部活動に行く娘を駅まで送り、帰宅後は墓参り。
涼しいうちに畑で一汗かき一風呂浴びて高校の同級生の歯医者に向かう。

なかなか充実した休日を満喫しながら、3時過ぎにちょいと職場に顔を出し無人のオフィスで2時間ほどお仕事。電話もなく実に捗る。

部活動に行った娘が星稜高校の吹奏楽部の定演に行くというので、富士のロゼシアターまで迎えに行く。ただ迎えに行くのみではつまらぬのでチケットを買い演奏を聴いてみた。
1500人キャパの大ホールがびっしり満席なのには驚いた。同一プログラムで明日もおこなうという。やはり東海大会で金賞を採った実績は大きい。
県大会で聴いた「トゥーランドット」はなかなかのものだった。しかしポップスを含めた10数曲を集めた定演となると、どうしても一曲あたりの水準の低下は免れない。

気持ちよく効いているうちに携帯に家内からメールが入っているのに気が付いた。
ちょっと嫌な予感を抱きながら文面を見て仰天。職場に火災警報発報!地元の自治会長さんからの通報で消防署の職員と警備会社の職員が向かっているというメール。
急いでホールの外に出て上司の携帯に連絡。しかし上司はお祭りの宴会の真っ最中で繋がらない。警備会社に電話しても現在確認中とのこと・・・・
とにかく富士から車を飛ばして職場に駆けつけた。誤報だと判明しまずは安心したが、お休み気分は完全に吹っ飛んでしまった。

P1010250 P1010251 ずいぶんとご無沙汰になってしまったが、沼響のHPの聴き比べコラム、「ブラームスの4番を聴く」にストコフスキーの二つの演奏の感想をアップしました。
巨匠最後の公開演奏となったライヴ録音とその直後に録音されたスタジオ録音。

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2007年9月20日 (木)

ベトヒャーのハイドン

今日は中西先生指揮によるオケの練習日。先日中丸さんが「良い響きのホールですね」と言っていた文化センター小ホールでの練習に仕事を早めに切り上げて参加する。

曲は「グランド・キャニオン」と「トトロ」。本番まで一ヶ月となった。「グランドキャニオン」は未だ自分の譜面を追うのに精一杯で、アンサンブルとしてのまとまりは、まだまだだ。
その点「トトロ」はだいぶ形になってきた。ジブリアニメの軽快さと楽しさが良く出てくるようになり演奏していくうちに愉快な気分になってきた。

P1010255 帰宅後聴いたのはW.ベトヒャー指揮ウィーン祝祭室内管によるハイドンの「朝」「昼」「晩」の3つの交響曲。米ターナバウトのLP盤。

きっちり縦の線を揃えるタイプではないが、爽やかで遊び心に満ちたこのような演奏がハイドン初期の交響曲にはふさわしい。

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2007年9月19日 (水)

ヴァン・ベイヌムのシベリウス

ここ数日30度を超える毎日だが、朝晩は涼しくなってきた。

一ヶ月ほど前からパソコンの調子が悪く、使用中に突然落ちる現象が頻発。
立ち上げる度に画面には「深刻なエラーから復帰しました」のメッセージ。レポートを表示しようとしても「ファイルが破壊されています」の表示が出てしまう。しばらく様子を見ながら騙し騙し使っていたが、昨日はとうとう全く立ち上がらなくなってしまった。

「こりゃとうとうハードディスクが逝かれたか」と思い再セットアップを覚悟したが、帰宅後スイッチを入れたところ今日は調子が良い。しばらく様子を見ることにしよう。

先日取材を受けたテレビ局から何度も確認の電話有り。番組作りに四苦八苦している様子。当然インタビューはズタズタに編集されるのだろうが、こちらの意図を視聴者に誤解を招かぬように正確に放送して欲しいものだ。

P1010254 今日はヴァン・ベイヌムのシベリウスを聴く。ユニバーサルから出ている国内盤CDで、「エン・サガ」、「タピオラ」「フィンランディア」に「悲しきワルツ」の4曲。
はじめの2曲は英デッカ、あとの2曲は蘭フィリップス音源だ。タスキにモノラル録音の表示があるがフィリップス音源は1957年のステレオ録音。

P10102561952年録音の「エン・サガ」「タピオラ」が緊張感漲るベイヌムの指揮の下がっしりとした緻密なアンサンブルで豪快に鳴り響く当時のコンセルトヘボウ管のベラボーなうまさに舌を巻く驚異的な名演。

全てLPで所有しているが、デッカ音源の手持ちがエクリプスの擬似ステレオだったので、オリジナルモノラルで聴いてみたかった。
もともと優秀な録音で、エクリプス盤も自然なステレオ感を出すことに成功していた。CDでは細部が鮮明になり、曲の始めのあたりで楽譜をめくる音がはっきり聞こえてくる。

ステレオ録音の2曲は、「フィンランディア」後半の盛り上がりなど見事なものだが、僅かながら緊張感が弛緩する瞬間が散見されるのが残念だ。この録音時ベイヌムの死は真近に迫っていた。

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2007年9月17日 (月)

ボリス・クリストフのチャイコフスキー歌曲集

本日も朝は雨。その後快晴となり30度を越える暑さとなった。ゆっくりと休みたいところだが今日は出勤。

P1010252 ここ数日歌ものばかり。今日はブルガリアの名バス、ボリス・クリストフの歌うチャイコフスキー歌曲集。EMIの国内盤LP。
クリストフは、グリンカやムソルグスキーなどロシア歌曲の録音を数多く残している。

シャリアピンやキプニスのような圧倒的な存在感はないが、幾分翳りを帯びたチャイコフスキーのロマンス(歌曲)をきっちり丁寧に歌っている好演。

P1010253 もうひとつ、ウィーンフィルの往年の名手、ヴォビッシュとホラーのトランペット演奏を聴いた。ヤニグロ指揮のザグレブゾリステンによる伴奏で、マンフレディーニの2本のトランペットのための協奏曲やハイドンとL.モーツァルトの協奏曲などが入ったヴァンガードのステレオ初期のLP。

古風な音色のトランペットとキビキビとしたヤニグロの伴奏との対比が面白い演奏だ。有名なハイドンの協奏曲では、ファゴットがソロトランペットとユニゾンで進行する興味深いバージョンを使用。

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2007年9月16日 (日)

ジャック・ジャンセンのフランス歌曲集

明け方から激しく振っていた雨は9時頃には晴れ間が見え始めた。気温は上昇、湿度も高く蒸し暑い一日。今日は朝から畑作業の予定が、朝の雨で気持ちが萎え、結局ゴロゴロと過ごした休日となってしまった。

P1010248 フランスの名バリトン、ジャック・ジャンセンのフランス歌曲を聴く。英ロンドンのモノラルLPで、ドビュッシーの「フランソワ=ヴィヨンの3つのバラード」、「愛し合う二人の散歩道」「繰り人形」、シャブリエで「小さなあひるのヴィラネル」、「太った七面鳥のバラード」、「幸福な島」、「蝉」、最後にラヴェルの「マダガスカル島土人の歌」。

ピアノ伴奏はジャネット・ボノー、ラヴェルではチェロのジャンドロン、フルートのランパルが加わる。ちょっぴりシニカルで甘い歌声が魅力的。そして美しくも繊細な音の綾で聴かせるボノーのピアノが非常に良い。

P1010249 もうひとつラヴェルの歌曲で、ロス・アンヘレスの歌う「シェエラザーデ」も聴いた。1962年モントゥー指揮コンセルトヘボウ管のライヴ。
深い陰影を付けたモントゥーの伴奏に乗って、清らかな歌声が部屋に漂うこちらも素敵な演奏だ。録音も良い。

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2007年9月15日 (土)

中丸三千繪ソプラノ・リサイタル

雨のち晴れ。巷は三連休だが職場にテレビ局の取材が入ることになり出勤。日テレ系全国ネットのニュース番組ということで、二時間ほどの取材とのことだったが、インタビューその他で結局午前中すべてつぶれてしまった。

P1010247 夜は沼津楽友協会秋のコンサート、中丸三千繪ソプラノ・リサイタルに行く。さすがに著名人だけあって、小ホールはほぼ満席。

曲目はヘンデルの「リナルド」から始まり、「アヴェマリア(カッチーニ)」、ドヴォルザーク、ドニゼッティ、シャルパンティエ、中田喜直と越谷達之助の歌曲をはさんで、ヴェルディ、カタラーニ、ベルリーニのオペラアリアの数々。

最初のヘンデル、カッチーニあたりは手探り状態だったのが「アンナ・ボレーナ」あたりからしだいに興に乗り始めた様子。ダイナミックレンジの広い太めの声でたっぷりと歌い上げていく。
中でも得意の「ルィーズ、その日から」は圧巻。後半の「椿姫」、「ワリー」、「ノルマ」からのおなじみのアリアも貫禄の歌唱。

ピアノは菊池真美さん。美しい音色と最上の形で歌を引き立てていく実に見事な伴奏で、まさにプロ中のプロのお仕事。

パヴァロッティに教えを受けた中丸さんが、最後にパヴァロッティの思い出を披露しながら歌い上げたアンコールは実に4曲。
パヴァロッティからレパートリーに入れるように強く勧められたというプッチーニの「燕から、ドレッタ」、映画「ニューシネマパラダイス」、「カヴァレリア・ルスティカーナからアヴェ・マリア」、最後は「ジャンニ=スキッキから私のお父さん」。
久しぶりに聴き応えのあるオペラアリアをたっぷり堪能した一夜。

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2007年9月14日 (金)

オルフェウス室内管のプルチネルラ

9月も半ばとなり朝晩は涼しくなってきた。今日の青い空は完全に秋の気配。
奥歯の詰め物が取れてしまい、仕事を早めに切り上げ友人の歯医者に行く。治療中に眠くなり一瞬寝入ってしまった。「ちょっと、口を開けてよ」の友人の声に「は?」と我に返る。恥ずかしかった。

今日は録画しておいたオルフェウス室内管の来日公演の演奏を聴いた。1995年1月、サントリーホールでの記録。公演の冒頭、直前に起きた阪神淡路大震災の犠牲者を追悼してフォーレの「パヴァーヌ」が演奏されている。

P1010244_2 プログラムは歌劇「アルジェのイタリア女」序曲、モーツァルトの交響曲第40番、プッチーニの「菊」、そしてストラビンスキーの「プルチネルラ」組曲というもの。アンコールはグリーグの「ホルベルク組曲」から前奏曲。

P1010242 引き締まった透明な響きと生き生きとした緻密なアンサンブル。随所に遊び心と合奏する喜びが聴き手に伝わってくるのが素晴らしいと思う。
その中で、ソロの名人芸と合奏の妙味が最大限に発揮されていたのが「プルチネルラ」だった。弦楽四重奏曲とオケとの掛け合いの部分など視覚的にも楽しませてくれる。
トランペットのハイトーンを小気味良く当てている終曲など見事なものだ。

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2007年9月13日 (木)

パヴァロッティのスカルラッティ

来週からの大きな仕事を控えて多忙な日々。しかも来年度から始まる大きなプロジェクトを突然振られて大いに困惑。本日はその2回目の打ち合わせとなった。

実施は既に決まっているというものの、どう見ても最初の計画そのものが杜撰で、しかも資料を検討していくうちに実施根拠となる数字そのものが誤っていることを発見!
そのことを担当に指摘すると外部のコンサルタントが出した数字とのこと。相手の出した数字をそのまま検証せずに鵜呑みにするとは、なんと間抜けで無責任な!

いささか憮然としながらオケの練習に参加。先週の練習は台風直撃で練習中止となり、その前の週は仕事で欠席。2週間ぶりの参加となってしまった。
今日は小ホールで神尾先生の指揮。曲目は「トトロ」組曲とオペラアリアの伴奏初見。

オペラは神尾先生自ら歌いながらオケを導いていく。オケのメンバーも初見ながら先生の歌のおかげで、迷走せずにそれなりに形になっていく。
曲は「トゥーランドット~Nessun dorma」、「蝶々夫人~Un bel di,vedremo」、「ラ・ボエーム~O soave fanciulla」、そして「椿姫~乾杯の歌」の4曲。

P1010238 トゥーランドット」を演奏しているうちに先ごろ逝ってしまったパヴァロッティの歌声が聴きたくなった。
聴いたのはA.スカルラッティの「ガンジス川に太陽は昇り」。
キングから出ていたLPで、サザーランドやテヴァルディ、ギャウロフらの歌唱を集めたオムニバス盤。

バロックトランペットの明るい響きと対等に響くパヴァロッティ独特の屈託のない明朗な歌声。仕事の疲れもしばし忘れさせてくれる名唱だ。

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2007年9月11日 (火)

アサヒ・クリアブラックのおまけCD

曇り後雨、日がだいぶ短くなった。この秋から来年にかけて大きなプロジェクト目白押し。これからかなり密度の濃い毎日になりそうだが、週の初めにしてすでにバテ気味。

仕事帰りにスーパーで買ったアサヒビールの発泡酒、クリアブラック350ミリ缶6本にクラシックのCDがおまけに付いていた。

P1010237 バッハの無伴奏チェロ組曲第一番プレリュードから始まり、パッヘルベルのカノンやバッハのアリア、ヘンデルのラルゴなど全8曲。最後はマーラーの交響曲第5番のアダージェットとなっている。

演奏は、来日経験もあるシップウェイやVOXに録音があるピエール・カオはすぐに判ったが他はアブラッツォ、ペルバ、ファエルベル、デ・フロメン????

どうやらファエルベルはどうやらフェルバー、デ・フロメンはド・フロマンのことらしい。
チェロはレイナー・フラショットという人が弾いている。いわゆるマイナー系駅売りCD一歩手前の面々だ。
さて、どんなものかと夕食後にゴロンと横になりながら娘のCDラジカセで聴き始めた。

ところが、これがなかなか良いのです。たぶんこのようなシンプルなシステム向きの音造りなのだろう。質朴でなかなか良い音が鳴っている。
猛スピードで飛ばす冒頭の無伴奏チェロ組曲には驚いたが、次のカノンからはアダージョ系の曲目が続く。

オルガンをソッと控え目に忍ばせたフェルバー&ヴェルテンベルク室内管のパッヒェルベル。実直なまでに丁寧に歌い上げたベルパ指揮シュトウットガルト放送響の「オンブラ・マイ・フ」にはぐっと来るものがありましたね。
ピエール・カオ&ルクセンブルクのマーラーもアダージェットのみならば、オケの弱体は気にならない。

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2007年9月10日 (月)

ライヒャのホルントリオ

昨晩からシトシト降り続いた雨は10時過ぎに大雨警報が出るほどの降りとなった。
高校でホルンを吹いている娘が、ホルン三重奏曲を探して欲しいという。まぁ常識的なところでライヒャのホルントリオを教えておいた。

P1010224 娘に聴かせたのはティルシャル兄弟らチェコフィルの名手たちによるライヒャの「ホルン三重奏曲集」。スプラフォン原盤の日本コロンビアが出したLPで、「放浪の芸術家たち」シリーズ中の一枚。
余裕のテクニックと艶やかな音色で、デヴェルティメンテント風の楽しい世界が広がっていく名演。ただし同じような曲が並ぶので、聞き手に飽きさせずLP1枚分を持たせるのは至難の技だ。

P1010238 P1010237 プラハ・コレギウムによる同じシリーズの「ボヘミアの古記録による狩の音楽」も聴いてみた。ライヒャと同工異曲の曲想だが、編成がバラエティに富んでいてこちらの方が楽しめた。

米EVERESTからも同じメンバーによる「18世紀の狩の音楽」というタイトルで似たようなアルバムが出ているが、こちらはホルンアンサンブルが中心だ。

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2007年9月 9日 (日)

リスト、ハンガリー狂詩曲オケ版の混乱

晴れのち曇り夜から小雨。ご近所で台風に屋根を飛ばされた家数件。娘の友人の家は、飛んできたトタン板が家の壁面に突き刺さっていた。

P1010231 今日はG.レエル指揮ハンガリー放送響のフンガトロン原盤による米パーラメント盤を聴く。
中身はリストのピアノとオーケストラのための「ハンガリー幻想曲」、「ハンガリー狂詩曲第2番」そしてB面はブラームスのハンガリー舞曲集というもの。

オケの実体はよくわからない。比較的小編成のようで、乾いて鄙びた音色とコブシを効かせた歌いまわしに独特の味わいがあって良い演奏だ。

ところで「ハンガリー狂詩曲第2番」冒頭がいきなりホルンのユニゾンで始まったのには驚いた。これは、今まで聴いたことがない版だ。
ここでまた聴き比べの虫が疼き出し、手持ちをいろいろ聴いてみた。

P1010229 まずシフラの演奏で原曲を聴く。EMIから出ていた2回目全集録音のLPで、リストが書いた20曲の「ハンガリー狂詩曲集」のうち、通常弾かれる15番までに16,19番の2曲を加えている。
2番のピアノ原曲は嬰ハ短調。
リストはこの中から6曲を選び、弟子のドップラーらとともに管弦楽への編曲をおこなったとされている。

「作曲家別CD&LD,DVD総目録2001年版」(音楽之友社)には、リスト&ドップラー編(嬰ハ短調)、ミュラー=ベルクハウス編(ハ短調)、ドップラー単独編(ニ短調)の3つのオケ編の記載がある。

P1010233 P1010235 P1010232 ちなみにトランペットのD音で始まるドップラー単独編の手持ちは、古いところではフィストラーリ、シェルヘンなど。
最近のものではNAXOSのアンタルやメータ&イスラエルフィル、I.フィッシャー&ブタペスト祝祭管といったところ。

P1010234 ミュラー=ベルクハウス編はカラヤン、ノイマン、エトセトラ。枚挙にいとまがないが、今回聴いた中では、セラフィムの廉価盤で出ていたルードウィッヒ指揮のバイエルン放送響による演奏がスケールの大きな堂々たる名演だった。

以上手持ちをいろいろと聴いてみるかぎりでは、ハ短調とニ短調の版の演奏ばかりでピアノ原曲と同じ嬰ハ短調のオケ編曲は皆無。G.レエル盤はニ短調だった。

この曲すべての録音を聴いたわけではないが、いろいろ調べた限りでは、第2番のオケ編に関しては、リストの手が入っていないドップラー単独編と録音数が最も多いミュラー=ベルクハウス版の2種しかなく、リスト&ドップラー編の第2番というのは存在しないのではないかと思う。

それにしてもLPやCDのジャケットや解説の調性の表記がいい加減なのには驚いた。ベルクハウス版なのにニ短調だったりその逆だったりと、ちゃんと聴いて解説を書いているのだろうか。

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2007年9月 8日 (土)

ヴァントのブルクナー、交響曲第8番

良く晴れた一日だが湿度非常に高し。夕方になり裏山の頂上には水蒸気が霧状に垂れ込めてきた。昨日は仕事に追われ、我が家周りの台風の被害を見ている余裕がなかった。休日の今日、あらためて見回ってみると裏山から吹き寄せた木の葉と折れた小枝が庭と畑に散乱状態。

畑では、根こそぎ飛ばされたモロヘイヤがミカンの木に逆さにぶら下がり、たわわに実ったレモンの木も完全にお辞儀している。
さらに裏山の胴まわり90センチほどの椎の木が根元から1メートルほど残してボッキリと折れ、6メートルほどの倒れた上の部分が隣家の畑を完全に分断している。これは弱った。とても素人の手に負えない。
貴重なる休日も後片付けに追われた一日となってしまった。

P1010228_2 今日聴いたのはブルックナーの交響曲第8番。
ギュンター・ヴァントがケルン・ギュルツニヒ管を振った1971年1回目の録音。
かつてBASFから2枚組LPが出ていたが手持ちはSCRIBUNDUMのCD。

ヴァントは後に何回もこの曲を録音しているが、一つ一つの音を緻密に組み立てていく職人的なアプローチは終始変わらなかった。大雑把に曲をグイと鷲掴みするようなクナッパーツブッシュの演奏とは対極にある現代的なスピード感が魅力の演奏だ。

P1010225 P1010227 ヴァントの他の演奏も聴いてみた。1987年北ドイツ放送響との第一回録音と、2001年ベルリンフィルとのライヴ録音。
やはりオケの性能の差は大きい。ヴァントの解釈もより深く彫り込んだ懐の大きな演奏になっている。

自分の好みでは重心の低さと野武士的な頑固さが魅力の北ドイツ放送響盤。

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2007年9月 7日 (金)

台風一過

0時過ぎから急に風雨が治まったと思いきや2時過ぎから再び風雨強し。暴風雨圏に入ってから実に12時間。これほどしぶとい台風は初めてだ。

P1010228 本日職場の状況が気になり朝6時過ぎに家内に送らせて出勤。車中に見る狩野川はかなり増水している。
職場の建物は多少の雨漏りはあったものの大したこと無し。守衛の報告も異常なし。多少の増水はあったものの駐車場入り口の防水扉が作動し、間一髪危機は乗り切った。

だが、9時近くになっても出勤して来たのは自分を含めて50名中6名あまり。風雨は治まり晴れ間が見えているのに?と思いふと近くの国道を見ると延々と続く大渋滞。東名高速道路が閉鎖されているために一般幹線が大渋滞となってしまった。路上での大型トラックの運ちゃんたちの仮眠も渋滞の原因のようだ。

職場へ向かう家内の車も渋滞に巻き込まれ、通常15分の道のりが実に3時間だったという。その他いろいろとあり、帰宅は22時近くとなってしまった。

P1010221 帰宅後聴いたのはRCAから出ていたLPで、ルービンシュタイン、シェリング、フルニエによるシューベルトのピアノ三重奏曲集。豪華なメンバーによる名曲名演だが、心身とも疲れた状態のため途中から意識が遠のいてしまった。

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2007年9月 6日 (木)

台風直撃

小笠原方面から近づいてきた台風9号がいよいよ直撃確実となってきた。
本日木曜はオケの練習日だが朝早々と練習中止の連絡が入った。

午後2時頃から今までもう6時間以上も暴風雨が続いている。
改築中の我が家は防水シートが風で剥がれ雨が漏り始めた。外からずぶぬれになりながらビニールシートを張るが風が強く危険を感じたので諦めることにする。

Housuiro_r10_c6Psp_00____paw__ja20070906120217 狩野川も増水し避難勧告が出ているようだ。

0時を回った頃から急に静かになった。台風の目に入ったのだろうか。

この間に防水シートの養生をすることにする。もうピークを過ぎたようだが念のため。

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2007年9月 5日 (水)

モントゥー、バックハウスのブラームス

台風がゆっくり接近中。予報では明日の夜に直撃の気配だ。間の悪いことに現在我が家は改築中。家の壁の半分は剥き出し状態で、大工さんたちがビニールシートを掛けてくれたが、暴風雨の中でどれほどの効果があるのだろうか。

P1010228 本日午前中から会議三連発。いささか疲れて夜9時過ぎに帰宅。
すると改築中の玄関先に蟹が這っている。自分が子供の頃は庭先で良く見かけたクロベンケイガニだ。

P1010225 今日聴いたのはモントゥーがコンセルトヘボウ管を振ったライヴ録音2枚組。
TAHRAから出ているCDで、1950年の演奏会からバックハウスをソリストに迎えたブラームスのピアノ協奏曲第一番、「火の鳥」組曲、ローマの謝肉祭序曲。そして1962年ウィーンでのライヴの「幻想交響曲」。

両巨匠ががっぷりと組んだブラームスがやはり聴き応えのある演奏。バックハウスの硬質なタッチと安定したテクニック、聴いていて安心感を感じさせる名演だ。
録音はアセテート盤に記録されていたものらしく、レンジが狭くノイズも多い。
「幻想交響曲」は1962年ながらモノラル録音。サンフランシスコ響盤ほどのインパクトはないが、こちらも若々しい覇気溢れる手慣れた演奏。

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2007年9月 4日 (火)

コッポラのサンサーンス

昨日から猛暑再来。接近する台風の影響だろうか、湿気を帯びた南風の吹く一日。本日は、来年度以降の組織の方向について外部の有識者を招いての会議。概ね自分の思い描いている方向に進む感触は得たが、週の始めから気疲れする一日。明日は第二弾が待っている。

P1010226 今日はピエロ・コッポラの指揮するサン・サーンスを聴いた。
DANTEから出ている1930年と1935年のSP録音を集めたもので、交響詩「フェトン」、ヴァイオリン協奏曲第3番そして交響曲第3番というもの。オケは交響詩がパリ音楽院管、コンチェルトがパドルー管。
交響曲はグラモフォン大交響楽団となっていて、オルガンはM..A.Cellierという人がサルプレイエルのオルガンを弾いている。

この中ではH.メルケルの弾くヴァイオリン協奏曲が最も印象に残った。比較的速いテンポのすっきり系の伴奏とヴァイオリンのトロンとした甘い音色が絶妙のバランスで響いている。
交響曲も端正できっちりとした演奏だが、レンジの狭いこの録音では想像で補う部分が多すぎる。

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2007年9月 2日 (日)

ホーレンシュタインの春の祭典

晴れのち曇り、涼しく過ごしやすくなってきた。庭のイチジクを採ったり、部屋の模様替えをしたりと平和な休日が過ぎていく。

Vox7804 久しぶりに「春の祭典」を聴いた。聴いたのはホーレンシュタイン指揮するバーデンバーデンの南西ドイツ放送響、VOX Legendsの一枚。組曲「火の鳥」(1919年版)とのカップリング。
2曲とも1957年の録音だが、「火の鳥」がステレオなのに「春の祭典」はモノラル。

過激で攻撃的なオケの爆発の中に聴かれるロマンティックな表情。時として他の演奏では聞こえないような内声部の音がクローズアップされてギョッとさせられる。
「春のきざしと若い男女の踊り」での突然のパウゼも驚きだ。モノラルながら音も鮮明、ゴングの音が実に良い。「火の鳥」も意外性に富んだ演奏。

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2007年9月 1日 (土)

クーベリックのマーラー第7番

今日から9月、急に涼しくなった。昨晩窓を開けたまま寝入ってしまったところ、足が冷えてこむら返りとなりあまりの激痛で目が覚めた。時計を見ると4時を少し回ったばかりだ。
ケイレン中の右足の筋肉を両手で伸ばしたまま、しばらく体は硬直状態。寝るに寝られずそのまま夜明けを迎えてしまった。

週末の土曜でゆっくり休みたいところだが、今日も出勤し、来週から立て続けに始まる重要な会議の資料を整える。夕方帰宅の途中で小雨となってきた。

P1010212 今日はクーベリックのマーラー。聴いたのは60年代末から70年代はじめにかけて録音されたバイエルン放送響とのスタジオ全集録音から第7番。この全集の最後を飾る録音だという。
オケの底力を十二分に引き出した緻密にして重厚な名演。第7番では一番好きな演奏だ。

P1010222 沼響のHPの聴き比べコラム「ブラームスの4番を聴く」に、クナッパーツブッシュの演奏の感想をアップしました。

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