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2007年10月に作成された記事

2007年10月31日 (水)

ウォルトン、フィンジのオルガンアルバム

波乱万丈の10月も今日で終わる。当初の予定はほぼ完遂したものの懸案事項も多い。本日は代休消化のため休み。ノンビリ一日過ごす予定が、庭木をいじっているうちに気に入らず、いろいろと掘り起こして移動したりと大変なことになってしまった。マヌケなことにそのうち腰が痛くなってきた。そういえば昨年ぎっくり腰をやったのも10月だった。なんともアホウである。

P1010266_2 今日は20世紀イギリス作曲家、ウォルトンとフィンジのオルガン曲を聴いた。英PRIORYから出ているCDで、Hereford CathedralのオルガンをR.Gowerという人が弾いている。全て編曲で、多くはGower自身のもの。前後にウォルトンの二つの戴冠式行進曲を挟んで、小品が10曲あまり。一番長いのはフィンジの「エクローグ」。

演奏の出来は良くわからない。はっきり言えるのは、いずれの曲もオリジナルを超えるものではないということ。残響過多の録音も問題だ。

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2007年10月30日 (火)

スクロヴァチェフスキのトッカータとフーガ

昨日に引き続き気温も高く穏やかな一日、夜から雨。突然の来客、ISOの監査などで本来予定していた仕事の半分もできず、夜ちょいと残業してから帰宅。連日の休日出勤で溜まり過ぎの疲労と代休消化のため明日は休むことにした。

P1010301 帰宅後聴いたのは、ミネソタ響100周年の自主製作アルバムから、スクロヴァチェフスキーの時代の録音。

バッハの「トッカータとフーガニ短調」をスクロヴァチェフスキー自身が大編成オケ用に編曲したもの。このセット物にはミトロプーロス自身の同曲編も収録されている。スクロヴァチェフスキーのアレンジはシロフォンやベルなども動員したド派手なもの。楽器の原色をそのまま使用したような露骨な編曲で、慣れ親しんだストコフスキーの編曲が地味に聴こえるほど。

P1010300 沼響のHPの聴き比べコラム「ブラームスの4番を聴く」にスワロフスキーの演奏の感想をアップしました。連載32回目

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2007年10月29日 (月)

豊田耕児の無伴奏

タワーレコードからCDが届いた。

P1010296 P1010297_3 いずれもタワー独自の企画で、ビクターヘリテージコレクションから豊田耕児の弾くバッハ無伴奏ソナタとパルティータ全曲、朝比奈隆のマーラーの交響曲第8番、同じくマーラーの「復活」を山田一雄の指揮。LP時代に買い逃していたもの。

P1010298_2 P1010299 豊田のバッハは日本人として初の全曲録音。朝比奈のマーラーは、実際に1000人の演奏者がステージに乗った大阪フィル第100回定演のまさに記念碑的なライヴで、当初はCD-4の4チャンネルステレオLP2枚組だった。合唱指揮はゲルハルト・ヒュッシュ。

同じくタワーレコードヴィンテージコレクションから、マイナルディの弾くベートーヴェンチェロソナタ全集。ピアノはカルロ・ゼッキ。

P1010294 そしてH.ピツカ・エディションからデニス・ブレインの吹くベート-ヴェンのホルンソナタのDVD。これは国内盤ではLDが出ていて、最近まで御茶ノ水ディスクユニオンのLDコーナーで高い値が付いていてしばらく売れ残っていた。

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2007年10月28日 (日)

スコダの「やさしいモーツァルト」

台風一過、澄んだ青空の広がる良い天気の日曜日。朝6時に部活動へ行く娘を駅まで車で送る。正面に見える富士山には程良い具合の冠雪があり美しい。久しぶりの休日でゆっくりと音楽でも聴いて過ごしたいところだが、改築後の片付けが未だ完了せず。終日埃まみれになりながら家具その他の移動で一日が終わる。

P1010299 作業を追え夕食後に聴いたのは、ウィーンのパウル・パドウラ・スコダの弾く幼い頃のモーツァルトのピアノ作品集。

70年代にCBSソニーが出した2枚組LPで、おそらく日本国内のみの発売。当時スコダ改訂による全収録曲の楽譜が付いていたはずだが、中古で買ったLPにはなかった。曲はロンドンの音楽帳から数曲とやさしいソナタ、マーチやメヌエット。そしてK330のソナタとトルコ行進曲。

トルコ行進曲は通常のピアノバージョンと、スコダ所有のシンバルと太鼓付きピアノバージョンの2種類を収録。いずれも単純明快でありながら純粋な天才の発露が垣間見られる作品集。効果音付きの「トルコ行進曲」は、中間部に太鼓とシンバルがドンシャリ・ドンシャリと入るずいぶんと賑やかで騒々しいもの。

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2007年10月27日 (土)

パレー晩年のボレロ

今日は一日雨、接近していた台風は猛スピードで過ぎ去った。朝からは出勤し、先週の会議の議事録作成など雑務に追われる。

P1010116 ここ数日Disco ArchivaのCDを少しずつ聴いている。モントゥーのCDが中心だが、本日はモントゥーと同年代のフランスの巨匠ポール・パレーの演奏。

1971年1月21日のコンサートライヴでオケはフランス国立放送管。曲目はピエルネのオラトリオ「少年十字軍」抜粋、「ボレロ」にメニューインをソリストに迎えたベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲。そしてボーナストラックにラロの「イスの王様」序曲というもの。

曲の前後にフランス語のアナウンスが入るので放送録音のエアチェックだろう。ラロは別の日の演奏。LDで出ていたメニューインのドキュメンタリー番組でこのコンサートの一部を見たことがあるので同時にテレビ中継もされていたようだ。ステレオ録音。

速いテンポで豪快に進めるボレロなどとても80歳半ばを過ぎた老人とは思えない。単純な旋律の繰り返しの中に漂うお色気も十分。パレーの孫のような少年合唱が加わったピエルネも美しい演奏だ。

Disco Archivaのパレーでは、1975年10月25日ライヴにも「ボレロ」がある。この日はフランクの交響曲とドビュッシーの「夜想曲」が演奏されていた。モノラルなのが惜しいがこちらはさらに燃えた壮絶な演奏だった。この時点でパレー実に89歳。

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2007年10月26日 (金)

ロジェストヴェンスキーのブルックナー、交響曲第3番

いずこからワープして来たかのように今朝突然日本近海に出現した台風20号の影響で今日は朝から雨。明日早朝には接近する見通し。こんな台風は初めてだ。地球温暖化の影響でここ数年おかしなことが続いている。

昨日は沼津の小ホールでオケの練習。中西先生による本番も終わり、昨晩から同一プロによる神尾先生による練習の再会だ。仕事は相変わらず油断のできない状況だが、正常心でオケの練習に顔を出す余裕も出てきた。

同じ「グランドキャニオン」を振っても二人の解釈は正反対。
ゆっくりシンフォニックに仕上げることを目指していた中西先生に比べ、神尾先生は速いテンポで軽いノリの、まさにこれがアメリカの音楽であること強調した指揮。
それでいて曲の要所要所に隠れているグローフェの「かくし味」的なオーケストレーションを解明しながら団員に指示することも忘れない。「夜明け」前半のチェロとコントラバスの一部のような箇所など納得の練習。これは面白いことになりそうだ。

今日はロジェストヴェンスキーの振るブルックナー交響曲第3番。
ブルックナーのひとつの交響曲の残された異稿全ての録音というきわめてマニアックなもくろみはソビエト崩壊によって残念ながら未完に終わったが、かなりの曲の録音が終わっていたのは幸いだった。

P1010297 本日聴いたのはその全集盤ではなく、70年代にロジェストヴェンスキーが主兵モスクワ放送響を振った録音の国内盤LP。同じ頃に第9番も録音していた。

かつて聴いた時は、濃厚でロマンティックな部分が強調されていた印象だったのだが、これはモコモコした録音に原因があったようだ。改めて聴いてみると意外にすっきりしているではないか。
70年代にはあまり演奏されることがなくなっていた改訂版を使用しているのもロジェストヴェンスキーらしい。だが違和感はさほど感じない。オケは非常にうまい。

P1010298 ついでにソビエト国立文化省響との全集録音の3バージョンの録音中から改訂版の演奏を部分的に聴いてみた。テンポとダイナミックスの変化はこちらの方が濃厚、まさに異形のブルックナー。
ロジェストヴェンスキーのうなり声も聞こえる。ライヴ録音かもしれない。
オケの精度は旧盤と比べるとかなり聴き劣りがする。

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2007年10月24日 (水)

ヴィンダーリヒのバッハ

周囲で風邪が流行り始めた。今回はノドをやられるらしい。自分も先週あたりからノドがどうもいがらっぽい。仕事が山場を越えるまでなんとかもたせたいものだ。

ヤフオクで落とした音盤が届いていた。今回は大量にオルガン曲のLPを出品されていた方から20種ほどを落札。
格安でマイナーなものが多く。当初競合する人もなく順調に落としていたのだが、次第に参入者が増えみるみるうちに値が釣り上がり、まだまだ欲しいものもあったのだが適当な頃合を見計らって手を引いた。

届いたLPを見るとドイツプレスの外盤が中心。おそらく大部分は現地で購入した物で初めて目にするレーベルも多い。中には演奏者のサインまで書かれているものまである。
持ち主は相当年季の入った筋金入りのオルガン愛好者だったようだ。

P1010292 P1010291 中でもハンブルクの聖ヤコビ大聖堂のシュニットガーの銘器を弾いたハインツ・ヴィンダーリヒのバッハ2枚は、イルジー・ラインベルガーのスプラフォン盤とともに是が非でも入手したかったものだ。

P1010296

P1010290_2 メジャーなものではレオンハルトの弾くフローベルガー、ハルモニア・ムンディ盤。
唯一の非オルガン盤としてはドウアット指揮のパリ・コレギウムムジクム合奏団によるクリスマス協奏曲を集めた日本コロンビア廉価盤。

P1010293 P1010295 歴史的な銘器から現代のオルガンまでの実に多彩なラインナップ。これはしばらく楽しめそうだ。


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2007年10月22日 (月)

モントゥーの61年ボストンライヴ

P1010117 今日はモントウー晩年のボストン響ライヴ。Disco Archiviaから出ている1961年8月19日のライヴを聴く。
曲目は「悲愴」「ペトルーシュカ」、そしてG.グラフマンの弾くラフマニノフのピアノ協奏曲第2番というもの。
「悲愴」「ペトルーシュカ」はスタジオ録音も含め何種かあるが、ラフマニノフは珍しい。

ライヴでもマイペースを崩さないモントゥーだが、この演奏はテンポを揺らしオケを開放的に鳴らした演奏だった。「悲愴」の第3楽章では会場から大きな拍手が沸いているほど。「ペトルーシュカ」も各所で打楽器を加え、フラッターをかけたトランペットもすさまじい。

ラフマニノフの濃厚なオケの響きにグラフマンのピアノは終始押され気味。
熱くなったオケをドライヴせずに、手先でチョイチョイとキャリーする遊び心にもあふれた巨匠の至芸。ステレオ録音なのもありがたい。

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2007年10月21日 (日)

裾野ファミリーコンサート

澄み切った青い空、本日は富士山の見事な姿が真近に見える裾野市での沼響ファミリーコンサート本番当日。

P1010288 当初ナレーターで共演する予定の細川ふみえが本人都合でダメになり、急遽裾野は神崎ゆう子さんとなった。
どこかで聞いた名前だと思っていたところ、かつてのNHK歌のお姉さんで、娘たちが幼児の頃良く見ていたベネッセの幼児用教材「しまじろう」のビデオに出ていた女性だ。

今や二児の母だという神崎さん。芸能人らしくないごく普通の品の良い雰囲気が漂う魅力的な女性だった。練習初めのカルメンでは、皆なんとなく寝ぼけていた音を出していたのだが、美しい神崎さんがステージに登場すると男性陣はとたんに張り切り始めた。げんきんなものだ。

今回は裾野市で今年創業100周年をむかえる渡辺建設の主催のコンサート。昨年社長が自分の母校である裾野西中学校に多大な寄付をおこない吹奏楽部を創設。いわばそのお披露目も兼ねたファミリーコンサートで、第一部は20名ほどの中学生によるステージ。第二部は「カルメン」「トトロ」「グランドキャニオン」の3曲を沼響が演奏。会場には市長さんの顔も見える。

客席は子連れが多く、幼児の泣き声や絶叫が飛び交う中での演奏会となったが、それもよいだろう。午前中一回合わせただけの神埼さんのナレーションも無事に進み、「トトロ」「グランドキャニオン」と演奏は進む。

ここ10日ほど休みらしい日もなく、神経をすり減らす毎日が続いたためだろうか、昨日の練習の疲労が完全に回復せぬままに本番を迎えてしまった。音程がふらつき気味で自分のペースがどうも掴みきれない。来月の同一プロでの沼津でのコンサートは万全の体調で臨まなければ。

アンコールは裾野西中の生徒たちと合同で「威風堂々第一番」。田舎の子供たちの真剣な演奏に会場からは暖かな拍手が沸いていた。

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2007年10月20日 (土)

明日は本番

土曜日とはいえ大きなイベントがあり本日出勤。仕事を無事に終え裾野のホールへ車を飛ばし6時半からの練習には辛くも間に合った。明日共演する顔見知りの裾野西中吹奏楽部顧問も顔を出している。

ハープ、チェレスタ、ウィンドマシーン、サンダーマシン、エトセトラ・・・本番で使う打楽器も全て出揃った。コントラファゴット、コールアングレ、6本のホルン。
マーラーでも出来そうな巨大な編成で実に壮観。さらに本番では裾野西中吹奏楽部のメンバーまで加わる。沼響の歴史でこれほど巨大な編成で本番を臨むのは初めてだ。

中西先生の指揮により、「カルメン」前奏曲、「トトロ」「グランドキャニオン」を順番に通していく。カルメンはともかく「トトロ」を演奏していくうちに、無事に今週を終えることができたことの安堵感がこみ上げてきた。心優しい久石譲の音楽。
先週から2回の練習を休んでしまい、今週も多忙なため碌にさらっていないため、今日の練習は自分としては悲惨な出来。
明日は自分のペースを保ちながら慎重に演奏することにしよう。

巨大な編成となり、多少は充実した響きにはなってきたが、皆微妙に音の開始が遅れ気味。もっと周囲の音を聴くべきだろう。
「グランドキャニオン」では自分の真後ろにウインドマシーンが鎮座し、ビュービューと煩いことこのうえなし。
巨大な薄い金属板を吊るした妖怪「一反もめん」のようなサンダーマシーンはオケに隠れて全然聞こえてこない。

裾野は気温が低い。練習後にホールから外に出たとたんにゾクッと来た。どうやら風邪をひいてしまったようだ。

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2007年10月19日 (金)

プラネスの「忘れられた映像」

激動の10月第3週も終わりに近づいた。昨日まで御前崎で県内同業者トップを集めての年一回の会議を事務局として主催。結果は予定以上の大きな成果を上げたとはいえ、なんとなく気分はすっきりせず。

宿の「御前崎グランドホテル」の宴会場のフロア壁面に、沼津を中心に活動していた志賀旦山画伯の絵を見つけた。
宴会を早めに切り上げ早めに寝付いたが、午前4時過ぎに目が覚めてしまった。ふと外を見ると素晴らしい星空だ。下界の遠州灘には漁り火を灯した漁船が数隻。
Images 俗事を忘れしばしポケーとしているうちに夜が明けてきた。大海原から登る巨大な太陽。
夜の静けさからの静から動への見事な場面転換。
頭の中にはドビュッシーの交響詩「海」の第一曲終盤、あの独特な響きの壮大なクライマックスが鳴り響く。
二日目の午前中まで会議は続き、夕方沼津到着後はデスクに山積みになった書類を処理するうちに9時過ぎとなり家路につく。帰宅途中で今日は練習日だったことを思い出した。

本日はISOの監査で2箇所訪問。明日は大きなイベントのため出勤となりさらに夜はオケの練習。日曜は「裾野ファミリーコンサート」の本番だ。ふーう。

P1010287 今日聴いたのは、プラネスの弾くドビュッシーピアノ曲全集から「忘れられた映像」その他。
「版画」「ピアノのために」「六つのエピグラフ(独奏版)」のほか、珍しい小品を数多く集めた素敵なアルバム。

ドビュッシーの最後の作品で、21世紀になって発見された「燃える炭火に照らされた夕べ」が収録されているのがうれしい。
プラネスの石英のようなヒヤリと硬質な音質がこれらの曲にはふさわしい。

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2007年10月16日 (火)

ヴァルヒャの平均律第二巻

秋は深まり朝は肌寒いほど。本日は来年の予算の精査を進めるうちに、次々と急を要する仕事が入り、しかも机の上の電話は鳴りっぱなしの状態。午後は外部の識者を招いての大きな会議。

P1010272 今日はアルヒーヴのバッハ大全集の箱物LPから、シェリングの弾く無伴奏パルティータを数曲つまみ聴き。妥協のない峻厳なる世界にいささか疲れて、ヴァルヒャの弾く平均律に途中から切り替えた。

明日から18日まで出張、県内のお偉方を集めて会議を仕切らねばならぬ。ちょいと気が重い。

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2007年10月15日 (月)

ルーセル室内楽曲全集

今年最大の山場の週に突入。本日は静岡市グランシップにて県内の同業者が一同に会する日。午前中の全体会の後午後は各専門部に分かれてセミナーを実施。

開会式の際の表彰で、今年は自分の部門が推薦した方が全国表彰対象者に決定。
これはこれでめでたいことだが、晴れの表彰の日にご本人が欠席となり、急遽推薦した自分が代理で表彰を受けることになってしまった。
ステージ上には県知事をはじめお偉方がずらり、テレビカメラも回っている。(・・;
楽器持参のステージは慣れているものの、手ぶらでは落ち着かないことこのうえなし。

P1010284 静岡までの往復中の電車で聴くために用意したのはブリリアントから出ている「ルーセル室内楽曲全集」。
有名な「フルート吹きたち」をはじめ、2曲のヴァイオリンソナタやルーセルが数多く書いたフルートのための曲や弦楽四重奏曲などのCD3枚組で1,500円ちょっとの激安盤。

漣のようなピアノに乗ってヴァイオリンが艶やかに歌う1枚目のピアノトリオの冒頭からその美しさに魂を奪われる思い。
ヴァイオリンのカントロフ以外は全てオランダ勢のようだが、緻密なアンサンブルと美しい音で、印象派ともちょいと異なるルーセル独特の繊細にして古典な世界を見事に描き出している。

P1010285 帰宅後にもうひとつルーセル。クリュイタンス指揮の「蜘蛛の饗宴」を聴いてみた。
神秘的でふわりとした耳が溶ろけそうなほど美しい冒頭フルートの響き。ルーセルはよほどフルートが好きだったのだろう。

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2007年10月13日 (土)

ストリックランドのエローラ交響曲

本日早朝から近くの吉田神社の祭典のしめ縄張り。日常はなかなか顔を合わすことのない人たちとたあいのない会話をしながらの作業。その後は出勤し来週から始まる会議資料の作成に追われる。

P1010289 今日は芥川也寸志の「エローラ交響曲」を聴いた。東芝から出ていたLPで、ストリックランド指揮のインペリアルフィルによる1960年頃の演奏。

インドのエローラ石窟の印象に触発されて作曲されたという「エローラ交響曲」。20曲ほどのエキゾティックで神秘的な短い小曲の連なりの摩訶不思議なる世界。師である伊福部昭の作品にも似た土俗的な曲想が時々顔を出すのが面白い。

それにしても片道分の旅費しか用意せず欧州楽旅に出発し、途中で旅費が尽きて楽員が帰国できなくなったという前代未聞の事件を起こして自然消滅したABC響から分裂して誕生したインペリアルフィルの演奏はかなりお粗末だ。
日本のプロオケとして非常な短命だったのも納得。

P1010287 P1010288 沼響のHPの聴き比べコラム「ブラームスの4番を聴く」にヴァン・ベイヌムの演奏の感想をアップしました。

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2007年10月12日 (金)

バッハ、斎藤秀雄編のシャコンヌ

北海道の「白い恋人」に引き続き、伊勢の「赤福」も賞味期限改竄が発覚。「赤福」の改竄は34年前からだという。食の安全以前のモラルの欠如がこの国全体に蔓延。これでは何を信じて良いのか判らない。
一国の総理が施政方針演説の翌日に政権を放棄、年金制度は破綻寸前、10月からの郵政民営化は手数料が軒並み値上げとなり簡易郵便局の廃業も相次いでいるという。
この国のかたちそのものがあたかも爛熟から崩壊へ移行つつあるようだ。

今日は斎藤秀雄編曲によるオケ版、バッハのシャコンヌを聴いた。

P1010285 この曲の録音には小沢征爾による桐朋メモリアルオーケストラ1984年ライヴとボストン響とのスタジオ録音が名高いが、今日の聴いたディスクは名古屋青少年交響楽団の第10回定期演奏会を記念して制作されたプライヴェートLP。

曲目は歌劇「アウリスのイフィゲニア」序曲、バッハ(斎藤秀雄編)シャコンヌ、ハンガリー舞曲第5番、そして重本佳美が弾くメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲というもの。
指揮はこの当時TBS系の音楽テレビ番組「オーケストラがやってきた」で創設まもない新日本フィルを振っていた山本七雄。

平均年齢14歳という小中学生らによるオーケストラとはいえ水準はなかなか高い。
素直でひたむきな思いが自然に伝わってきて聴いていて気持ちが良い演奏だ。
丁寧にキチンと弾いている「シャコンヌ」は、さながらオーケストラのためのエチュードのように響いてくる。メンデルスゾーンではのびやかで瑞々しい重本のソロが聴き物。
1975年8月、日本が未来への希望に満ちていた70年代前半の演奏会ライヴ。

P1010286 この当時学生だった重本は、1984年の小沢征爾の「シャコンヌ」では山形響のコンミスとして加わっていた。

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2007年10月11日 (木)

裾野ホール練習

今日は21日本番の裾野でのホール練習。仕事は酸欠の金魚のようなアップアップ状態でやらねばならぬこと山積みだが、ここらで酸素の補給も必要だろう。

P0601_01 職場から車で40分ほどの距離にある裾野のホールに着くと練習はすでに半ばを超え、「グランドキャニオン」の「山道をいく」が終わるところだった。本番近いこともあり出席率も良い。

ステージ袖で楽器の準備をしているうちにブラスの輝しい響きが耳に飛び込んできた。弦楽器にもふくらみが出て豊かな響きになってきた。うちのオケってこんなにうまかったのかな・・・

練習は「グランドキャニオン」から「トトロ」へ。、各セクションが裸になる部分はまだ弱いがかなりまとまってきた感触。これならば行けるだろう。
演奏会のプログラム原稿も書かなければ・・・・

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2007年10月 9日 (火)

ヴァルヒャの平均律

朝から小雨がぱらつく曇り空。今日は昨日に続いてバッハ大全集鍵盤音楽集からヴァルヒャの弾く「平均律クラヴィア曲集」を聴く。1974年、アルヒーヴへの再録音で、ここでヴァルヒャは1640年製リュッカースの歴史的銘器を弾いている。

かつてチェンバロで弾く「バッハの平均律」というとEMIへの全集を含めてヴャルヒャの演奏が定盤だった。
だがチェンバロで弾かれるバッハの鍵盤音楽はどうも苦手で、根が天邪鬼な私は人が褒めれば褒めるほど聴く気が失せ、購入後もずっと未聴。

ターンテーブル上を回転するアルヒーヴの銀色レーベルのLPにそっと針を下ろす。やがて第一曲の有名なハ長調のプレリュードが始まった。

これが実に良いのです。厳しさの中に人を包み込むような慈愛に満ちた感動的な演奏。
聴き手を素直な心にしてしまう演奏にただただスピーカーの前に頭を垂れて拝聴しました。

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2007年10月 8日 (月)

カークパトリックのインベンション

体育の日は朝から雨。昨日に今日も引き続き出勤、来年度予算案の骨子をほぼ完成させることができた。帰る頃に雨上がる。

P1010284 今日はスカルラッティの作品番号で名高いラルフ・カークパトリックの弾くバッハ「インベンションとシンフォニア」全曲を聴いた。
手持ちはアルヒーヴから出ていたLP100枚組「バッハ大全集」から鍵盤音楽編。

ここでカークパトリックはドルメッチが復元した1932年製のクラヴィコードを弾いている。金盥を叩くようなクラヴィコードの独特の音に初めは戸惑いを覚えたがダイナミックレンジの狭いクラヴィコードから、カークパトリックは実に多彩な表現を引き出している。

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2007年10月 7日 (日)

テーオバルト・ベームのグランドポロネーズ

3連休中日とはいえ来年度予算の組み立てのために本日出勤。今月半ばから連続する大きな会議のために関係機関にメールを送る。さらにISOの監査資料に目を通したりと多忙の一日。

P1010280 そんなことをしているうちに日が暮れてきた。今日は高校時代の先輩の織田茂伸さんのフルートリサイタルの日。慌てて帰り仕度をして会場の千本プラザへバイクを飛ばす。体に当たる風が冷たい。もう10月なのだ。

会場に着くとプログラム後半のシャミナードが始まっていた。ホールの扉の外でそっと聞き耳を立てると織田さんののびやかで暖かなフルートの音が聞こえてきた。
織田さんは独学でフルートを学び35年。今日は30歳の時から暖めていた念願のフルートリサイタル。会場に入ると200席のホールは一杯で立ち見も出ていた。

前半のフォーレとドビュッシーは聴き逃したが、後半聴けたのはシャミナードの小協奏曲、フォーレの「幻想曲」、ラフマニノフの「ヴォカリーズ」、そしてベームの「グランドポロネーズ」。ベームの難曲は破綻もなく吹き抜けていくのはさすが。
独学とはいえ国内のコンクールの入賞歴もある織田さんの面目躍如たる演奏だ。

アンコールはゴールウェイがよく取り上げる「タンブーラン」と、作曲者の名は忘れてしまったが「ロマンス」という曲。

織田さんの飾り気のない暖かな人柄を慕って集まった人たちと織田さんのフルートに寄せる熱い思いが作り上げた手造りのアットホームな演奏会だった。また吹いてください。

P1010279 帰宅後にベームの「グランド・ポロネーズ」を聴いた。ロイヤルフィルやロンドン響で吹いていたウイリアム・ベネットの吹くOefeo盤CD。

1981年11月27日、ベネットの他ニコレ、デボスト、アドリアン、グラフェナウアーら錚々たるフルーティストたちが一同に会したベーム没後100年メモリアルコンサートのライヴ録音。
ベームの玄孫、ルードウィヒ・ベームが一文を寄せている。

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2007年10月 6日 (土)

オーマンディのバビ・ヤール

台風や雨のため延び延びになっていた家の改築が完成、本日引き渡しとなり、家具の移動に追われる休日となった。

P1010278 今日聴いたのはオーマンディー指揮するショスタコーヴィッチの交響曲第13番「バビ・ヤール」。1970年のソ連国外初演直後に録音されたもので、手持ちは国内RCA盤LP。

初演者コンドラシンの圧倒的な演奏に比べると楽天的に響くのはいつものオーマンディだが、音がキチンと整理され明快で非常にわかりやすい演奏だ。バリトンのトム・クラウゼと合唱も良い。

それにしても、初演後まもなく改訂を強要され、出版もされなかったこの曲をオーマンディがいかなるルートを経て楽譜を入手し国外初演に漕ぎつけたのかは謎だ。

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2007年10月 5日 (金)

コリンズのディーリアス

昨日は大ホールでオケの練習だった。多忙な生活の中の重要なアクセント。曲目は中西先生の指揮で「カルメン」「威風堂々」そして「グランドキャニオン」、最後に「トトロ」の終曲。
いつものことながら遅れて到着すると会場ではすでに「威風堂々」が始まっている。
客のいない残響豊かなホールでの練習は吹いていて気持ちが良い。一週間で急にうまくなったような気分。
オケのメンバーも「グランドキャニオン」の合わせのコツがようやく飲み込めてきたようだ。鳴りがずいぶんと良くなった。

仕事はかなりピンチの状態だが、さほど気にならないのは根が鈍感なのが幸いしているのかも。ここ数日食欲旺盛、良く眠れている。

P1010276 P1010277 今日はシベリウス交響曲全集の名演で知られるイギリスのアンソニー・コリンズのイギリス音楽を聴いた。
聴いたのはDECCA音源によるBELARTのCDで、「夏の夜」「楽園への道」その他のディーリアスの管弦楽曲5曲を収めたCDと、同じくBELART盤でヴォーン・ウィリアムスとエルガー。
オケはディーリアスがロンドン響でV.WとエルガーはNew Symphony Orchestra of Londonによる1953年録音。

感情を排した端正で明快な演奏。中でもクールでありながらロマンティックさにも欠けないディーリアスは素敵な演奏だ。モノラルながら録音も良い。

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2007年10月 3日 (水)

フランツ・シュミットのプレリュードとフーガ

秋らしい爽やかな日々が続く。

P1010274 今日は重厚なオルガン曲、フランツ・シュミットのプレリュードとフーガを聴いた。アメリカLyricordから出ていたLPで、Arthur LaMirandeというオルガニストがセントルイスのAeolian Skinner organを弾いている。数年前に購入したまま未聴のままだった音盤。

曲は二長調「ハレルヤ」、変ホ長調の2曲。「ハレルヤ」は世界初録音だという。フランツ・シュミットはかなりの数のオルガン曲を残していて、今ではCD4枚組の全集も出ている。

ブルックナーの弟子だったシュミットの作品らしく、宗教的な荘厳さと静謐さに満ちた曲だ。
一曲の中に4つの部分から成るあたかも一曲の交響曲を聴くような大曲。
ただ一度聴いただけではよくわからない。まるで出口のない迷路を彷徨うような掴み所のない曲。

P1010275 もう一曲は、ブルックナーの男声合唱曲「ヘルゴランド」。これはブルックナーが完成させた最後の作品。
演奏はウィン・モリス指揮シンフォニア・ロンドン、アンブロジアン男声合唱団による英シンフォニカ原盤による日本ビクター盤LP。
晩年の作品とはいえこちらは大衆路線の比較的わかりやすい音楽。豪快にして重厚な描写音楽の世界。演奏も良い。

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2007年10月 2日 (火)

デュリュフレのレクイエム

当初から今年最大の山場は10月だと覚悟していたが、週の初めから予想外の大きな課題続出。対応に追われ夜遅くまで残ることになってしまった。

P1010273 このような疲れた日にはデユリュフレのレクイエム。清楚で純な心が洗われるような音楽。
グラーデン指揮の聖ヤコブ室内合唱団によるBISのCDで、オルガンとチェロ独奏版による演奏だ。


P1010271_2 沼響のHPの聴きくらべコラム、「ブラームスの4番を聴く」にミトロプーロスの演奏の感想をアップしました。連載30回目。

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2007年10月 1日 (月)

チェコフィル八重奏団

今日から10月。午前2時過ぎに突然の大きな地震。突き上げるような激しい縦揺れに思わず飛び起きる。震源地は箱根で震度5強とのこと。
P2100764 P2100759_2 自然と今でも火山性の亜硫酸ガスを吹き上げている箱根大涌谷の光景が頭に浮かんだ。大涌谷名物の黒ゆで卵に思いは流れ朝食はゆで卵を食べた。

20071001a 職場で今月の会議の資料を整えた後、夜はチェコフィル八重奏団の演奏会に行く。
毎年ウィーンフィルやベルリンフィルのメンバーを招いている沼津法人会青年部が主催のチャリティコンサートで、今年はチェコフィル。

曲は、ベルワルドの大七重奏曲から始まり、ドヴォルザークの伝説曲第3番、スラブ舞曲から2曲と最後にシューベルトの八重奏曲というもの。

スウェーデンの作曲家ベルワルドの曲を実演で聴くのは初めてだ。弦楽器各一人にホルン、クラリネット、ファゴットの編成。
ドイツ的なロマンティックな曲想に微かに漂うローカルなティスト。ヴィヴラートたっぷりのチェコフィル独特のクラリネットソロが第2楽章で仄かな哀愁を感じさせてなかなか良い。

次のドヴォルザークはアンコールの「ユモレスク」も含め、彼らの音楽という強みを感じさせるものだが、意外とすっきり速いテンポで仕上げていた。現代風のインターナショナルなドヴォルザーク。
緊密なアンサンブルで聴かせるシューベルトも見事なものだが、後半ではさすがにホルンは疲れた様子。

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