ロジェストヴェンスキーのブルックナー、交響曲第3番
いずこからワープして来たかのように今朝突然日本近海に出現した台風20号の影響で今日は朝から雨。明日早朝には接近する見通し。こんな台風は初めてだ。地球温暖化の影響でここ数年おかしなことが続いている。
昨日は沼津の小ホールでオケの練習。中西先生による本番も終わり、昨晩から同一プロによる神尾先生による練習の再会だ。仕事は相変わらず油断のできない状況だが、正常心でオケの練習に顔を出す余裕も出てきた。
同じ「グランドキャニオン」を振っても二人の解釈は正反対。
ゆっくりシンフォニックに仕上げることを目指していた中西先生に比べ、神尾先生は速いテンポで軽いノリの、まさにこれがアメリカの音楽であること強調した指揮。
それでいて曲の要所要所に隠れているグローフェの「かくし味」的なオーケストレーションを解明しながら団員に指示することも忘れない。「夜明け」前半のチェロとコントラバスの一部のような箇所など納得の練習。これは面白いことになりそうだ。
今日はロジェストヴェンスキーの振るブルックナー交響曲第3番。
ブルックナーのひとつの交響曲の残された異稿全ての録音というきわめてマニアックなもくろみはソビエト崩壊によって残念ながら未完に終わったが、かなりの曲の録音が終わっていたのは幸いだった。
本日聴いたのはその全集盤ではなく、70年代にロジェストヴェンスキーが主兵モスクワ放送響を振った録音の国内盤LP。同じ頃に第9番も録音していた。
かつて聴いた時は、濃厚でロマンティックな部分が強調されていた印象だったのだが、これはモコモコした録音に原因があったようだ。改めて聴いてみると意外にすっきりしているではないか。
70年代にはあまり演奏されることがなくなっていた改訂版を使用しているのもロジェストヴェンスキーらしい。だが違和感はさほど感じない。オケは非常にうまい。
ついでにソビエト国立文化省響との全集録音の3バージョンの録音中から改訂版の演奏を部分的に聴いてみた。テンポとダイナミックスの変化はこちらの方が濃厚、まさに異形のブルックナー。
ロジェストヴェンスキーのうなり声も聞こえる。ライヴ録音かもしれない。
オケの精度は旧盤と比べるとかなり聴き劣りがする。
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